ピストカルチャーへの造詣が深いイタリアのチネリが、マルチパーパスコミューターの新型"TUTTO PLUS"を発表した。最大タイヤ幅拡幅やリアディレイラー取付可能なフレームへと進化し、更にカスタマイズの幅を広げている。



チネリ TUTTO PLUSチネリ TUTTO PLUS (c)チネリ
チネリとMASHとのコラボレーションから生まれたMASH WORKS。現在はTUTTOというモデル名でラインアップされており、イタリア語で"全て"というモデル名の通り、様々なシチュエーションをカバーできるマルチパーパスな自転車として、チネリファンより注目されていた。

そんなTUTTOが2021年モデルでアップデートされ、TUTTO PLUSとしてラインアップされる。クロモリフレームとスチールフォークはこれまで通りのため、一見したところは大きな変化が無いように見えるが、各部に仕様変更が加えられている。

最も大きなポイントはタイヤクリアランスが700×35Cから700×45Cへと拡幅されている点。これまでもコミューターバイクとしては幅広な設定であり、装着可能なタイヤのバリエーションの多さこそがTUTTOをマルチパーパスバイクたらしめる由縁だった。今回の新型ではグラベルタイヤをも装着可能とすることで、現代的なマルチパーパスバイクとしての立ち位置をさらに確かなものとしている。

レモンイエローからグリーンへと変わるグラデーションが採用されるレモンイエローからグリーンへと変わるグラデーションが採用される (c)チネリプレーンなペイントではなく、マーブルのような模様がペイントされているプレーンなペイントではなく、マーブルのような模様がペイントされている (c)チネリ新型ではリアディレイラー用のマウントも備えられている新型ではリアディレイラー用のマウントも備えられている (c)チネリ


加えて、トラックエンドながらリアディレイラー用のマウントが備えられたことも今作のポイントだ。ドライブサイドのチェーンステーに潰し加工が施されているため、フロントダブルのチェーンリングも装着しやすくなっている。これまでシングルスピード専用マシンだったが、変速機を受け入れることで、TUTTOのカスタムの幅はこれまで以上に広くなっている。そのため、リアエンド幅は120mmから130mmへと広がっている。

一方で、TUTTOはベルトドライブ対応だったがTUTTO PLUSでは非対応となり、フロントフォークのダボ穴も省略されている。また、ヘッドアングルも調整され、ホイールベースも長くなっており、純粋なトラックバイクとはまた違う乗り味を実現したという。

チネリ TUTTO PLUSチネリ TUTTO PLUS (c)チネリ
フレームはクリスタルブルー・パースエーションというカラーで彩られる。フレームは緑がかった暗い青色でペイントされている上に、マーブル模様のディテールが散りばめられたデザイン。フォークはレモンイエローからライトグリーンへと変化するグラデーションが採用されており、爽やかな印象を演出している。

TUTTO PLUSは標準で18T固定ギアを装備したシングルスピード仕様の完成車で販売される。装備されるタイヤは35Cで、価格は118,000円(税抜)。



チネリ TUTTO PLUS
チューブ:コロンバス クロモリ ダブルバテッド
フレーム重量:2,100g(サイズM)
フォーク:コロンバス スチール 1-1/8"
フォーク重量:1150g
ブレーキ:テクトロ TEKTRO CL-310
ギア:18T固定
タイヤ:KENDA KWICK TRAX 700×35C
最大タイヤ幅:700×45mm
カラー:クリスタルブルー・パースエーション
サイズ:S(52)、M(54)、L(56)、XL(59)
価格:118,000円(税抜)