登坂区間でCCC・リブが集団を絞り込み、その後の集団スプリントでマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)が狙い通りのステージ2連勝を達成。ここまでの6日間で3勝とステージ勝率を50%までに乗せている。



マリアローザを着用するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)マリアローザを着用するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVosステージ優勝に期待がかかるマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)ステージ優勝に期待がかかるマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos

特別賞ジャージ着用選手を先頭に89.1kmのショートステージがスタート特別賞ジャージ着用選手を先頭に89.1kmのショートステージがスタート photo:CorVos
カンパニア州ナポリ県の海の街トッレ・デル・グレーコを出発し、山岳区間を経由してノーラを目指すジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)第6ステージ。カテゴリー山岳は41km地点の3級山岳1箇所だけだが、スプリンターにとってはその後連続して訪れる3箇所のピーク(登坂距離は合計12.1km)を生き残れるかが鍵。89.1kmという短距離ステージではリアルスタート直後から激しいアタックが掛かった。

3級山岳サルノ・ヴィア・ブラシグリアーノに入ると逃げグループは吸収され、続くノンカテゴリーの登りでは前日に続いてピュアスプリンターを振り落とす思惑を持ったCCC・リブがメイン集団のペースアップを敢行する。この動きに耐えた5、60名がひと固まりとなって頂上を超え、フィニッシュまで20km続く下りと平坦区間に入った。

残り12km地点からはマリア・ノヴォロドスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラープロサイクリング)が単独先行したものの、30秒差を得た残り3.7kmの交差点を曲がりきれずに落車してしまう。トレック・セガフレードとキャニオン・スラムが肩を並べるようにリードアウトトレインを発進させたが、フラムルージュ(残り1km)が近づくとサンウェブが主導権を奪った。

前日6位のアリソン・ジャクソン(カナダ)を従えたサンウェブ列車が55km/hでレースを引っ張ったが、その背後に滑り込み、絶好の形を作ったのはマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)。後方から次々と選手が加速する混沌としたスプリントで、長年勝ち星を積み重ね続けているフォスの勝負勘が冴え渡った。

僅差でハンナ・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム)を下したマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)僅差でハンナ・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム)を下したマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
ステージ2連勝を射止めたマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)ステージ2連勝を射止めたマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
ハンナ・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム)やロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)、コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ)らによる横一線のスプリントで先着したフォスが今大会3勝目。ここまでの6日間で3勝とステージ勝率を50%までに乗せたフォスは「各チームそれぞれの思惑が重なり合った終盤はかなりタフだったけれど、チームは今日も素晴らしいアシストで位置取りをしてくれた。最高のチームがいるからこそエネルギー消費を抑えて勝負のタイミングを待つことができる」とチームを労っている。

2日連続で表彰台に上がったマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)2日連続で表彰台に上がったマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
「CCCが山でハイペースを刻んでくれたおかげでレース状況が落ち着き、安全にフィニッシュできたのでとても良かった」と言うマリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)は危なげなく集団内フィニッシュ。「例えスプリントステージでも毎日集中して走ることが(総合優勝への)鍵。最終日が一番タフだろうけれど、そこに至るまでも絶対に気を抜けない」とフィニッシュ後のインタビューで語っている。
ジロ・ローザ2020第6ステージ結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) 2:14:24
2位 ハンナ・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム)
3位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)
4位 コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ)
5位 アミー・ピーテルス(オランダ、ブールス・ドルマンス)
6位 アーレネス・シエラ(キューバ、アスタナ)
7位 イラリア・サングイネーティ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)
8位 ジョルジア・バリアーニ(イタリア、トップガールズ・ファッサボルトロ)
9位 スティン・ボールグリ(ノルウェー、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)
10位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
個人総合成績
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 17:37:28
2位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) 1:52
3位 アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) 2:03
4位 セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) 3:03
5位 ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) 4:21
6位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 4:32
7位 アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) 4:34
8位 マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) 4:38
9位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) 5:02
10位 エリゼ・チャビー(スイス、エキップ・ポール カ) 5:32
その他の特別賞
山岳賞 セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)
ポイント賞 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)
ヤングライダー賞 ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ)
チーム総合成績 エキップ・ポール カ
text:So Isobe
photo:CorVos