ツール・ド・フランス初日の負傷を押して走り続けていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)のレース離脱が決定。「回復することなくツールを去るのはあまりにも残念」と語っている。



第1ステージの落車で傷だらけのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング))第1ステージの落車で傷だらけのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)) photo:Makoto.AYANO
雨のツール・ド・フランス初日に、身を乗り出してカメラを構えていた観客と接触して発生した集団落車に巻き込まれたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)。左半身を広く負傷し、肘を数針縫う怪我を押して走り続けていたが、チームマネージャーのビャルネ・リース氏は第9ステージを終えたその夜に第10ステージの未出走を決定。前哨戦のクリテリウム・デュ・ドーフィネで好調ぶりを見せていた37歳のベテランがツールを去ることとなった。

「回復することなくツールを去るのは残念だが、毎日の痛みは凄まじいものだった。それに加えてこの先クラッシュに巻き込まれて負うダメージのリスクは大きすぎる。できるだけ早く回復することにフォーカスして、次の目標であるジロ・デ・イタリアにコンディションを合わせていきたい。ベストを尽くすべく努力し、チームや関係者全員から信じられないほどのサポートを得ることができた。残りのステージでのチームの活躍を祈っている」と、ポッツォヴィーヴォは悔しさを語っている。

昨年8月の練習中に交通違反の車にはねられ、選手生命を脅かしかねない大怪我(気胸と肘と足の骨折)から復調して臨んだポッツォヴィーヴォだが、同じ肘に負ったダメージはあまりにも大きかった。NTTプロサイクリングは欧州王者ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)に続く2人目のリタイアを出すこととなる。

「彼が毎日痛みと闘う姿を見て、我々は現段階での彼にとっての最善策がレースから降ろすことだという答えに達した。総合成績を狙う走りができると期待していたが、そのチャンスは初日の落車で奪われてしまった。昨年の大落車から復帰し、ツールに向けて準備を整えてきた彼がこのようなことでレースを終えるのはとても悲しい」とリースGMは話している。

text:So.Isobe