椿大志が今シーズン限りでの引退することを、所属チームのキナンサイクリングチームが発表した。契約期間の12月までのレースやイベントには参加する。




2017年ツール・ド・モルッカ第4ステージで優勝した椿大志(キナンサイクリングチーム)翌日の第5ステージも優勝した2017年ツール・ド・モルッカ第4ステージで優勝した椿大志(キナンサイクリングチーム)翌日の第5ステージも優勝した photo:Shunsuke.Fukumitsu
椿大志は1991年東京都出身。2012年、U23の全日本選手権個人タイムトライアルで優勝し、2014年からチームブリヂストンアンカー、2017年からはキナンサイクリングチームに所属。2017年のツール・ド・モルッカ(UCI2.2)では第4、第5ステージで連続優勝し、ポイント賞も獲得。昨年のおおいたアーバンクラシック(UCI1.2)では勝負のかかった最後の展開を作って5位に入って見せた。

一方で、怪我によりレースを離れることが増えたため、2020年に成績が残せなければ引退することをチーム側に伝えていたが、新型コロナウィルスの感染拡大によりレース数が少なくなる中、引退の意向を固めたという。

チームとの契約は12月まで残っており、椿は残りのレースシーズンやイベント活動などに全力で取り組むとコメントしている。


以下、椿大志 一問一答(プレスリリースより)

-今季で引退すると決意した理由・要因は?

しばらくけがが続くような状態があって、加藤康則ゼネラルマネージャー(GM)には「今年(2020年)に成績が出なければ最後にしようと思っている」という話を聞いてもらっていたのですが、実際今年は非常に難しい状況になってしまった。そうした要因と、自らの引き際を考えた結果、今年を最後にしようと決めました。

-引退することを決めたタイミングは?

引退する決意を固めたのは、今年のJプロツアー開幕戦の群馬3連戦。加藤GMと話をして、引退する意向を伝えました。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大によって難しい状況になった時点で、「今年で最後かな」という思いはありました。

8月29日・30日に開催されたJプロツアー「西日本ロードクラシック広島大会」に出場した椿大志(キナンサイクリングチーム)8月29日・30日に開催されたJプロツアー「西日本ロードクラシック広島大会」に出場した椿大志(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
-関係各所・チームメートの反応は?

引退の報告をして、多くの方から「(引退するのは)もったいない」と言っていただいたり、「お疲れさま」とねぎらっていただけた。僕自身もどこか「もう少し競技を続けたい」という気持ちはあったので、みなさんからいただいた声は本当にうれしかったです。

2019年おおいた いこいの道クリテリウムで2位表彰台、翌日のおおいたアーバンクラシックでは5位入賞を果たした2019年おおいた いこいの道クリテリウムで2位表彰台、翌日のおおいたアーバンクラシックでは5位入賞を果たした photo:Satoru Kato-選手時代の思い出を挙げるならば?

競技を始めて以来、多くの方との出会いや出来事があって、選手として過ごした日々すべてが大きな思い出です。

-2017年のツール・ド・モルッカではステージ2勝。大きな勝利でしたね

最初から最後までハプニングの連続だったレース。これも思い出の1つですが、僕自身プロになって初勝利だったので、とてもうれしかったですし、応援してくださるみなさんに勝ったことを報告できたことは心からよかったと思っています。

-引退後のセカンドキャリアについて。どんなビジョンを持っているか

高校の頃から10年以上、ロードレースという競技に携わってきたので、これからはそれまでの経験を生かした活動ができればと模索中です。決まり次第みなさんにお伝えしたいと思います。

-KINAN Cycling Teamはどんなチームでしたか?

初めての移籍で、加入当時は面識のない選手も多かったこともあって、楽しみと不安とが入り混じった中でチームに加わりました。チーム活動をしていくうちに、地域密着で熊野地域を盛り上げようという取り組みから地元の人たちからの応援を実感し、肌で感じられるものも多くなっていきました。

-シーズン終了まで残り数レース、さらにはイベント活動も控えています。残された期間での活動をどう送っていきたいと考えていますか?

こんな状況なので、どれが最後になるのかも分からない。「これが最後になるかもしれない」と常に思いながら、この先の活動に取り組んでいきたいと思います。

-応援してくださった方々へ一言

僕のような選手がここまで続けられたことは本当に幸せなことですし、応援し続けてくださった方々には心から感謝を伝えたいと思います、ありがとうございました。残りの期間、お会いできる機会は少なくなってきていますが、最後まで全力で取り組んでいきますので、引き続き応援よろしくお願いします。

text:Satoru Kato

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