新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、UCI(国際自転車競技連合)は4月23日に、女子ロードレースに関する声明をリリース。UCIは選手やレース主催者らと対策会議を開き、遅くとも5月15日までに新レースカレンダーなどの発表を目指すとした。



UCIウィメンズワールドツアー再開に向けた対策会議の実施が決定UCIウィメンズワールドツアー再開に向けた対策会議の実施が決定 photo:Kei Tsuji
UCIが4月23日に発表したリリースによると、女子レースのパンデミック対策会議には、選手代表としてCPAウィメン(女子プロ選手組合)かつUCI競技者委員会メンバーのマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)、AIOCC(レース主催者協会)を含むレース主催者、22の女子チームで構成されるUNIO(女子チーム団体)が参加する。

特に、女子選手組合のTCA(自転車競技同盟)のメンバーでもあるマリアンヌ・フォスの参加は、4月17日にTCAがUCIに「選手の意見反映や、議論の透明性」を訴えるため提出した意見書を、UCIが受け入れたことを意味している。

UCIは、会議の目的を「女子国際ロードレース競技カレンダー(UCIウィメンズワールドツアーを含む)の参加規定とレース開始時の1チームにおける出場選手数の改定」、「遅くとも5月15日までにUCIウィメンズワールドツアーの新カレンダーの発表すること」だと伝えている。

女子選手の中でもとりわけ発言力を持つ元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)女子選手の中でもとりわけ発言力を持つ元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) (c)CorVos
リリースの中でダヴィ・ラパルティアンUCI会長は「私たちはパートナーとともにUCI女子ワールドツアーの新しい日程を、世界の健康状況が可能にする限り、早急に提出したいと思います。この巨大な課題に直面している私たちは、すべての選手と関係者の健康を第一に考えた上で、これまで以上に団結し、責任感を持ち、スポーツを再開させるべく強くならなければなりません」とコメントした。

2020年は、女子ロードレースにとって変革の年になるはずだった。まず46チームの「UCIチーム」という1つのカテゴリーから、7チームの「UCIウィメンズワールドチーム」がファーストディヴィジョンとして承認され、2つのカテゴリーに分かれた。そして、その7チームではUCIが規定した最低給与などの条件が設定され、またテレビ中継の増加など、競技環境に大きな改善が行われた。

しかし、2020年のUCIウィメンズワールドツアーは予定されていた21つのレースのうち、カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース(2月1日)のみが開催。男子チームに比べ予算規模の小さい多くの女子チームの存続が、懸念されている。

text:Sotaro.Arakawa

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