現役の女子自転車選手を中心に結成されたTCA(自転車競技同盟)が、4月17日にUCIに対し選手の意見の反映と新レースカレンダーに関する議論の透明性を求める意見書を提出した。



アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、UCIは4月15日にツール・ド・フランスを含む3つのグランツールと世界選手権の新レースカレンダーを発表した。しかし、その中には女子レースに関する項目はほとんど含まれておらず、新しいレース日程の決定も最短で5月15日と、男子レースと比べ1ヶ月近くも遅れることがわかった。

その発表を受けた女子選手組合のTCA(自転車競技同盟)は、翌日の16日にツイッターで「私たちはUCIに対して、2020年のUCI女子レースカレンダーに関する議論への参加を何度も要求してきました。この発表は選手の利益や声を表してはいません。私たちは今後の計画に関する議論への参加をUCIに訴え続けます」とコメントを出した。

そして4月17日、TCAは公式WebサイトにUCIへの意見書を掲載。そのリンクをつけたツイートには、UCIのアカウントとともにTCAに加盟する元世界選手権ロード王者のマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)やアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)ら、8名のアカウントがつけられた。

TCAによる意見書には、UCIに対し、パンデミックがもたらす議論に女性側の意見を代表する者がいないことや、女子レースの新カレンダーに関する議論への不透明さなどが指摘され、声明の最後には女子自転車競技の維持・発展のためにUCIがTCAと連携をする必要性が述べられた。

2020年のUCIウィメンズワールドツアーは、21つのレースで行われる予定のなかカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース(2月1日)のみが開催。3月15日にUCIがレースの中止を要請して以降、予定されていた全てのレースが中止・延期されており、UCIによる女子レースの新しいカレンダーの発表が待たれている。

text:Sotaro.Arakawa

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