チームイネオスは、イネオス社が製造した新しい手指消毒剤を医療機関に届けるための物流支援を開始したと発表。レース活動で培われたロジスティクスを活用することで、よりスムーズな病院への物資供給をサポートするという。



工場から病院へと配送される手指消毒剤。順次生産ラインを稼働させ、より多くの医療機関に提供する予定だという工場から病院へと配送される手指消毒剤。順次生産ラインを稼働させ、より多くの医療機関に提供する予定だという (c)Team INEOS
このプロジェクトはイギリスの大手化学企業であるイネオス社と、チームイネオスがレース活動で培ってきた物流システムを統合したもの。イネオス社は月当たり最大100万本に及ぶ手指消毒剤の生産をスタートさせており、チームのロジスティクスチームがNHS(公的医療機関)への物流を支援する。

チームイネオス代表のデイブ・ブレイルスフォード氏はビデオメッセージの中で「我々には常日頃世界中でレース活動を行い、その中で常時人材やバイク、エキップメント、補給類、車両などの物流に携わる素晴らしいチームを保有しています。この状況下では彼らのスキルが大いに役に立つと確信しています」とコメントしている。

イネオス社が製造した手指消毒剤イネオス社が製造した手指消毒剤 (c)Team INEOS
イネオスはイギリス国内にある工場での生産ラインを10日間で稼働させ、続いてドイツとフランスにある工場でも手指消毒剤の生産をスタート。さらにはフランス北東部にも4番目の工場建設を発表しており、最終的には現在28箇所の医療機関で行なっている手指消毒剤の供給をより広い範囲で行なっていくという。

プレスリリースによれば、現在イネオス社の繊維部署、科学部署の全てが医療・製薬業界に製品供給を行なっており、それらはゴム手袋、PVC生理食塩水注入、注射器、人工呼吸器、医療用チューブなど、医療分野で不可欠な製品に使われているほか、コロナウイルスに対するワクチン製造や治療にも使用されているという。


ブレイルスフォード氏はプレスリリースの中で「通常であればスポットライトの下で注目を受けるのはプロスポーツ選手やパフォーマーですが、今その場所にいるのは医療機関で働く人々です。戦いの最前線に身を置く人たちを、今やスポーツ業界が応援する側に立って支援するのは素晴らしいことであり、特権のように感じています」と語っている。

スポーツサイクリング界では、日本国内でもパールイズミが洗って使える布マスクの生産をアナウンス。海外でもサンティーニが医療現場に向けたマスク生産を開始するなど、新型コロナウイルスに対抗する動きが拡大している。

text:So.Isobe

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