栃木県那須地域を本拠地とするロードレースチーム「那須ブラーゼン」を運営する NASPO株式会社と、「那須ハイランドパーク」などを運営する藤和那須リゾート株式会社は、新たに女子チーム「那須ハイランドパークレーシングチーム GIRLs」を発足させることを発表。藤和那須リゾート株式会社の正社員として働きながら競技活動をするメンバーを募集する。



JBCFのレースでも女子選手の参加者は増加傾向だが、女子のチームはまだ少ない(2019年JBCF東日本ロードクラシック)JBCFのレースでも女子選手の参加者は増加傾向だが、女子のチームはまだ少ない(2019年JBCF東日本ロードクラシック) photo:Satoru Kato
新たに発足する「那須ハイランドパークレーシングチーム GIRLs」は、「藤和那須リゾート株式会社」の正社員として働くことで安心して競技継続出来る環境を整え、それにより競技人口の増加、他種目からの優秀な人材の発掘、アスリートのキャリア支援モデルとなることや、人手不足を解消する雇用創出モデルとなることを目的とする。JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)が主催する「Jフェミニンツアー」などに参戦する予定で、自転車ロードレースで向上心がある女性なら年齢・経験を問わず、最大10名程度の選手を募集する。

今年から那須ブラーゼンに加入した新開隆人は那須ハイランドパークレーシングチームから昇格を果たした今年から那須ブラーゼンに加入した新開隆人は那須ハイランドパークレーシングチームから昇格を果たした photo:Satoru Kato那須ブラーゼンのスポンサーでもある「藤和那須リゾート株式会社」は、北関東最大の遊園地「那須ハイランドパーク」や隣接するホテルなど、那須高原最大の総合リゾート別荘地を運営する企業。2019年シーズンは那須ブラーゼンのサテライトチーム「那須ハイランドパークレーシングチーム」を発足させ、今年は5名の選手が所属することになっている。

応募はエントリーシートをメールで送付し、那須ブラーゼンの適性審査と、藤和那須リゾート株式会社の面接を受けて採用の可否が判断される。応募締切りは4月30日。詳しくは、この記事の最下部にあるリンク先をご参照頂きたい。



将来的には新卒の採用も 女子選手の新たな進路の選択肢となるか?

女子ロードレースが初めて開催された2019年茨城国体女子ロードレースが初めて開催された2019年茨城国体 photo:Satoru Kato
沖縄で開催された2019年インターハイの女子ロードレース沖縄で開催された2019年インターハイの女子ロードレース photo:Satoru Katoロードレースやトラック種目の女子選手数は近年増加傾向にある。それに合わせるように、インターハイと国体で女子種目が正式化したことで、高校生の女子競技者数が増えた。

一方で、学校を卒業した後も競技を続けようと思うと、プロ選手になるためのレールが整っている男子に比べると大きな差があるのは否めない。最近では「ガールズケイリン」を志す女子選手が増えているが、それ以外で女子選手がプロとして活動するのはかなり難しい。特にロードレースでは国内に女子のプロチームが存在しないこともあり、仕事をしながら競技を続ける選手がほとんどだ。

今回発足する「那須ハイランドパークレーシングチーム GIRLs」は、藤和那須リゾート株式会社内の社会人スポーツチームという形を取る。メンバーは藤和那須リゾートの正社員として採用され、グループ内の各施設に配属される。言わば「実業団」のシステムを取ることで、生活=収入が約束される。

レースや普段の練習については、すでに発足している男子チーム同様に那須ブラーゼンがサポートする。機材は自費で用意する必要があるが、パーツや製品など一部は那須ブラーゼンのサポートプログラムを利用することも出来るという。将来的には新卒者の採用も予定しており、レースで入賞するなどして実力を見せれば、就業時間や休日取得の調整なども検討していくという。

この試みは女子選手の新たな選択肢となるか?今後の動向を注目したい。

text:Satoru Kato

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