ドバイの街中にフィニッシュするUAEツアー第4ステージで、トップスプリンターひしめく混戦の中から抜け出したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が勝利。スプリントのトップスピードは72.5km/hに達した。


世界一の高い828mのブルジュハリファを望む世界一の高い828mのブルジュハリファを望む photo:LaPresse
UAEツアー2020第4ステージUAEツアー2020第4ステージ photo:LaPresseUAEツアー2020第4ステージ(距離173km/獲得標高差500m)UAEツアー2020第4ステージ(距離173km/獲得標高差500m) photo:LaPresse

ドバイ市内のザビールパークをスタートし、幹線道路を走って市内と郊外を行き来しながらドバイシティウォークを目指す173kmの平坦コースで行われたUAEツアー第4ステージ。2つのジュベルハフィート山頂フィニッシュに挟まれたこのステージは、世界一の高さ(828m)を誇るブルジュハリファのすぐ近くでフィニッシュを迎える。

前日に山岳決戦を終え、翌日に山岳決戦を控えたこの日、プロトンから中間スプリント賞のヴェリコ・ストイニッツ(セルビア、ヴィーニザブKTM)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)が逃げ出した。連日逃げるプロ1年目の21歳ストイニッツは2つの中間スプリントでさらにポイントを稼いで同賞1位を確固たるものにしている。

追いかけるメイン集団の中では総合上位陣が中間スプリント3番手通過を狙ってスプリント。総合3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を下した総合9位ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)がボーナスタイム1秒獲得により総合6位に浮上している。ちょうどレース中盤、フィニッシュまで90kmを残してカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)とパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)という今大会のステージ優勝達成者が落車したが、両者ともにレースに復帰した。

やがて先頭で独走状態となったクラークが1分リードを維持したまま残り30km。ドゥクーニンク・クイックステップやユンボ・ヴィスマ、バーレーン・マクラーレン率いるメイン集団は容赦なく残り7km地点でクラークを飲み込んだ。

超高層ビルが立ち並ぶドバイの街並みを横目に進む超高層ビルが立ち並ぶドバイの街並みを横目に進む photo:LaPresse
落車したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が再スタート落車したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が再スタート photo:CorVos
ユンボ・ヴィスマとドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を牽引して逃げを追うユンボ・ヴィスマとドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を牽引して逃げを追う photo:CorVos
残り7km地点まで逃げ続けたウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)残り7km地点まで逃げ続けたウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
隊列を組んで向かい風の中を先頭で進んだドゥクーニンク・クイックステップだったが、残り1kmを切ってから先頭に立ったのはミッチェルトン・スコット。オーストラリアチームは残り500mの最終コーナーを先頭で抜け、そのままルカ・メズゲッツ(スロベニア)が21歳の新鋭カーデン・グローブス(オーストラリア)をリードアウト。しかし最終ストレートでドゥクーニンク・クイックステップが先頭を奪い返した。

ミケル・モルコフ(デンマークチャンピオン)とシェーン・アーチボルド(ニュージーランドチャンピオン)にリードアウトされたサム・ベネット(アイルランドチャンピオン)が飛び出すタイミングを伺い、その後ろにフルーネウェーヘンとアッカーマン、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が続く。残り150mでスプリントを開始したベネットにフルーネウェーヘンが勝負を挑んだ。

もがき切れずにシッティングに切り替えたベネットに対し、力強いスプリントで加速し続けたフルーネウェーヘンが先頭に立ち、ハイケイデンスで迫るガビリアを封じてフィニッシュ。8秒間にわたって平均1,300W、最大1,520Wを出力し、最高速72.5km/hでフィニッシュラインを駆け抜けたフルーネウェーヘンが表情を変えずにハンドルから両手を離し、胸元のジャージロゴを指差してアピールした。

先頭でスプリントするディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)にフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が並びかける先頭でスプリントするディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)にフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が並びかける photo:LaPresse
今シーズン3勝目を飾ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)今シーズン3勝目を飾ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:LaPresse
2019年にベネット(13勝)、アッカーマン(13勝)、ログリッチ(13勝)、アラフィリップ(12勝)、ヴィヴィアーニ(11勝)、ファンデルプール(11勝)を退けてシーズン15勝という世界最多勝を飾ったフルーネウェーヘンが今シーズン3勝目。今大会第1ステージは4位に甘んじていた。

「第1ステージよりもずっと上手くスプリントに持ち込めた。チームメイトの力を借りて抜群のポジションをキープした状態で最終コーナーを抜けたことが勝利につながった。トップスプリンターが集うこの大会での勝利は格別だ」と、アムステルダム生まれのスプリンターは語る。

フルーネウェーヘンは過去3年間ツール・ド・フランスに出場してステージ通算4勝。2020年はイタリア寄りのレースプログラムを組んでいる。「今シーズンの目標は可能な限り多くのレースで勝つこと。初出場予定のジロ・デ・イタリアでもステージ優勝を重ねたい」。翌日に再び登場するジュベルハフィート山頂フィニッシュを挟んで、第6ステージと第7ステージは再びスプリンター向きの平坦コースが用意されている。

今大会ステージ1勝目を飾ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)今大会ステージ1勝目を飾ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:LaPresse
レッドジャージを着て平坦ステージを走り終えたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)レッドジャージを着て平坦ステージを走り終えたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:LaPresse

UAEツアー2020第4ステージ結果
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 4:16:13
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
3位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
6位 カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
7位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)
8位 アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)
9位 ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)
10位 マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、NTTプロサイクリング)
53位 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 16:46:15
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 0:01:07
3位 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) 0:01:35
4位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) 0:01:40
5位 ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
6位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) 0:02:05
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) 0:02:06
8位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
9位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10位 エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス)
その他の特別賞
ポイント賞 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
ヤングライダー賞 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
中間スプリント賞 ヴェリコ・ストイニッツ(セルビア、ヴィーニザブKTM)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:Kei Tsuji

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