世界屈指のレーサーが多数集結した5日間のヴォルタ・アン・アルガルヴェが開幕。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)を下したファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が初日に勝利した。



ブエルタ・ア・サンフアン覇者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)ブエルタ・ア・サンフアン覇者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVosシーズン2戦目に挑むフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)シーズン2戦目に挑むフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos

北大西洋に面した港町ポルティマンをスタートする第1ステージ北大西洋に面した港町ポルティマンをスタートする第1ステージ (c)CorVos
ロードシーズンに開幕を告げたツアー・ダウンアンダーから早一ヶ月。ヨーロッパの中で一足早く初春が訪れているポルトガルでは5日間のステージレース「ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2. Pro)」が開幕した。スペインのブエルタ・ア・アンダルシア・ルタ・シクリスタ・デル・ソル(UCI2. Pro)と同日程開催される5日間のレースは平坦ステージ2、山頂フィニッシュ2、個人タイムトライアル1と変化に富んだ内容で、それゆえスプリンターからクライマー、クラシックハンターやTTスペシャリストまで、トップ選手が多数集結している。

チームイネオスはかつて2度(2018年、2014年)総合優勝しているミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)やローハン・デニス(オーストラリア)を揃えているほか、ゲラント・トーマス(イギリス)がシーズンイン。

総合勢ではトレック・セガフレードでの初戦となるヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)やバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が集まる。

スプリンターで参戦しているのはエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)、ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)。

クラシックレーサーではCCCチームのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)とマッテオ・トレンティン(イタリア)、ティム・ウェレンス&フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)、そしてシクロクロス世界選手権2連覇を達成したばかりのマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)ら、超豪華メンバーが揃い踏みしている。

UAEチームエミレーツやドゥクーニンク・クイックステップなどスプリンターチームがコントロールUAEチームエミレーツやドゥクーニンク・クイックステップなどスプリンターチームがコントロール (c)CorVos
並んで走るマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)並んで走るマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
北大西洋に面した港町ポルティマンをスタートする第1ステージは、山岳地帯と平野区間の境界線を行ったり来たりする195,6km。後半は平坦区間メインのスプリントステージだが、ラスト20km地点に控える距離600m、平均勾配8.3%の登坂で、アルデンヌクラシックを目指す選手たちが攻撃に打って出た。

序盤から逃げたスペイン/ポルトガル連合3名は、スプリント勝負を狙うドゥクーニンク・クイックステップ、UAEチームエミレーツ、そしてコフィディスらの集団牽引により30km以上を残して吸収。すると登坂区間でウェレンスがアタックし、ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)やオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)、クフィアトコフスキ、デニスらが同調した。

ローハン・デニス(オーストラリア)と共にミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)がアタックローハン・デニス(オーストラリア)と共にミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)がアタック (c)CorVos
パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)にレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追従するパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)にレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追従する (c)CorVos
この動きは大人数が災いして失速し、続いたパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)、サンフアン覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)もスプリンターチームのマークを振り切るには至らない。下りと長い平坦路を活かして各チームのスプリンターが復帰し、勝負は予定通り集団フィニッシュに持ち込まれた。

消耗によってどのチームもトレインを組めない中始まったスプリント勝負。ベン・スウィフト(イギリス、チームイネオス)のロングスパートはライバルをリードアウトをするに留まり、背後からヴィヴィアーニが加速する。今季初優勝に向けて踏み込んだ欧州王者だったが、その横をヤコブセンがスルリと抜き去った。

集団スプリントを制したファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)集団スプリントを制したファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
リーダージャージを受け取ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)リーダージャージを受け取ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
残り125mから加速し、フィニッシュラインでは1車身以上ものリードを奪ったヤコブセンがベテランスプリンターを寄せ付けずに勝利。ヴィヴィアーニは2位に甘んじ、3位にはCCCチームの今季初勝利を狙ったトレンティン、4位にはクリストフが入った。

「まっすぐで道幅もたっぷりあるラゴスのフィニッシュは大好き。脚さえあればこのフィニッシュは簡単さ。でも一番重要なのは、1日中集団コントロールを担い、急勾配の登坂区間でも僕を助けてくれて、最後に好位置まで引き上げてくれたチームメイトの存在だ。最高に嬉しい。これ以上無いスタートを切ることができた」と、ヴァレンシアナに続く今季2勝目を飾ったヤコブセンは語っている。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2020 第1ステージ結果
1位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4:55:37
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)
3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
5位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
6位 ケース・ボル(オランダ、サンウェブ)
7位 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)
8位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)
9位 ダニエル・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
10位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
個人総合成績
1位 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4:55:37
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)
3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
5位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
6位 ケース・ボル(オランダ、サンウェブ)
7位 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)
8位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)
9位 ダニエル・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)
10位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
その他の特別賞
山岳賞 ディエゴ・ロペス(スペイン、フンダシオン・オルベア)
ポイント賞 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ヤングライダー賞 フアンフェルナンド・カージェ(コロンビア、カハルラル・セグロスRGA)
チーム総合成績 イスラエル・スタートアップネイション
text:So.Isobe
photo:CorVos

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