ブエルタ・ア・サンフアン3日目の登りを含む15.2km個人TTで、20歳の誕生日を迎えたばかりのレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が圧勝。ステージ2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム)に対し32秒差で総合首位に立った。
プンタネグラダムの天端を目指すブエルタ・ア・サンフアン第3ステージ (c)CorVos
南米アルゼンチンを舞台に開催されているブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)の3日目は、今大会初の総合争いに直結する個人タイムトライアル。距離15.2kmの終盤には初日にも登場したプンタネグラダムの堤防を目指す登り(初日ステージでは3級山岳にカテゴライズ)が含まれるため、純粋な独走力に加えて登坂力が求められる。
南米への機材輸送には大きな負担が強いられるため、サンフアンの個人TTはノーマルバイクで戦うことが通例。アタッチメントTTハンドルの使用も禁止されるため、後輪にディープリムを使うか、あるいはディスクホイールを使うかという点のみがチーム判断に委ねられた。
序盤に指標となるタイムを出したのはマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)で、そのタイムをネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)が2秒上回る。さらに一昨年大会の総合勝者で、昨年も総合3位に入った43歳オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)が17秒上回ったが、そのすぐ後方でスタートしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が圧倒的なペースを刻んだ。
圧倒的なタイムを叩き出したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
ステージ2位/32秒差:フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム) (c)CorVos
ステージ3位/1分08秒差:オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン) (c)CorVos
前日から腹痛に苦しんでいたジュリアン・アラフィリップ(フランス)が未出走となったことで、ドゥクーニンク・クイックステップの期待を一身に背負うこととなった20歳のヨーロッパ王者が好走。中間計測でボドナールに36秒差を付けると、フィニッシュラインではセビリャを1分08秒上回る圧倒的な走りで暫定首位に立つ。TT世界選手権でエヴェネプールに次ぐ3位銅メダルに入ったトラック個人パシュート世界記録保持者、兼個人TTイタリア王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム/普段はチームイネオス)がその後を追いかけたが、エヴェネプールには32秒届かなかった。
「まっすぐな道と、終わりが無いような登り。今まで走ってきたどのタイムトライアルよりも長く感じたレースだった。今日は勝利が目標だったので嬉しく思う。平坦でリードを稼ぎ、登りでも加速できたことは脚が仕上がっていること良いサイン。まだシーズンが始まったばかりなのに良い感触を掴むことができた」とエヴェネプールは言う。
初日ステージでは3級山岳にカテゴライズされたダムの登りを行く (c)CorVos
フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)など、これまで総合上位を占めていたスプリンター勢が軒並み登りで遅れたため、ステージ結果がほぼそのまま総合成績に反映される結果に。20歳エヴェネプールがリーダージャージを獲得し、32秒差の総合2位に23歳のガンナ、エヴェネプールとガンナを足した年齢の43歳セビリャが1分08秒の総合3位に座る結果となった。
「初めてヨーロッパチャンピオンジャージに袖を通して走った今年初めての個人TTで、今年初めての優勝。個人総合でも首位に立てたことは嬉しいけれど、集中力を欠くことなく残りの4ステージをこなしていきたい。総合優勝ではなく、今集中すべきは1日1日を大切に過ごすこと。いつでもどんな状況でもできる限りチームの役に立ちたい。最終的にどんな結果が待っているかは楽しみにしたいと思う」とエヴェネプールは語っている。

南米アルゼンチンを舞台に開催されているブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)の3日目は、今大会初の総合争いに直結する個人タイムトライアル。距離15.2kmの終盤には初日にも登場したプンタネグラダムの堤防を目指す登り(初日ステージでは3級山岳にカテゴライズ)が含まれるため、純粋な独走力に加えて登坂力が求められる。
南米への機材輸送には大きな負担が強いられるため、サンフアンの個人TTはノーマルバイクで戦うことが通例。アタッチメントTTハンドルの使用も禁止されるため、後輪にディープリムを使うか、あるいはディスクホイールを使うかという点のみがチーム判断に委ねられた。
序盤に指標となるタイムを出したのはマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)で、そのタイムをネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)が2秒上回る。さらに一昨年大会の総合勝者で、昨年も総合3位に入った43歳オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)が17秒上回ったが、そのすぐ後方でスタートしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が圧倒的なペースを刻んだ。



前日から腹痛に苦しんでいたジュリアン・アラフィリップ(フランス)が未出走となったことで、ドゥクーニンク・クイックステップの期待を一身に背負うこととなった20歳のヨーロッパ王者が好走。中間計測でボドナールに36秒差を付けると、フィニッシュラインではセビリャを1分08秒上回る圧倒的な走りで暫定首位に立つ。TT世界選手権でエヴェネプールに次ぐ3位銅メダルに入ったトラック個人パシュート世界記録保持者、兼個人TTイタリア王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム/普段はチームイネオス)がその後を追いかけたが、エヴェネプールには32秒届かなかった。
「まっすぐな道と、終わりが無いような登り。今まで走ってきたどのタイムトライアルよりも長く感じたレースだった。今日は勝利が目標だったので嬉しく思う。平坦でリードを稼ぎ、登りでも加速できたことは脚が仕上がっていること良いサイン。まだシーズンが始まったばかりなのに良い感触を掴むことができた」とエヴェネプールは言う。

フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)など、これまで総合上位を占めていたスプリンター勢が軒並み登りで遅れたため、ステージ結果がほぼそのまま総合成績に反映される結果に。20歳エヴェネプールがリーダージャージを獲得し、32秒差の総合2位に23歳のガンナ、エヴェネプールとガンナを足した年齢の43歳セビリャが1分08秒の総合3位に座る結果となった。
「初めてヨーロッパチャンピオンジャージに袖を通して走った今年初めての個人TTで、今年初めての優勝。個人総合でも首位に立てたことは嬉しいけれど、集中力を欠くことなく残りの4ステージをこなしていきたい。総合優勝ではなく、今集中すべきは1日1日を大切に過ごすこと。いつでもどんな状況でもできる限りチームの役に立ちたい。最終的にどんな結果が待っているかは楽しみにしたいと思う」とエヴェネプールは語っている。
ブエルタ・ア・サンフアン2020 第3ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 19:16 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | 0:32 |
3位 | オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン) | 1:08 |
4位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 1:25 |
5位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:26 |
6位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 1:27 |
7位 | レクサンドル・エフトゥシェンコ(ロシア、ロシアナショナルチーム) | 1:28 |
8位 | コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーサイクリング) | 1:40 |
9位 | マッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:41 |
10位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーサイクリング) | 1:43 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 7:34:36 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | 0:32 |
3位 | オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン) | 1:08 |
4位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 1:25 |
5位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 1:26 |
6位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:27 |
7位 | レクサンドル・エフトゥシェンコ(ロシア、ロシアナショナルチーム) | 1:28 |
8位 | コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーサイクリング) | 1:40 |
9位 | マッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:41 |
10位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーサイクリング) | 1:43 |
その他の特別賞
山岳賞 | ニコラス・パレデス(コロンビア、チームメデジン) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | ドゥクーニンク・クイックステップ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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