静岡に誕生する新チーム「レバンテフジ静岡」が、静岡県庁と伊豆の国市の「MERIDA X BASE(メリダ・エックス・ベース)」で体制発表会を開き、佐野淳哉ら8名の所属選手を明らかにした。2020年シーズンはJプロツアーをメインに参戦し、静岡県東部伊豆地域を中心に地域密着型チームとして活動していく


レバンテフジ静岡の発表会会場となったMERIDA X BASEレバンテフジ静岡の発表会会場となったMERIDA X BASE photo:Satoru Kato
チームバイクとなる2種のメリダと写真に収まる佐野淳哉ら4名チームバイクとなる2種のメリダと写真に収まる佐野淳哉ら4名 photo:Satoru Kato
発表会には、所属選手を代表して佐野淳哉と伊藤舜紀の2名、チーム代表も兼務する二戸康寛監督、品川真寛コーチが出席。午前中は静岡県庁、午後は修善寺の日本サイクルスポーツセンターに近いMERIDA X BASE(以下Xベース)で行われた。ここではXベースでの模様をレポートする。

所属選手8名は以下の通り。佐野淳哉を中核として若手中心のメンバー構成だ。海野晋作、長田華山の2人は高校を卒業して大学に進学するが、学連に属する自転車部が無いため、自転車競技はチームでの活動に専念するという。
レバンテフジ静岡 チーム体制
選手氏名(前所属チーム)
佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
伊藤舜紀(東京ヴェントス)
野宮一郎(東京ヴェントス)
佐藤 遼(群馬グリフィン)
西村 基(ヴェントス・フレッチャ)
石井駿平(鹿屋体育大学 来春卒業)
海野晋作(東京ヴェントス 来春高校卒業)
長田華山(東京ヴェントス 来春高校卒業)
スタッフ
代表兼監督:二戸康寛
コーチ:品川真寛
アテンダント:小森雅之、海野一治
チームジャージを説明する二戸監督チームジャージを説明する二戸監督 photo:Satoru KatoMERIDA X BASEの責任者でもある品川真寛がコーチとして就任MERIDA X BASEの責任者でもある品川真寛がコーチとして就任 photo:Satoru Kato

いくつかの候補から静岡県知事が決めたというチーム名「レバンテフジ」は、東風を意味するイタリア語「LEVANTE」と、日本を象徴する霊峰・富士山を合わせたもの。伊豆の国市や修善寺のある静岡県東部から県全域へ自転車の風を巻き起こす、という想いが込められている。お披露目されたチームジャージは、静岡特産のミカンをイメージしたという鮮やかなオレンジ色が上から下に向かってグラデーションする。

メリダ代理店の株式会社ミヤタサイクル高谷社長が挨拶メリダ代理店の株式会社ミヤタサイクル高谷社長が挨拶 photo:Satoru Katoチームの「サポーター」として、メリダの代理店でもある株式会社ミヤタサイクル代表取締役の高谷信一郎社長が挨拶。かつての「チームミヤタ」を念頭においてか、ミヤタサイクルとメリダはあくまでサポーターであり、コーポレートチームではないことを強調。「このチームのオーナーは静岡県地域の皆さん。このチームをきっかけに、静岡県を自転車大国にしていきたい」と、チーム設立の理由を語った。

二戸監督は「日本サイクルスポーツセンター、ベロドローム、富士スピードウェイなど、年間を通して自転車イベントの多い静岡県で、定着した自転車文化を目指したい。そのためには地域密着型のチームが必要とミヤタサイクルさんから打診を受け、チームを設立した。来年開催の東京オリンピックのレガシー創出や、観光に絡めてのサイクルスポーツの聖地創造、子供達向けの自転車安全教室や、サイクルスポーツの楽しさを伝えて行くことにチームとして取り組んで行きたい」と、チーム設立の経緯と意気込みを語る。

メインバイクとなるメリダ・スクルトゥーラメインバイクとなるメリダ・スクルトゥーラ photo:Satoru Kato2020年はJプロツアーを中心に参戦。2021年からのUCIコンチネンタル登録を目指す。初年度のチームの目標は、石川サイクルロードレースや秋吉台カルストロードレースのような厳しいレースでチーム戦が出来るようになること。「チームとしてレースの主導権を握ることが出来るレベルを目指したい」と、二戸監督は話す。また、静岡県出身選手の発掘・育成にも力を入れ、地元選手を増やしていく意向だ。

チーム拠点は現在検討中で、「東静岡伊豆地域で色々とお話を頂いており、その中から検討したい」と二戸監督は話す。


佐野淳哉「苦労は多いと思うが、その中で何か作り出して地元に恩返ししたい」

静岡県出身の佐野淳哉静岡県出身の佐野淳哉 photo:Satoru Katoいつか地元でチームを作りたい、出来たらいいなと思っていたこともあって、今回この話を聞いて乗っからせてもらいました。メンバーは若い選手が多く歳が離れていますが、過去に那須ブラーゼンでも10歳以上離れた選手達と走ったこともあるので、その時の経験が活かせるかなと思っています。

1年目は色々苦労するだろうということは想像しています。チームを移籍すれば慣れるまでは色々ありますし、まして新規立ち上げのチームなので、さらに苦労は多いと思います。でも監督はじめ、ミヤタさんも新しいチームに可能性を感じているから始めたと思うので、その中で何か作ることが出来ればと思っています。今までも地元のスポンサーさんに支えられて活動してきたので、その恩返しをしたいと考えています。

メリダから供給されるのはリアクトとディスクロードのスクルトゥーラ(写真奥)佐野淳哉にはTT専用バイクが用意されるというメリダから供給されるのはリアクトとディスクロードのスクルトゥーラ(写真奥)佐野淳哉にはTT専用バイクが用意されるという photo:Satoru Kato来年は自分の成績を期待される場面が多くなると思いますが、若い選手には『アシストすることはこういうこと、成績を任されるのはこういうこと』というのを教えられればと思っています。僕がいい例にもなれば悪い例になることもあるので、そこを可能性のある若い選手が自分にとって何が良いのかを感じ取ってステップアップしてもらいたいです。静岡県内の高校生らと走ると強い選手はたくさんいます。でもどう走って良いかがわからないという選手も多いと思います。静岡県内の自転車競技部で走ってる子でも、他の競技をしている子でも、チャレンジしたいという子を探していきたいです。

UCIレースからは離れることになりますが、自分が強ければナショナルチームで選出してもらって走ることも可能だと思っているし、(UCIレースを走る機会が)ゼロではないと考えています。


二戸監督「若い選手が次の世代の目標になるような流れをつくりたい」

チーム代表も兼務する二戸康寛監督チーム代表も兼務する二戸康寛監督 photo:Satoru kato2年ほど前から、ミヤタサイクルさんが自転車に特化した静岡県東部で自転車文化を定着させようという活動をしていて、このXベースもその一環として造られました。今年の夏頃に静岡でチームを作りたいという話をミヤタサイクルさんから頂き、ちょうど東京ヴェントスを終了すると決めていたこともあって立ち上げに協力することになりました。

高谷社長も仰られていたように、いちコーポレートチームではなく、静岡に根付いた活動をして地域の皆さんや企業さんの協力を得ながら、自分達の活動でサイクリストや地域の皆さんにフィードバックしていくという流れを作り出せるチームにしたいと考えています。

海野、長田の2人は若いからと言って実力がないわけではなく、ジュニア世代では2人ともトップクラスの選手です。今年1年で大きく成長した伸び盛りの選手なので、来年1年しっかり走ればもっと伸びると思っています。彼らがさらにその次の世代の目標にもなるように、そういう流れを絶やさないように少しずつ吸い上げて行ければと思っています。

2021年にはUCIコンチネンタル登録出来るところまで持っていきたいと考えています。2020年から登録のハードルが高くなりましたが、選手確保などについてはあまり心配はしていません。強い選手を育成出来なければ世界は目指せないと思うし、いずれは静岡県出身選手がたくさん在籍するようなチームを目指します。このチームの設立を聞きつけて早速問い合わせが来ていて、静岡でも高体連や学連でない道で自転車競技を志す子がいるんだなと感じています。下部組織として「ヴェントス・フレチャ」を引き継いだ「ヴェントス・アクト2」が、立川の東京支部と静岡支部という形で活動していく予定です。合宿などで東京支部と静岡支部で交流して切磋琢磨していけるようになれば良いなと思っています。



text:Satoru Kato

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