「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が開催される埼玉県さいたま市を本拠地とする新チーム「さいたまディレーブ」が体制発表を行い、9名の所属選手を発表した。初年度はJプロツアーなど国内レースをメインに活動する一方、UCIコンチネンタル登録を申請中。地元チームとしてさいたまクリテリウム出場を目指す。


さいたまディレーブ体制発表に揃ったメンバーさいたまディレーブ体制発表に揃ったメンバー photo:Satoru Kato
さいたまディレーブの発足は9月に発表されていたが、2020年1月のチーム始動を前に改めて体制発表が行われた。さいたま市浦和区の会場で行われた発表会には、長沼隆行ゼネラルマネージャー兼監督と、選手8名が出席した(岸崇仁は欠席)。所属メンバーは以下の通り。他に1名と契約交渉中で、年内に追加発表される見込みだ。

所属選手は以下の通り。
さいたまディレーブ所属選手
氏名(年齢/2019年所属チーム)
宇田川陽平(38/キャプテン/群馬グリフィン)
高木三千成(26/東京ヴェントス)
岸 崇仁(25/LEOMO Bellmare Racing Team)
阿部航大(23/Honda栃木)
小野康太郎(22/ヴェロクラブ メンドリシオ)
藤田涼平(22/東京ヴェントス)
半田子竜(21/Honda栃木)
渡邉慶太(21/明治大学 在学中)
安彦統賀(20/日本体育大学 在学中)
チームジャージとチームバイクとなるビアンキチームジャージとチームバイクとなるビアンキ photo:Satoru Kato埼玉県出身の4選手が揃って撮影に応じる埼玉県出身の4選手が揃って撮影に応じる photo:Satoru Kato

今回発表された選手は9名だが、交渉中の1名とあわせてUCI登録に必要な10名の選手を確保する見込み。地元出身の選手獲得を公言していた通り、高木三千成、藤田涼平、渡邉慶太、安彦統賀ら4人の埼玉県出身選手が所属することになった。

チーム名の「ディレーブ」は、さいたま市見沼区に伝わる「竜伝承」から、ドラゴンの頭文字「D」と、フランス語で「夢」を意味する「RÉVE」を組み合わせた造語。チームのシンボルマークは、さいたまの頭文字「S」を、竜が模ったデザインとなっている。

長沼GM兼監督は「若い選手が集まり、未知数な部分も多いが、アグレッシブなレースをしていきたい。まずはJプロツアーの「TOP-P」資格が得られる総合10位以内を目指したい。さらに、地元チームとして『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』に出場し、地元さいたま市の方々にたくさん見てもらいたい」と、チームの目標を語った。


チームを率いる長沼隆行GM兼監督チームを率いる長沼隆行GM兼監督 photo:Satoru Kato長沼隆行ゼネラルマネージャー兼監督
「クリテリウムで真っ向勝負をしていきたい」


「5月に運営会社を設立し、チームの活動に必要なスポンサーやサプライヤーを集めるなどして準備を進めてきました。スケジュールはタイトでしたが、チーム設立の先輩でもある宇都宮ブリッツェンの廣瀬氏や那須ブラーゼンの若杉氏にアドバイスを頂いて進めてきました。ブリッツェンやブラーゼンの時よりもスムーズだったそうです。

チームが出場を目指すさいたまクリテリウム。運営会社はコースの近くに拠点を置く。チームが出場を目指すさいたまクリテリウム。運営会社はコースの近くに拠点を置く。 photo:Makoto.AYANO初年度から現在UCIのコンチネンタルチーム登録を目指し、申請書類はすでに送りました。近年は新規登録が難しくなっているので、始めたばかりのチームでもあるのでUCIの判断次第となりますが、希望を持って結果を待ちたいと思います。やはり『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』を開催しているさいたま市としても、地元チームが地元の大会にいないのは寂しいという話を聞いていますので、まずはさいたまクリテリウムへ出場出来るようにしたいです。

レースが高速化してチームブリヂストンサイクリングの窪木一茂選手や今村駿介選手のようなトラックも走って長距離も強い選手が重宝される時代ですが、トラック中距離に強い大学生をはじめ、スピードは引けを取らない選手が揃ったと思います。クリテリウムでは真っ向勝負が出来ると思いますし、見せ場を作ることが出来ると考えています」

キャプテンを務める宇田川陽平キャプテンを務める宇田川陽平 photo:Satoru Kato宇田川陽平キャプテン
「若いチームだからこそチャレンジしていきたい」


「さいたまでチームが発足し、そこでキャプテンを務められることを嬉しく思います。スプリント力のある選手が揃い、勝ちを狙えるメンバーが揃ったと思いますし、総合力のある選手もいるので、1年目からそれなりに結果を出せると考えています。Jプロツアーで実績のあるトップチームが揃っているところに食い込んでいくことは難しいだろうと思いますが、若いチームだからこそチャレンジしていけると思うし、チャレンジすることが次に繋げることにもなると思っています。

個人的にはアップダウンのあるレースが得意なので、Jプロツアーでは全てのレースでポイントに絡める結果を出すことが目標です。また、怪我で走れないことが続いている全日本選手権でも結果を出せるようにしたいです」


さいたまディレーブは1月に最初のチームキャンプを予定。4月のJプロツアー開幕までは、トレーニングレースとしていくつかのレースに出場することを予定している。

蛇足になるが、「埼玉=埼玉県」「さいたま=さいたま市」であること改めて念押ししておく。

text:Satoru Kato