2019/11/12(火) - 15:00
ディメンションデータ改め、NTTプロサイクリングへ。11月12日にチームが東京都内で記者会見を開き、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)ら来季所属選手と共に新ジャージやチーム戦略、 ICT(情報通信技術)の活用方法などが公表された。
東京都千代田区大手町のNTTコーポレートニューズルーム会見室で開催された、NTTプロサイクリングの体制発表会。ダグ・ライダーGMの挨拶で幕明けた会見には、チームとNTT Ltd.側からそれぞれ首脳陣が集結。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)、ミケル・ヴァルグレン(デンマーク)という現所属選手3名に加え、来季加入するヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)とベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チームサプラサイクリング)、そしてU23世界王者であるサムエーレ・バッティステッラ(イタリア、現ディメンションデータコンチネンタルチーム)も参加。NTTのコーポレートカラーである青ベースのチームキットが披露された。
ブランド名変更に伴い、体制はそのままにNTTプロサイクリングとなる同チーム。日本企業がトップチームのタイトルスポンサーとなるのは東芝や日立、パナソニックといったチームが存在していた1980〜90年代以来のことだ。チームに出資するのは今年7月1日に設立されたばかりの、ロンドンに拠点を置くNTTグループの特定子会社「NTT Ltd.」で、同社はNTTコミュニケーションズやディメンションデータの海外事業と、NTTセキュリティなどの専門知識を結集したグローバル・テクノロジーサービス企業。法人向けITサービス、通信・インターネット関連サービスの提供を事業としている。
チームに加入するのは現アワーレコード保持者であるカンペナールツ(現ロット・スーダル)や、日本国内のレースでもお馴染みのダイボールなど9名。期待されていた日本人選手の加入はなかったが、「今後日本のチームや選手と協力関係を築く中で様々な可能性を模索していきたい」とライダーGMは言う。選手の怪我や不調が祟りここ数年成績低迷に苦しんだチームが持つ当面の目標は、ワールドツアーランキングでトップ10に入ること。具体的にはクラシックレースやグランツアーでのステージ優勝、そして1週間程度のステージレースにおける総合成績を狙うという。
ディメンションデータは2015年からツール・ド・フランスのテクニカルパートナーとなり、選手の現在位置や走行データをリアルタイムで測定し、リアルタイムで視聴者に伝える役目を担ってきた。NTT.Ltdとツール・ド・フランス主催者であるA.S.O.はグローバルパートナーシップを2024年まで延長しており、SNSなどを駆使し、これまで以上に高精度かつ迅速なデータを公開することで、より多くのファンを惹きつけていくという目標がある。
チームではNTTと共同開発した先進的なICT(情報通信技術)を駆使し、レースやトレーニング時の高度なデータ分析を行い、レースに出場する選手の選出やレースへの準備などに活用する。また、モバイルアプリを介することで選手のコンディション管理や、チームが保有する車両や資産の追跡監視など、デジタルを用いた高度な組織化も推し進めていくという。「単なるパートナーシップを超えた関係であり、これからはテクノロジーがトレーニングやレースをより良く、エキサイティングなものに変えていく」とプレゼンテーション内部では語られた。
チームはこれまで通り、アフリカに生活のための移動手段としての自転車を贈る活動「クベカチャリティー」を推し進めていく。チームジャージに入る「クベカの手」はその証であり、NTTもディメンションデータと同じくチャリティー活動をサポートするという。
以下はNTT Ltd.のマーケティングを務める種田哲也さんのコメント。
我々にプロサイクリングに参入するのは2つの意味があると考えています。1つはブランディング。NTTがグローバルに展開するという意味でNTTリミテッドを7月に設立しました。そのNTTリミテッドを象徴するものとして、プロサイクリングチームに活躍してもらおうと考えています。ツール・ド・フランスは世界でも有数の視聴者がいる大会ですので、その中で我々のチームがNTTのロゴが入ったジャージで展開していくことは非常に意味のあることだと思っています。
2点目は、テクノロジーとスポーツの橋渡しを行うということ。テクノロジーがスポーツに応用できる場面が顕在化し始めており、得た情報は放送などを通してファンにダイレクトに伝わるようになってきています。例えば、平昌冬季五輪ではフィギュアスケート選手がジャンプを披露した数秒後には、ジャンプの連続写真のようなものが表示されていたかと思います。その処理は平昌冬季五輪以前では数分要していたと聞いているので、このようにテクノロジーの進歩でスポーツ観戦を楽しい体験にできる環境が整ってきたかと思います。
我々はネットワーク企業ですのでIoTを使用し、データの伝送、蓄積、分析するというフィールドに親和性があります。得た情報を活用してスポーツのジャッジメント、パフォーマンスの向上、チーム戦略、お客さんの視聴体験を改善していこうと考えています。その一環としてツール・ド・フランスがあるということです。
TV放送だけではなくソーシャルメディアなど様々な形で展開することが可能です。特に、ロードレースにおいては複雑なスポーツですので「見える化」できることは非常に良いことだと思います。ロードレースはデータをソーシャルに乗せたことで視聴率が上がり、Twitterのフォロワー数も増えたと聞いています。我々が得たデータがデジタル面での視聴者の嗜好にあっているという実感はあります。
各選手やダグGMのコメントは別記事で紹介する。
東京都千代田区大手町のNTTコーポレートニューズルーム会見室で開催された、NTTプロサイクリングの体制発表会。ダグ・ライダーGMの挨拶で幕明けた会見には、チームとNTT Ltd.側からそれぞれ首脳陣が集結。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)、ミケル・ヴァルグレン(デンマーク)という現所属選手3名に加え、来季加入するヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)とベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チームサプラサイクリング)、そしてU23世界王者であるサムエーレ・バッティステッラ(イタリア、現ディメンションデータコンチネンタルチーム)も参加。NTTのコーポレートカラーである青ベースのチームキットが披露された。
ブランド名変更に伴い、体制はそのままにNTTプロサイクリングとなる同チーム。日本企業がトップチームのタイトルスポンサーとなるのは東芝や日立、パナソニックといったチームが存在していた1980〜90年代以来のことだ。チームに出資するのは今年7月1日に設立されたばかりの、ロンドンに拠点を置くNTTグループの特定子会社「NTT Ltd.」で、同社はNTTコミュニケーションズやディメンションデータの海外事業と、NTTセキュリティなどの専門知識を結集したグローバル・テクノロジーサービス企業。法人向けITサービス、通信・インターネット関連サービスの提供を事業としている。
チームに加入するのは現アワーレコード保持者であるカンペナールツ(現ロット・スーダル)や、日本国内のレースでもお馴染みのダイボールなど9名。期待されていた日本人選手の加入はなかったが、「今後日本のチームや選手と協力関係を築く中で様々な可能性を模索していきたい」とライダーGMは言う。選手の怪我や不調が祟りここ数年成績低迷に苦しんだチームが持つ当面の目標は、ワールドツアーランキングでトップ10に入ること。具体的にはクラシックレースやグランツアーでのステージ優勝、そして1週間程度のステージレースにおける総合成績を狙うという。
ディメンションデータは2015年からツール・ド・フランスのテクニカルパートナーとなり、選手の現在位置や走行データをリアルタイムで測定し、リアルタイムで視聴者に伝える役目を担ってきた。NTT.Ltdとツール・ド・フランス主催者であるA.S.O.はグローバルパートナーシップを2024年まで延長しており、SNSなどを駆使し、これまで以上に高精度かつ迅速なデータを公開することで、より多くのファンを惹きつけていくという目標がある。
チームではNTTと共同開発した先進的なICT(情報通信技術)を駆使し、レースやトレーニング時の高度なデータ分析を行い、レースに出場する選手の選出やレースへの準備などに活用する。また、モバイルアプリを介することで選手のコンディション管理や、チームが保有する車両や資産の追跡監視など、デジタルを用いた高度な組織化も推し進めていくという。「単なるパートナーシップを超えた関係であり、これからはテクノロジーがトレーニングやレースをより良く、エキサイティングなものに変えていく」とプレゼンテーション内部では語られた。
チームはこれまで通り、アフリカに生活のための移動手段としての自転車を贈る活動「クベカチャリティー」を推し進めていく。チームジャージに入る「クベカの手」はその証であり、NTTもディメンションデータと同じくチャリティー活動をサポートするという。
以下はNTT Ltd.のマーケティングを務める種田哲也さんのコメント。
我々にプロサイクリングに参入するのは2つの意味があると考えています。1つはブランディング。NTTがグローバルに展開するという意味でNTTリミテッドを7月に設立しました。そのNTTリミテッドを象徴するものとして、プロサイクリングチームに活躍してもらおうと考えています。ツール・ド・フランスは世界でも有数の視聴者がいる大会ですので、その中で我々のチームがNTTのロゴが入ったジャージで展開していくことは非常に意味のあることだと思っています。
2点目は、テクノロジーとスポーツの橋渡しを行うということ。テクノロジーがスポーツに応用できる場面が顕在化し始めており、得た情報は放送などを通してファンにダイレクトに伝わるようになってきています。例えば、平昌冬季五輪ではフィギュアスケート選手がジャンプを披露した数秒後には、ジャンプの連続写真のようなものが表示されていたかと思います。その処理は平昌冬季五輪以前では数分要していたと聞いているので、このようにテクノロジーの進歩でスポーツ観戦を楽しい体験にできる環境が整ってきたかと思います。
我々はネットワーク企業ですのでIoTを使用し、データの伝送、蓄積、分析するというフィールドに親和性があります。得た情報を活用してスポーツのジャッジメント、パフォーマンスの向上、チーム戦略、お客さんの視聴体験を改善していこうと考えています。その一環としてツール・ド・フランスがあるということです。
TV放送だけではなくソーシャルメディアなど様々な形で展開することが可能です。特に、ロードレースにおいては複雑なスポーツですので「見える化」できることは非常に良いことだと思います。ロードレースはデータをソーシャルに乗せたことで視聴率が上がり、Twitterのフォロワー数も増えたと聞いています。我々が得たデータがデジタル面での視聴者の嗜好にあっているという実感はあります。
各選手やダグGMのコメントは別記事で紹介する。
チームNTT 2020年所属選手
1 | カルロス・バルベロ(スペイン) | 新加入 |
2 | サムエーレ・バッティステッラ(イタリア) | 新加入 |
3 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー) | |
4 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー) | 新加入 |
5 | ステファン・デボッド(南アフリカ) | |
6 | ニコラス・ドラミニ(南アフリカ) | |
7 | ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア) | 新加入 |
8 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア) | |
9 | アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア) | |
10 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ) | |
11 | ミヒャエル・ゴグル(オーストリア) | 新加入 |
12 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ) | |
13 | ベンジャミン・キング(アメリカ) | |
14 | ロマン・クロイツィゲル(チェコ) | |
15 | ジーノ・マーダー(スイス) | |
16 | ルイス・メインチェス(南アフリカ) | |
17 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) | |
18 | ベン・オコーナー(オーストラリア) | |
19 | マッテーオ・ソブレロ(イタリア) | 新加入 |
20 | アンドレアス・ストクブロー(デンマーク) | 新加入 |
21 | ディラン・サンダーランド(オーストラリア) | 新加入 |
22 | ジェイロバート・トムソン(南アフリカ) | |
23 | ラスムス・ティレル(ノルウェー) | |
24 | ミケル・ヴァルグレン(デンマーク) | |
25 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ) | 新加入 |
26 | ダニーロ・ヴィス(スイス) |
text&photo:so.Isobe
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