リドレーが誇る軽量オールラウンドモデルのフラッグシップ「HELIUM SLX」に、待望のディスクブレーキモデルが登場。細身のフレーム形状はそのままに、リア三角のコンパクト化やケーブルのフル内装システム採用など最新スペックを獲得した次世代機をインプレッションした。



リドレー HELIUM SLX DISCリドレー HELIUM SLX DISC (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
1996年に設立された自転車大国ベルギーのバイクブランド、リドレー。比較的歴史の浅いメーカーながら、現在のロット・スーダルに当たるロットチームと長くパートナー関係を続けており、ロビー・マキュアンやカデル・エヴァンスらの活躍によってレーシングブランドとしての地位を築いていった。プロライダーの意見を取り入れたバイク開発を長年続けており、サポートを行うロット・スーダルも今季23勝と安定した成績を残している。

スプリンターたちが愛用しているエアロロード「NOAH(ノア)」、石畳の多いクラシックレースで度々投入されるエンデュランスロード「FENIX(フェニックス)」と合わせて、リドレーのロードラインアップ三本柱を支えるのが軽量オールラウンドモデルの「HELIUM(ヘリウム)」だ。空気よりも軽い気体の名前が与えられた通り、2007年の登場から一貫して”軽さ”を武器にプロ選手たちの走りを支えてきたバイクである。

オーソドックスな形状のダウンチューブが軽量性に貢献オーソドックスな形状のダウンチューブが軽量性に貢献 D型のコラムを採用しており専用パーツを使用せずともケーブルのフル内装を叶えているD型のコラムを採用しており専用パーツを使用せずともケーブルのフル内装を叶えている ディスク化してもなお細身のスタイルを維持したストレートフォークディスク化してもなお細身のスタイルを維持したストレートフォーク

幾度のアップデートやモデルチェンジを経て2013年にHELIUM SL、2016年にHELIUM SLXと姿を変えてきた同バイクだが、さらに3年の時を経てついに時代の流れに沿った待望のディスクブレーキモデルが誕生した。今年の9月に開催されたユーロバイクにて発表されたばかりで、チームもつい先日レース投入を果たした模様。それでもHELIUM SLX DISCを駆ったイエール・ワライスが早くもパリ~トゥールで勝利を挙げており、新型バイクの性能の高さを遺憾なく発揮した。

基本的なフレームデザインはリムブレーキモデルに倣ったものだが、要所要所にアップデートが加わり最新のディスクロードらしいルックスへとリファインされた。変更点として目につくのが、若干コンパクトになったリアトライアングルだろう。シートステーの接合位置が下げられており、振動吸収性の向上や剛性の最適化に寄与している。

汎用品が使用可能な27.2mm径の円形シートポスト仕様汎用品が使用可能な27.2mm径の円形シートポスト仕様 リドレーと関係の深いパーツブランド「FORZA」のカーボンハンドルもオプションで用意されるリドレーと関係の深いパーツブランド「FORZA」のカーボンハンドルもオプションで用意される

剛性とトラクション性能を両立させた左右非対称形状のチェーンステー剛性とトラクション性能を両立させた左右非対称形状のチェーンステー 試乗車にはFFWDの「F3D」をセット、リムハイトは30mmでオールラウンドに使えるホイールだ試乗車にはFFWDの「F3D」をセット、リムハイトは30mmでオールラウンドに使えるホイールだ

シートステーに形状に関しては、HELIUMのアイコンとも言える極細形状は健在。横方向に扁平させ快適性を高めている一方で、左右のチューブを繋いだブリッジは残されておりねじれ剛性強化を図っている。新たにリアブレーキが装着されたチェーンステーは、左右非対称形状によって制動力に対応した剛性と安定したトラクション性能を両立する。

フレーム素材は従来と同じで60T、40T、30Tという3種類のハイモジュラスカーボンを適材適所に使い分けトップモデルに相応しい優れた重量剛性比を実現。ディスクブレーキモデルの開発に当たりカーボンレイアップは一から見直されており、フレームの片側にキャリパーが取り付けられることを考慮した左右バランスの適正化が推し進められている。

ケーブルは完全内装仕様でヘッド部分にホールなどは空けられていないケーブルは完全内装仕様でヘッド部分にホールなどは空けられていない ディスクブレーキを獲得しフレームのカーボンレイアップも一新されているディスクブレーキを獲得しフレームのカーボンレイアップも一新されている

ディスク化に伴いフレーム重量は50g増というが、それでもXSサイズで805gとHELIUMの名に恥じない軽量性を維持する。その上で、ディスクブレーキモデルとは思えないほど細身のフロントフォークも特徴的。シンプルなストレート形状で高い剛性を確保することで、安定したハンドリングやコーナリング性能を発揮してくれる。

また最新のディスクロードらしくケーブルフル内装化を果たしたコックピットシステムにも注目だ。昨年登場したNOAH FAST DISCのテクノロジーが使われており、円形コラムの前側を切り落としたD型コラムを採用。ハンドル、ステムの内部を通したケーブル類をコラムの切り欠きされた空間よりフレーム内に配線する仕組みとなっている。

リドレーのフラッグシップを表す”SLX”の文字リドレーのフラッグシップを表す”SLX”の文字 プレスフィットのBB30を採用しBB周りの剛性を強化しているプレスフィットのBB30を採用しBB周りの剛性を強化している 新たに下側にドロップされたシートステー、左右を繋いだブリッジは残されている新たに下側にドロップされたシートステー、左右を繋いだブリッジは残されている

特殊なコラム形状でも強度を確保するためフォークの重量はやや重くなってしまう一方で、専用パーツではなく汎用品でケーブル内装を叶えられる点が大きなメリットに。一般的な丸コラム用のステムとスペーサーを使うことができポジション調整も容易だ。ハンドルバーに関しては、ステムのクランプ部分にケーブル配線用のホールが空いている製品であれば、どのブランドのパーツでもOK。

同じく、昨今エアロ化が進みシートポストを専用品とするモデルも多い中、このHELIUM SLX DISCはリムブレーキモデルと同様に一般的な27.2mmの円形シートポスト仕様となっており、ハンドル・ステムと合わせてカスタムできる幅が広い点も魅力だろう。国内ではレッドの差し色が入ったシルバーのワンカラー展開。フレームセットにて販売され、価格は365,000円(税抜)だ。今回はシマノDURA-ACE DI2とFFWDのF3Dホイールで組み上げた試乗車にてテストした。



― インプレッション

「秀逸な剛性バランス、優れた安定感と登りの軽さが魅力の1台」小川純(ワイズロード池袋チャーリー店)

「秀逸な剛性バランス、優れた安定感と登りの軽さが魅力の1台」小川純(ワイズロード池袋チャーリー店)「秀逸な剛性バランス、優れた安定感と登りの軽さが魅力の1台」小川純(ワイズロード池袋チャーリー店)
リドレーのカーボン技術の高さをまざまざと感じさせられた素晴らしいバイクに仕上がっています。走りが軽いのにバイクはヒラヒラせず安定感に優れていますし、フラッグシップらしい剛性感はあるにも関わらず硬さを感じさせない気持ちよい進み具合なんです。ディスクブレーキ化したネガティブさも一切なく、今までのキャリパー仕様と同じような軽さやフィーリングに上手く調整されていますね。

ベルギーの石畳で開発を続けてきたノウハウなのか、ライダーが気持ち良いと感じるような剛性コントロールがされていると思います。具体的にはフレームの下側はパワー伝達のために硬さを持たせて、逆に上側はやや剛性を落としてしなやかさを付加することで乗り心地の良さを生み出しているように感じます。そのバランスの良さが秀逸で、下位グレードであるHELIUM Xよりも硬いはずなのにそれ以上に乗りやすくて快適に感じてしまいますね。

BB周りの剛性感は高くパワーロスが少ないためスッと気持ちよく前に進んでくれるんです。ハイエンドらしく踏んだ時にフレームがしならない硬さによってスイスイと加速してくれるイメージで、重量の軽さも手伝ってやはり登りが圧倒的に良い。ダイレクトにパワーが伝わっている感覚で、重いギアをかけたときはもちろん回転系のライダーでもその恩恵を受けられます。

対して細身のシートステーが諸々の逃しになってくれており、硬さを中和して乗り心地の良さを演出していますね。この点は従来からのHELIUMの良さを継承している部分です。

「高剛性なのに硬さを感じない乗り味、スイスイ進む軽さはさすがフラッグシップ」「高剛性なのに硬さを感じない乗り味、スイスイ進む軽さはさすがフラッグシップ」
また、ディスクブレーキモデルになって、キャリパーが下側に位置したこともあり非常に低重心で安定性の高い乗り味も印象的でした。地面に吸い付くような感じで、ハイエンドモデルながらむしろ初心者にも乗りやすいのではないかと思うほどです。重心が下にあることでダンシングのしやすさにも繋がっていますね。

世界トップレースに標準を合わせたややクイックなハンドリングで、レーシングバイクらしい味付けだと思います。ケーブルフル内装のシステムでも操舵感に違和感は皆無でしたし、外装のように路面のギャップでケーブルがバタバタしないこともライド中のストレスを減らしてくれるでしょう。細身のフォークもブレーキをかけたときにたわむことはなく、作りがしっかりしていて安心感がありました。

ただ、フレーム形状的に走りにエアロ感はなく高速巡航はやや苦手かと。クライミングならローハイト、平坦基調ならディープリムとホイールで調整してあげると良いでしょう。今回のようなミドルハイトとのマッチングも最高で、まさに登り向きのオールラウンダーに仕上がりますね。コックピットなど専用品もなく、好みのパーツでカスタマイズできる点も趣味の1台として最高ではないでしょうか。

リドレー HELIUM SLX DISCリドレー HELIUM SLX DISC (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
リドレー HELIUM SLX DISC
素 材:60, 40, 30 ton HM Carbon
重 量:フレーム805g(XSサイズ)、フォーク420g
BB規格:Pressfit BB30
サイズ:XXS、XS、S
価 格:365,000円(税抜、フレームセット)



インプレッションライダーのプロフィール

小川純(ワイズロード池袋チャーリー店)小川純(ワイズロード池袋チャーリー店) 小川純(ワイズロード池袋チャーリー店)

ワイズロードに務めて20年弱にもなるベテランスタッフで、現在は池袋チャーリー店の店長として店舗の管理や接客を担当する。サイクリングやMTB遊びを嗜むホビーライダーとして、初心者にも安心の一般ユーザー目線をポリシーとしたアドバイスを心がける。店内にはカスタム用のパーツが所狭しと並べられ、完成車も約100台と豊富な在庫を揃える他、希少な限定品や特化品も要注目だ。

ワイズロード池袋チャーリー店
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text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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