2019/09/02(月) - 07:15
トラック競技から1週間のインターバルをおいて行われたインカレロードは、男子は日本大学の武山晃輔が2年ぶり2度目の優勝。女子は慶應義塾大学の福田咲絵が3年ぶり2度目の優勝を果たした。大学対抗総合では、中央大学が初優勝。女子は日本体育大学が3連覇を達成した。
昨年に続き、長野県の大町市で行われたインカレのロードレース。かつてはJサイクルツアー(現在のJプロツアー)が開催されたこともある美麻地区の公道コースが舞台だ。昨年コースの一部が変更されて1kmほど距離が伸び、1周13.4kmとなった。斜度は厳しくないもののアップダウンが繰り返されるため、周回を重ねるとじわじわと足を削られていくコースだ。
トラック競技の3日間は晴れ続きだったが、この日の大町市は雲が多め。最高気温は25.8℃と、木陰でじっとしていると暑さをそれほど感じない。それでも選手の補給に氷を用意するチームがほとんどだ。
女子 強さを見せた福田咲絵が2度目のインカレロード優勝
朝7時45分にスタートした女子のレースは5周67km。約半周のパレード走行ののちリアルスタートが切られると、松田理帆(東京大学)と、枝光美奈(山梨学院大学)の2人が、後続に1分20秒差をつけて先行する。2周目に入ると福田咲絵(慶應義塾大学)がメイン集団をペースアップさせて2人を吸収。その後福田は池上あかり(早稲田大学)と共に先行。女子の学校対抗総合優勝を争う日本体育大学勢と鹿屋体育大学が後続集団でにらみ合うのをよそに、1分、2分と差を広げていく。
3周目、池上を振り切りかけた福田だったが、一緒に行くことを選択。ダンシングを多用する福田と、シッティングで黙々と進む池上という対照的な2人は、最終周回の5周目までに3分以上の差を後続につけた。そして残り7km地点手前の登り斜度が一番きついところで福田がアタックすると池上はついて行けず、勝負あり。インカレ2勝目のVサインと共にフィニッシュした。
福田咲絵コメント
「1人で行くのは不安があったので、安全に2人で行くことにしました。登りでは勝てる自信があったので、要所で足を使わせて最終周の登りで仕掛けました。どこで仕掛けると決めていたわけでなく、ちょうど池上さんが前を引いてくれていたところで、ここで行けば厳しいだろうなというタイミングで行きました。ちょうど慶應の男子が応援してくれている前で頑張ろうと思ったのもあります(笑)。
最初に勝った時はナショナルチームに入りたくて自分のために勝ちたいという思いだったが、今回は大学最後で今までの感謝の気持ちを結果でお返ししたいという気持ちで走った。2週間前に大きな落車をして今も腰を痛めていて不安もあったけれど、今までやってきたことを信じて臨みました。」
昨年に続き、長野県の大町市で行われたインカレのロードレース。かつてはJサイクルツアー(現在のJプロツアー)が開催されたこともある美麻地区の公道コースが舞台だ。昨年コースの一部が変更されて1kmほど距離が伸び、1周13.4kmとなった。斜度は厳しくないもののアップダウンが繰り返されるため、周回を重ねるとじわじわと足を削られていくコースだ。
トラック競技の3日間は晴れ続きだったが、この日の大町市は雲が多め。最高気温は25.8℃と、木陰でじっとしていると暑さをそれほど感じない。それでも選手の補給に氷を用意するチームがほとんどだ。
女子 強さを見せた福田咲絵が2度目のインカレロード優勝
朝7時45分にスタートした女子のレースは5周67km。約半周のパレード走行ののちリアルスタートが切られると、松田理帆(東京大学)と、枝光美奈(山梨学院大学)の2人が、後続に1分20秒差をつけて先行する。2周目に入ると福田咲絵(慶應義塾大学)がメイン集団をペースアップさせて2人を吸収。その後福田は池上あかり(早稲田大学)と共に先行。女子の学校対抗総合優勝を争う日本体育大学勢と鹿屋体育大学が後続集団でにらみ合うのをよそに、1分、2分と差を広げていく。
3周目、池上を振り切りかけた福田だったが、一緒に行くことを選択。ダンシングを多用する福田と、シッティングで黙々と進む池上という対照的な2人は、最終周回の5周目までに3分以上の差を後続につけた。そして残り7km地点手前の登り斜度が一番きついところで福田がアタックすると池上はついて行けず、勝負あり。インカレ2勝目のVサインと共にフィニッシュした。
福田咲絵コメント
「1人で行くのは不安があったので、安全に2人で行くことにしました。登りでは勝てる自信があったので、要所で足を使わせて最終周の登りで仕掛けました。どこで仕掛けると決めていたわけでなく、ちょうど池上さんが前を引いてくれていたところで、ここで行けば厳しいだろうなというタイミングで行きました。ちょうど慶應の男子が応援してくれている前で頑張ろうと思ったのもあります(笑)。
最初に勝った時はナショナルチームに入りたくて自分のために勝ちたいという思いだったが、今回は大学最後で今までの感謝の気持ちを結果でお返ししたいという気持ちで走った。2週間前に大きな落車をして今も腰を痛めていて不安もあったけれど、今までやってきたことを信じて臨みました。」
女子ロードレース結果(67km)
1位 | 福田咲絵(慶應義塾大学) | 2時間7分39秒 |
2位 | 池上あかり(早稲田大学) | +1分11秒 |
3位 | 川口うらら(日本体育大学) | +4分28秒 |
4位 | 太郎田水桜(法政大学) | +4分33秒 |
5位 | 橋本優弥(鹿屋体育大学) | +4分34秒 |
6位 | 岩元杏奈(日本体育大学) | +4分36秒 |
女子ロードレース 総合成績
1位 | 慶應義塾大学 | 10p |
2位 | 日本体育大学 | 9p |
3位 | 早稲田大学 | 8p |
男子 武山晃輔が2年ぶり2度目のインカレロード優勝
男子は13周174.2km。リアルスタート直後から、U23全日本チャンピオンジャージを着る武山晃輔(日本大学)や、今村駿介(中央大学)らが集団前方で動く中、仮屋和駿(日本大学)が単独で先行。メイン集団との差は1分以上まで開く。大学対抗総合順位で1位の中央大学と、23ポイント差で追う日本大学が集団前方に集まるものの、前を追う動きとはならず、レースは一度落ち着く。
5周目に入ると、鵜沼利久、片桐東次郎(以上日本大学)、山本哲央(中央大学)らを含む8名が追走して仮屋に合流。さらにメイン集団から今村が単独で飛び出し、7周目に入ったところで先頭集団に合流して10人の先頭集団が新たに形成される。
この今村の動きを「他の選手のマークをしていて見逃してしまった」と言う武山は、7名の追走集団を形成して追走。奥村十夢(中央大学)、小出樹(京都産業大学)らと共に8周目に追いつき、先頭集団は17名まで増える。その後9周目に入ると今村と鵜沼が先頭集団から遅れ、さらに人数を減らして10名が残る。
残り2周となる12周目、武山、小出、佐藤宇志(明星大学)らが代わる代わるペースアップ。先頭集団は武山、小出、佐藤、奥村、片桐、仮屋の6名に絞られて最終周回に入っていく。残り5kmを過ぎると武山がアタックを繰り返す。しかし決定打とならないまま残り1kmからフィニッシュに続く登りへ。残り500m、武山がアタック。小出が追いすがるも、武山がそのまま先頭でフィニッシュ。2017年以来2度目のインカレロード優勝を決めた。
「残り3周くらいまでは足を残しているつもりだった。小出君キッカケで人数が減ることが終盤に続いていて、そのカウンターで動いてみたけれど足がいっぱいでなかなか独走に持ち込めず、小出君の顔色を見ながら走ることになった。(大学対抗の)総合逆転を意識していなかったと言ったらウソになるが、それはあまり意識せず、日大として勝負できるメンバーを常に前に置いて後手に回ることがないような展開をした」とレースを振り返る。
「2年前にインカレ優勝した時よりも経験を積んできているので、チームメイトに具体的に指示を出してレースを組み立てることができたのは大きな進歩だと思う。U23最後の年に全日本チャンピオンと2つのタイトルを獲れたが、これはあくまで通過点にすぎないと考えている。この成績におごらず、エリートに上がってもトップレベルで戦えるような選手になりたい」と語った。
男子ロードレース 結果(174.2km)
1位 | 武山晃輔(日本大学) | 4時間41分27秒 |
2位 | 小出 樹(京都産業大学) | +0秒 |
3位 | 片桐東次郎(日本大学) | +13秒 |
4位 | 奥村十夢(中央大学) | +15秒 |
5位 | 佐藤宇志(明星大学) | +19秒 |
6位 | 仮屋和駿(日本大学) | +20秒 |
7位 | 山本哲央(中央大学) | +2分12秒 |
8位 | 重光 丈(鹿屋体育大学) | +3分41秒 |
男子ロードレース 総合成績
1位 | 日本大学 | 31p |
2位 | 中央大学 | 15p |
3位 | 京都産業大学 | 12p |
中央大学が総合初優勝 女子は日本体育大学が3連覇
トラック種目とロードレースを合計した総合成績は、中央大学が優勝。今年75回目となるインカレの歴史で初めての総合優勝を決めた。2位は日本大学。トラックで23ポイントの差をつけられたものの、ロードで31ポイントを獲得。中央大学に8ポイント及ばなかったものの、自転車競技が強い伝統校の意地を見せた。
女子は日本体育大学が3連覇。トラック種目を終えて2位鹿屋体育大学と3ポイント差だったが、ロードレースでポイント圏に3人を送り込んで逃げ切った。
2つの日本新記録と多数の学連記録が誕生したトラック種目と、男女とも実力ある4年生が勝ったロードレース。今年のインカレは大学生のレベルの高さを実感する大会となった。東京2020オリンピック終了直後の開催となる来年のインカレはどんな大会になるか、今から期待したい。
インカレ2019 総合成績
男子 | 女子 | |
---|---|---|
1位 | 中央大学 95p | 日本体育大学 52p |
2位 | 日本大学 88p | 鹿屋体育大学 45p |
3位 | 明治大学 64p | 早稲田大学 32p |
text&photo:Satoru Kato
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