「スプリンターにとってグランツールのステージ優勝は夢のひとつ」と、初優勝を飾ったファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)はコメント。ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージを走り終え、翌日に山岳決戦を控えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)

ステージ初優勝を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)ステージ初優勝を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
昨日チームは少し行儀が良すぎたようで、今日はイニシアティブを取ることにしたんだ。カヴァニャが大きくリードするほど強力な先行を見せ、最後はスティバルとリケーゼにリードアウトされた。彼らはリードアウトにおいて世界最高峰の選手たち。残り200mの時点で完璧なポジションに連れていってくれた。

とても僅差の戦いになって、最後はハンドルをフィニッシュラインに投げ込んで目を閉じた。勝利を知ったのは祝福しながら駆けつけるチームメイトたちを見た時。とても幸せで、言葉が出てこなかった。

スプリンターにとってグランツールのステージ優勝は夢のひとつ。22歳の若手として経験を積むため、そして勝つためにブエルタに出場していた。いつか勝てるとは思っていたけど確証はなかった。自分の国の色を着て勝つのは素晴らしい気分だ。2020年のブエルタはオランダで開幕するので、そこでもステージ優勝したい。まだレースプログラムは何も決まってないけど、自分の国で開幕するグランツールでのステージ優勝はスペシャルなものになる。

ステージ2位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

ポイント賞ジャージを手に入れたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)ポイント賞ジャージを手に入れたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
残り数キロのポジション取りに手間取ってしまった。最後のラウンドアバウトに間違った方向から進入してしまったので、そこで大きくポジションを落としてしまったんだ。クイックステップの選手が先頭でスプリントに持ち込んで、自分にはどうすることもできなかった。かなり後方から追い上げる形になったけど届かなかった。とにかくファビオ・ヤコブセンを祝福したい。

ステージ3位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)

ステージ3位に終わったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)ステージ3位に終わったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
好調とは言えず、全力でもがけない状態だったのでいつもとは違うスプリントだった。いつものように踏むことが出来ない状態なので、これからレースの進行とともに回復していきたい。これからもスプリントに挑み続ける。

ステージ8位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)

昨日と同様に調子は良く、今日もハイスピードなフィニッシュだった。ポジションを下げてしまっていたので、スプリント開始前にプッシュして前方へ。でもその時点で踏みすぎていた。後方からロングスプリントしたものの、結果には結びつかなかった。リードアウトを組めないチームなので自力で活路を見いだす必要がある。だからガビリアやベネット、ヤコブセンをいつも探して、彼らのホイールに食らいつくようにしている。

マイヨロホ ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)

集団内でフィニッシュしたマイヨロホのニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)集団内でフィニッシュしたマイヨロホのニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ) photo:CorVos
前回は1日でマイヨロホを失ってしまったので、今回は何日も着ることができて満足している。昨日よりもリラックスした1日だったので、集団内の多くの選手と話すことができたよ。終盤にかけては今日もストレスフルだったけど、チームは問題なくフィニッシュまでエスコートしてくれた。

明日は全く違うシナリオになる。コロンビア人選手たちによるアタックに警戒しないといけない。マイヨロホを守るのは本当に難しいと思うけど、希望を持って、全力で戦いたい。マイヨロホの有無に関係なく、チームは高いモチベーションを保って山岳ステージを戦っていく。

総合12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

スタートに向かうアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)スタートに向かうアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
今日もスムーズにレースは進んだ。終盤にかけて風が吹いてペースも上がったけど問題なかった。明日のハバランブレの登りは走ったことがないので分からない。でも登りの距離の長さと勾配を考えると確実にタイム差はつくと思う。チームの状態は良いし、1日1日をしっかりと走っていくことに専念する。そしてしっかりと毎日リカバリーすることが大切だ。

逃げに乗ったイエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)

逃げるイエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)とホルヘ・クベロ(スペイン、ブルゴスBH)逃げるイエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)とホルヘ・クベロ(スペイン、ブルゴスBH) photo:CorVos
テクニカルなフィニッシュに加えて雨予報が出ていたのでアタックしたけど、結局雨はあまり降らなかった。逃げに3〜4人ほどが合流してチャンスがあったと思う。スタートから逃げて、残り40kmから独走したのに、おかしいこと(先に遅れたクベロが敢闘賞を獲得したこと)も起こる。もっと(Twitterの)スペイン人のフォロワーが必要なのかもしれない。

山岳賞 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)

チームは開幕からずっと挑戦し続けている。今日はホルヘ・クベロが逃げに乗って、自分は山岳賞のポイントを少しでも獲得する作戦だった。明日と明後日のステージはとてもハードで、多くの山岳ポイントが設定されている。山岳賞ジャージを守るためにはまた逃げに乗らないといけない。脚の調子は良いし、負けたくないという精神力が大事になってくる。

ステージ63位 新城幸也(バーレーン・メリダ)

スタートに向かう新城幸也(バーレーン・メリダ)スタートに向かう新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
今日も貴重なスプリントステージなので、フィル・バウハウスのスプリント一本勝負!スタートアタックで決まり集団も穏やかに過ごした。今日はフィニッシュまで50km手前に3級山岳ポイント1回だけで、その後は下り基調。ほぼ昨日と同じようなシチュエーションだったが、横風の可能性もあり、各チームで前方での位置取りが大事になった。昨日よりもフィル(バウハウス)とハウッスラーの手伝いが出来たが、成績には繋がらなかったのが残念。明日からは脚を山岳仕様にシフトしないといけない!

途中リタイア ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)

途中でリタイアを選んだステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)途中でリタイアを選んだステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
(初日チームTTで負った膝の)怪我が快方に向かうことはなく、リタイアが正しい判断だった。痛みの影響でいつものようにペダリングができず、現実的に物事を捉える必要があった。このまま痛みが続くようであればチームに全く貢献できないと判断した。この状態をチームメイトたちが切り抜けてくれることを願っている。

エディ・アンヘルス監督(ユンボ・ヴィズマ)

チームリーダーの一人であったステフェン(クライスヴァイク)のリタイアはチームにとって大きな損失だ。チームタイムトライアルでの落車以降、彼の膝の状態は日に日に悪くなっていた。回復する望みは薄く、重要なメンバーを1人失う結果となった。

text:Kei Tsuji

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