ビンクバンク・ツアー第5ステージはゴールスプリントの争いに。ここまでステージ3勝を挙げている最強スプリンターのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)を下したのは22歳のスプリンター、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)。またしても若きコロンビア人たちの活躍が止まらない。

総合リーダーのティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)とステージ3勝で最強のサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)総合リーダーのティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)とステージ3勝で最強のサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVosウィリーしながらスタートにやってきたアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)ウィリーしながらスタートにやってきたアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos


ベルギーのリンブルフ州、マーストリヒトに近いリエムストからオランダ領のフェンラユまでの191.4kmで争われたビンクバンク・ツアー第5ステージ。今大会中最長ステージであり、ほぼ平坦のためセオリー通りならスプリンター向けのステージだ。

平坦なステージ。ハイスピードで運河を渡るメイン集団平坦なステージ。ハイスピードで運河を渡るメイン集団 (c)CorVos
国をまたぐがリンブルフ地方に収まるステージは、週末の残り2日間は個人TTと最終ステージはヘラールツベルヘン周辺のアップダウンが多いプロフィールのため、スプリンターには最後のチャンス。しかし逃げを目論むチームがそのセオリーを嫌って果敢にチャレンジに出る。

スタート直後から逃げを狙ってアタックが頻発するも、決まらないスタート直後から逃げを狙ってアタックが頻発するも、決まらない (c)CorVos
リンブルフ地方のレースはベルギーからオランダに入国リンブルフ地方のレースはベルギーからオランダに入国 (c)CorVos
40km地点で地元オランダのロイ・クルフェルス(サンウェブ)ら6人が抜け出しに成功。しかしメンバーの顔ぶれが強力すぎたために集団はこの逃げを嫌い、捕まえにかかる。

抜け出しに成功したロイ・クルフェルス(サンウェブ)ら6人だがメイン集団は許さなかった抜け出しに成功したロイ・クルフェルス(サンウェブ)ら6人だがメイン集団は許さなかった (c)CorVos総合リーダーのティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)総合リーダーのティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos


そして残り110km地点、ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)率いる4人の逃げが許された。レース中盤まで2分半ほどの差を持って逃げ続けた4人は、15kmの周回レースとなるレース終盤、残り2周/30kmで1分差まで集団に詰められる。

ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)率いる4人の逃げが許されたロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)率いる4人の逃げが許された (c)CorVos
プロトン先頭ではドゥクーニンク・クイックステップとボーラ・ハンスグローエが中心になりコントロール。23km地点でパンクして遅れたゼネク・スティバルも再合流して集団を引く。エドワード・トゥーンス(ベルギー)で勝利を狙うトレック・セガフレードも積極的で、別府史之が強力な牽引でチームを引き上げるシーンも見られた。

プロトン先頭ではドゥクーニンク・クイックステップとボーラ・ハンスグローエが中心になりコントロールプロトン先頭ではドゥクーニンク・クイックステップとボーラ・ハンスグローエが中心になりコントロール (c)CorVos
そしてスプリントを狙う複数チームの追走協調により、逃げる4人はラスト4kmで集団に捕まる。残り1kmを切ってからクラッシュ発生。ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・メリダ)らが巻き込まれる。

アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサム・ベネットを下すアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサム・ベネットを下す (c)CorVos
アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサム・ベネットを下すアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサム・ベネットを下す (c)CorVos
混戦の集団スプリントからいいタイミングで飛び出したのはアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)。開幕3勝を挙げているサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を出し抜き、急加速して追い上げるベネットに余裕の半車身差を持ってトップでフィニッシュし勝利を挙げた。3位にはトレックのトゥーンス。

急加速してホッジを追い込んだサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)だったが急加速してホッジを追い込んだサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)だったが (c)CorVos落車して遅れてフィニッシュするハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・メリダ)落車して遅れてフィニッシュするハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・メリダ) (c)CorVos


ビンクバンクツアーの歴史において最初のコロンビア人ステージ勝者となったホッジは言う。「これはチームの勝利だ。チームメイトたちは今日一日じゅう素晴らしい仕事をしてくれた。逃げを捕まえ、最後のスプリントまでも大変な仕事をしてくれた。最後のスプリントではスティバルとセネシャルのおかげでいいポジションでスプリントに臨めたんだ」。

コロンビア人初のステージ勝者になったアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)コロンビア人初のステージ勝者になったアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
スーパー8敢闘賞のバプティスト・プランカールト(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)スーパー8敢闘賞のバプティスト・プランカールト(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) (c)CorVos名前はHodegと表記されるが、これは戸籍登録時のタイプミスによる誤りで、本当の名前は「Hodge(ホッジ)」。22歳のコロンビア人の勝利は、ツール・ド・フランスで優勝した22歳のエガン・ベルナル、ツール・ド・ポローニュとツアー・オブ・アルプスを制した22歳のパヴェル・シヴァコフ(チームイネオス)、そしてブエルタ・ブルゴスで総合リーダーとなっている21歳のイバン・ソーサ(チームイネオス)らの快挙に名を連ねることに。コロンビア人の若手の活躍が止まらない!

個人総合リーダーはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が難なくキープ。スプリント力のあるオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)が総合で5位にジャンプアップし、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)はステージ7位に沈んだものの、ポイント賞争いでは総合2位に浮上した。 

ビンクバンク・ツアー2019第5ステージ結果
1位 アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 3:54:48
2位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
4位 ティモシー・デュポン(ワンティ・グループゴベール)
5位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
6位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームイネオス)
7位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
8位 スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル)
9位 ボリス・ヴァレ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)
10位 ボーイ・ファンポッペル (オランダ、ルームポット・シャルレ)
個人総合成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) 17:27:45
2位 マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ) 0:00:04
3位 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) 0:00:14
4位 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) 0:00:25
5位 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) 0:00:28
6位 マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:00:34
7位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) 0:00:38
8位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
9位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
10位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)
ポイント賞
1位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 115pts
2位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 73pts
3位 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) 66pts
スーパー8敢闘賞
1位 バプティスト・プランカールト(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) 61pt
2位 ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 26pt
3位 トマス・スプレンヘルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) 24pt
photo:CorVos
text:Makoto.AYANO

最新ニュース(全ジャンル)