宇都宮ブリッツェンにウェアサポートを行い、近年ハイパフォーマンスアパレルに力を注いでいるルコックスポルティフ。パネリングや縫製を工夫しよりエアロで着心地に優れたサマージャージと、パッドをハンモック構造とすることでフィット感を高めたビブショーツを紹介しよう。



ルコックスポルティフ 3Dジャージ2.0&ビブパンツルコックスポルティフ 3Dジャージ2.0&ビブパンツ photo:Gakuto Fujiwara
ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌを始めとする4賞ジャージを手掛けて40年以上にもなるルコックスポルティフ。今年はマイヨジョーヌ誕生から100周年という話題でも注目を集めた。国内では宇都宮ブリッツェンのウェアサプライヤーを務めており、近年ハイパフォーマンス路線のアパレル開発にも力を注いでいる。

そんなルコックスポルティフから、19春夏モデルの「3Dジャージ2.0」と「ビブパンツ」をピックアップ。どちらの製品も自転車競技の強豪校である鹿屋体育大学と協力してフィッティングを煮詰めており、実際に選手たちが使用して快適でパフォーマンスを発揮しやすい着心地を実現している。

ルコックスポルティフ 3Dジャージ2.0ルコックスポルティフ 3Dジャージ2.0
3Dジャージ2.0はモデル名の通り、フィット感を高める3Dカッティングが施されたタイトフィットなレース向けジャージ。ストレッチ性の高いポリエステル素材を使用し、ライディングフォーム時に最適なフィッティングとなる立体設計を採用している。

伸縮性の高い素材と工夫されたパネリングによって、着用時のシワも少なくエアロでストレスのない着心地に。特に、腕~肩~背面を1枚のパネルとすることで縫製部分を減らし、ウェアの軽量化や体の動かしやすさ、肌当たりの原因となる縫い目の最小限化を図っている。フリーカットタイプの袖口や首元がスッキリとした襟なしスタイルもレースウェアらしい見た目を醸し出す。

ジャージは襟なしスタイルでエアロな見た目にジャージは襟なしスタイルでエアロな見た目に 伸縮性の高い素材によって腕や肩部分はシワもなく空気抵抗を抑えている伸縮性の高い素材によって腕や肩部分はシワもなく空気抵抗を抑えている

裾にはトリコロールカラーのシリコングリッパーを配す裾にはトリコロールカラーのシリコングリッパーを配す バックポケットは標準的な3つ口タイプバックポケットは標準的な3つ口タイプ

ブラック、ネイビー、ホワイトの3色展開で、シンプルなデザインながらいずれのカラーもフレンチトリコロールを意識した配色とし、ルコックスポルティフらしいルックスに仕上がっている。ルコックの雄鶏マークを各所にあしらう他、背中部分に大胆に入ったブランドロゴもポイントだ。

標準的な3バックポケット仕様で、背面にはリフレクティブ素材を、裾部分にはシリコングリッパーも備わっている。S~Oの4サイズが用意され、価格は16,600円(税抜)。

ルコックスポルティフ ビブパンツルコックスポルティフ ビブパンツ
幅広いシーンで着用できるベーシックな作りのビブパンツも、縫い目の少ないパネリングとされておりフィット感の高い着心地を実現。左右それぞれ1枚のパネルが足を包むように作られているため、ゴワつきも少なくペダリングもしやすいようできている。ビブストラップは背面と肩部分で異なるメッシュ素材を使用しており、通気性を高めるとともにライディングの姿勢でフィット感を高めるよう考えられている。

また、ハンモック構造を採用したパッドがこのビブパンツの大きな特徴。パッドをショーツに縫い付けずに吊り下げる形で縫製されており、フリーで動くことで乗車ポジションの変化に追従するようフィットしてくれる。パッド位置が合わないという悩みを解消してくれ、かつサイクリングからレースまでどんな姿勢でも理想的な座り心地を生み出してくれるのだ。

パッドの縫い目がなくビギナーでも使いやすいルックスにパッドの縫い目がなくビギナーでも使いやすいルックスに パッドを縫い付けず吊り下げたハンモック構造を採用しフィット感を高めているパッドを縫い付けず吊り下げたハンモック構造を採用しフィット感を高めている

ビブストラップは通気性を高めるためにメッシュ加工が施されるビブストラップは通気性を高めるためにメッシュ加工が施される 裾部分に滑り止めはないものの、伸縮性の高い素材でズレを抑えている裾部分に滑り止めはないものの、伸縮性の高い素材でズレを抑えている

加えてショーツ部分にパッドの縫い目がないため、パッドの存在感を消してくれサイクルパンツに抵抗があるというビギナーも履きやすいデザインに仕上がる。パッド自体はクッション性の高いロングライド向けの仕様だ。裾はフリーカットタイプで、両足の背面にリフレクティブのラインプリントが施されている。ブラック、ネイビー、タービュランスの3色展開で、S~Oの4サイズが用意される。価格は15,600円(税抜)だ。



― 編集部インプレッション

ルコックスポルティフを取り扱うデサントと言えば、自転車競技のトラック、MTB、BMX、トライアルの日本代表ジャージを手掛けており、近年自社でのレーシングウェア開発に力を注ぐ。街乗りウェアのイメージが強かったルコックスポルティフだが、そんなデサントのテクノロジーを落とし込み昨今はレーシーでハイパフォーマンスな製品群が数多くリリースされている。

「エアロなフィット感や作りが好印象、ハイスピードなトレーニングに最適だ」「エアロなフィット感や作りが好印象、ハイスピードなトレーニングに最適だ」
さて、身長171cm体重54kgという細身体型の筆者は、今回テストした3Dジャージ2.0&ビブパンツともにSサイズをチョイス。フィッティングが煮詰められており、程よく締め付けられる着圧感がありながらも窮屈した感じはなく、非常に着心地が良いというのが第一印象だ。直立した姿勢だとビブストラップが突っ張る感覚があるので、前傾したライディングフォームに合わせているのだと分かる。

袖も裾も長めの丈となっており、エアロに着こなせる見た目はグッド。シリコングリッパーはなく肌に引っかかる感触もないためストレスは少ない。それでも袖や裾がずり上がってくることはなかったので、伸縮性の高い生地が上手く働いているだと感じた。

腕~肩~背面を1枚のパネルとすることで縫製部分を減らしフィット感向上を図った腕~肩~背面を1枚のパネルとすることで縫製部分を減らしフィット感向上を図った ジャージに関しては、着た時にシワが寄らない作りに驚かされた。特に風が当たる肩から腕にかけてはスキンスーツのように体にピタッと沿ってくれ、ハイスピードでもウェアがバタつくことは皆無だった。深い前傾を取ると前身頃の生地が若干たるむものの、総じてエアロな着心地は好印象だ。メッシュ素材ではないため通気性が特別良い訳ではないが、首元が開いているためジッパーを少し下げるだけでウェア内に風が入ってきて涼しい。汗を吸うとジャージの生地が肌に張り付くような質感になるため、ベースレイヤーを合わせて着用するといいだろう。

ビブパンツもパッドのハンモック構造のおかげか、まさにここだ!というフィット感を生み出している。パッドの縫い目はないものの、履いてしまうとその形が外側に浮き出るため、見た目に存在感がないかと言われれば微妙なところ。ただ、縫い付けないことでパッドとライクラの間に隙間が生まれるため通気性の良さも感じられた。

肩紐は幅広で安定感は高く、パッドも厚手のためロングライドに最適だろう。パッドが浮いているため外側のライクラ生地にサドル先端が引っかかりやすく、シッティングとダンシングの切り替え時には注意が必要だと感じた。それでも長時間ストレスフリーな着心地で、日頃のサイクリングからトレーニングまで幅広く活用できること間違いなしだ。(CW編集部:村田悠人)

ルコックスポルティフ 3Dジャージ2.0
カラー:ブラック、ネイビー、ホワイト
サイズ:S、M、L、O
価 格:16,600円(税抜)
製品ページ:https://www.lecoqsportif-jp.com/men-cycling/QCMNGA40.html?dwvar_QCMNGA4…

ルコックスポルティフ ビブパンツ
カラー:ブラック、ネイビー、タービュランス
サイズ:S、M、L、O
価 格:15,600円(税抜)
製品ページ:https://www.lecoqsportif-jp.com/men-cycling/QCMNGD01.html?dwvar_QCMNGD0…