今年のジロ・デ・イタリアを総合2位で終え、ツール・ド・フランスで区間1勝を挙げたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がトレック・セガフレードに移籍する。契約は2年間。弟のアントニオを伴っての加入だ。



最終難関ステージを勝利で飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)最終難関ステージを勝利で飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Makoto.AYANO
8月1日の移籍情報解禁に伴ってビッグネームたちの移籍が発表される中、8月8日にトレック・セガフレードがヴィンチェンツォ・ニバリとアントニオ・ニバリ(共にイタリア、現バーレーン・メリダ)の獲得を発表した。契約は2020年と2021年の2年間で、現在34歳の”メッシーナの鮫”は、少なくとも36歳までトレックのジャージで走り続けることとなる。

3大グランツールを全て制覇(ジロ:2013、2016、ツール:2014、ブエルタ:2010)し、ロンバルディア2回優勝(2015年、2017年)、ミラノ〜サンレモロンバルディア優勝(2018年)など、持ち前の総合力と登坂でのパンチ力でプロキャリア53勝を挙げてきたニバリ。イタリアのセガフレードがサブスポンサーに就き、イタリア人のルカ・グエルチレーナGMが采配を振るトレック・セガフレードへの加入は自然な流れと言えようか。

「移籍先を決めるに当たり、非常にプロフェッショナルかつ競争力のあるトレックのプロジェクトを理解し、自分の気持ちに沿って決断した。チームやセガフレード、そしてその他のスポンサーが自分に対して示している自信は今後大きな糧になる。このトレック・セガフレードでプロレーサーとしてのキャリアを続けることを嬉しく思っている。2020シーズンが楽しみだ」。そうニバリはプレスリリースの中でコメントしている。

「ヴェンチェンツォは紛れもなく素晴らしいチャンピオンであり、そんな選手がメンバーであることは他の選手たちにも大きな影響を与え、彼の経験から学ぶことができる。我々一同来シーズンが非常に楽しみだ。彼がグランツールの総合争いをしてくれることに期待している」とグエルチレーナGMは言う。「そして彼の弟、26歳のアントニオも加入する。彼もまだ伸びしろのある有望株で、ここ数年のうちに力を伸ばすことに期待している」。

以下はアントニオ・ニバリのコメント。「トレック・セガフレードへの加入にわくわくしているよ。ジュリオ・チッコーネのことはよく知っているし、良き友人なんだ。彼は僕にチームの雰囲気の良さや、プロフェッショナルな仕事についてよく話してくれていたんだ。だから本当に加入は楽しみで、全ての人たちと知り合いになって、自分のキャリアを続けていきたいと思っている。アメリカ・イタリア混成チームのメンバーとなるので、きっと我が家にいるような感覚になると思う。それともう一つ、僕にとっては兄のそばに寄り添って2年間サポートをすることが大切だ。全力で兄を助け、他のチームリーダーたちがビッグレースで結果を残すためにも働いていきたい。そして自分の結果も出すことができれば良いと思っている」。

text:So.Isobe