富士スピードウェイで開幕した全日本ウィーク、各年代別の個人タイムトライアルが行われた初日の6月27日は、男子エリートを増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が初制覇、女子エリートは與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)が5連覇を達成した。詳細をレポートする。
富士スピードウェイの長いストレートを往復するコース photo:Satoru Kato
全日本選手権初日は日本最速を決める個人タイムトライアル。コースはモータースポーツに使用されるサーキットコースと、施設内の管理道路を組み合わせた1周13km(事前の発表では14kmとなっていたが変更となった)。富士スピードウェイの長いホームストレートを1往復半し、テクニカルなコーナーが連続する管理道路を走るパワーとテクニックを要求されるコースだ。
朝は青空が広がっていたものの、午前9時のスタート時間に合わせるように雲が広がる。それでも午前中は雨粒が落ちてくることは無かったが、午後の男子U23と男子エリートは断続的に降る雨の中を走ることに。最高気温は25℃を記録したものの、強めの風が吹き、寒さを感じるほどの1日となった。
男子エリート 増田成幸が初優勝
ウェーブ1のベストタイムを出した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が2位 photo:Satoru Kato
TTをスタートしていく新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Makoto.AYANO
男子エリートはコースを3周する39km。2つのウェーブに分けて38人が出走。第1ウェーブは30秒間隔、第2ウェーブは1分間隔でスタートしていく。
第1ウェーブの最後、25番目にスタートした岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、56分17秒53を出して暫定トップに立つ。これをターゲットタイムとして第2ウェーブの13名がスタートしていく。鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)らが57分台をマークする中、第2ウェーブ8番目にスタートした増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が56分5秒53を出してトップタイムを塗り替える。
男子エリート優勝 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Makoto.AYANO
男子エリート 3位 別府史之(トレック・セガフレード) photo:Makoto.AYANO
昨年優勝の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)は、落車で大きく遅れた photo:Satoru Kato
最終盤にスタートした新城幸也(バーレーン・メリダ)は57分10秒にとどまる一方、別府史之(トレック・セガフレード)は56分19秒をマークして暫定3位につける。最後にスタートした昨年覇者の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)は1周目に落車し、5分近く遅れてフィニッシュ。この結果、増田の初タイトルが確定した。
男子エリート 表彰式 photo:Satoru Kato増田成幸コメント
「今だに信じられないです。ツアー・オブ・ジャパンで落車して、正直全日本はダメだなと思っていました。でも1ヶ月で復帰すると決めて、やれることを100%やりきって臨もうと考えて準備をしてきました。でもコンディションは良くはなかったので、正直勝てるとは思っていなかったです。今年のタイムトライアルはアップダウンがあって、自分は下りが苦手なんですけれどその分登りでしっかり踏めていたし、自分向きのコースだったことも味方してくれたと思っています。
ロードは220kmあって、どこまで耐えられるのかは今の状態では未知数ですが、行けるところまで行き、チームの中から勝者が出せるようにしたいです。ロードまで中2日あるので、しっかりリカバリーして体を休めて、チーム一丸となって戦いたいと思います」
女子エリート+U23 與那嶺恵理盤石の5連覇
2分前スタートの梶原悠未(筑波大学)を抜き去った與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ) photo:Satoru Kato
女子エリート+U23 2位 福田咲絵(慶應義塾大学) photo:Makoto.AYANO22名が出走した女子エリート+U23は、2周26km。男子同様に第1ウェーブの16名と第2ウェーブの6名に分け、1分間隔でスタートする。
第1ウェーブ終盤の15番目にスタートした福田咲絵(慶應義塾大学)が好走を見せ、41分46秒03をマークして暫定トップに立つ。第2ウェーブがスタートしても福田のペースを上回る者が出ない中、最後にスタートした與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)は、1分前にスタートした唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)を1周目に抜き、さらに2周目の残り1km付近で2分前にスタートした梶原悠未(筑波大学)を抜いてフィニッシュ。福田を1分以上上回る40分38秒のタイムを出して圧倒した。
女子エリート 表彰式 photo:Satoru Kato與那嶺恵理 コメント
「コンディション的には問題ありませんでしたが、今年はタイムトライアルが初めてで、TTバイクも初めてだったので、自分でもどれくらいパワーが出るか楽しみに走りました。ロードもあるので、安全マージンを持って、踏めるところは踏んで、コーナリングなどは安全に行きました。ロードも同じコースなので、簡単ではないですが、楽しく出来ると思います。距離はいつもより長めとは言ってもヨーロッパなどでは普通に走っている距離なので、体力的なものは自分の中では問題ありません」
その他カテゴリー
男子U23優勝 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)37分9秒80 photo:Satoru Kato
男子ジュニア優勝 山田拓海(飯田風越高校)18分22秒58 photo:Satoru Kato
女子ジュニア+U17 優勝 岩本杏奈(日本体育大学)21分26秒04 photo:Satoru Kato
男子U17+15 優勝 篠原輝利(ボンシャンス)19分20秒76 photo:Satoru Kato

全日本選手権初日は日本最速を決める個人タイムトライアル。コースはモータースポーツに使用されるサーキットコースと、施設内の管理道路を組み合わせた1周13km(事前の発表では14kmとなっていたが変更となった)。富士スピードウェイの長いホームストレートを1往復半し、テクニカルなコーナーが連続する管理道路を走るパワーとテクニックを要求されるコースだ。
朝は青空が広がっていたものの、午前9時のスタート時間に合わせるように雲が広がる。それでも午前中は雨粒が落ちてくることは無かったが、午後の男子U23と男子エリートは断続的に降る雨の中を走ることに。最高気温は25℃を記録したものの、強めの風が吹き、寒さを感じるほどの1日となった。
男子エリート 増田成幸が初優勝


男子エリートはコースを3周する39km。2つのウェーブに分けて38人が出走。第1ウェーブは30秒間隔、第2ウェーブは1分間隔でスタートしていく。
第1ウェーブの最後、25番目にスタートした岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、56分17秒53を出して暫定トップに立つ。これをターゲットタイムとして第2ウェーブの13名がスタートしていく。鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)らが57分台をマークする中、第2ウェーブ8番目にスタートした増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が56分5秒53を出してトップタイムを塗り替える。



最終盤にスタートした新城幸也(バーレーン・メリダ)は57分10秒にとどまる一方、別府史之(トレック・セガフレード)は56分19秒をマークして暫定3位につける。最後にスタートした昨年覇者の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)は1周目に落車し、5分近く遅れてフィニッシュ。この結果、増田の初タイトルが確定した。

「今だに信じられないです。ツアー・オブ・ジャパンで落車して、正直全日本はダメだなと思っていました。でも1ヶ月で復帰すると決めて、やれることを100%やりきって臨もうと考えて準備をしてきました。でもコンディションは良くはなかったので、正直勝てるとは思っていなかったです。今年のタイムトライアルはアップダウンがあって、自分は下りが苦手なんですけれどその分登りでしっかり踏めていたし、自分向きのコースだったことも味方してくれたと思っています。
ロードは220kmあって、どこまで耐えられるのかは今の状態では未知数ですが、行けるところまで行き、チームの中から勝者が出せるようにしたいです。ロードまで中2日あるので、しっかりリカバリーして体を休めて、チーム一丸となって戦いたいと思います」
女子エリート+U23 與那嶺恵理盤石の5連覇


第1ウェーブ終盤の15番目にスタートした福田咲絵(慶應義塾大学)が好走を見せ、41分46秒03をマークして暫定トップに立つ。第2ウェーブがスタートしても福田のペースを上回る者が出ない中、最後にスタートした與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)は、1分前にスタートした唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)を1周目に抜き、さらに2周目の残り1km付近で2分前にスタートした梶原悠未(筑波大学)を抜いてフィニッシュ。福田を1分以上上回る40分38秒のタイムを出して圧倒した。

「コンディション的には問題ありませんでしたが、今年はタイムトライアルが初めてで、TTバイクも初めてだったので、自分でもどれくらいパワーが出るか楽しみに走りました。ロードもあるので、安全マージンを持って、踏めるところは踏んで、コーナリングなどは安全に行きました。ロードも同じコースなので、簡単ではないですが、楽しく出来ると思います。距離はいつもより長めとは言ってもヨーロッパなどでは普通に走っている距離なので、体力的なものは自分の中では問題ありません」
その他カテゴリー




男子エリート 結果(13kmx3周=39km)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 56分5秒53 |
2位 | 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) | +11秒64 |
3位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | +13秒81 |
4位 | 小石祐馬(チーム右京) | +1分2秒13 |
5位 | 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) | +1分2秒16 |
6位 | 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) | +1分2秒79 |
7位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | +1分04秒99 |
8位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) | +1分51秒31 |
9位 | 小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | +2分07秒84 |
10位 | 徳田優(チームブリヂストンサイクリング) | +2分22秒12 |
女子エリート+U23 結果(13kmx2周=26km)
1位 | 與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ) | 40分38秒97 |
2位 | 福田咲絵(慶應義塾大学) | +1分7秒06 |
3位 | 上野みなみ(Ciel Bleu鹿屋) | +1分26秒13 |
4位 | 梶原悠未(筑波大学) | +2分5秒05 |
5位 | 牧瀬翼(IKEUCHI EXIT) | +2分5秒86 |
6位 | 唐見実世子(弱虫ペダルレーシングチーム) | 2分24秒28 |
7位 | 石上夢乃(鹿屋体育大学) | +3分49秒26 |
8位 | 古山稀絵(日本体育大学) | +4分36秒99 |
9位 | 中井彩子(U.V.C.A. Troyes) | +4分45秒41 |
10位 | 伊藤杏奈(Live GARDEN Bici Stelle) | +4分47秒49 |
男子U23 結果(13kmx2周=26km)
1位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 37分09秒80 |
2位 | 石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー) | +1分9秒47 |
3位 | 大町健斗(Team Eurasia - IRC TIRE) | +1分22秒39 |
4位 | 大前翔(愛三工業レーシングチーム) | +1分54秒40 |
5位 | 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング) | +2分1秒54 |
6位 | 宮崎泰史(津末レーシング) | +2分17秒60 |
7位 | 山本哲央(中央大学) | +2分21秒48 |
8位 | 小野寛斗(早稲田大学) | +2分24秒33 |
9位 | 蠣崎優仁(EQADS) | +2分27秒42 |
10位 | 平井光介(EQADS) | +2分39秒26 |
男子ジュニア(13kmx1周=13km)
1位 | 山田拓海(飯田風越高校) | 18分22秒58 |
2位 | 津田悠義(三好高校) | +6秒70 |
3位 | 留目夕陽(八王子桑志高校) | +38秒88 |
4位 | 川野碧己(慶應義塾高校) | +45秒93 |
5位 | 岡本勝哉(北桑田高校) | +46秒60 |
女子ジュニア+U17(13kmx1周=13km)
1位 | 岩元杏奈(日本体育大学) | 21分26秒04 |
2位 | 渡部春雅(駒沢大学高等学校) | +26秒73 |
3位 | 石田唯(北桑田高校) | +31秒75 |
男子U17+U15(13kmx1周=13km)
1位 | 篠原輝利(ボンシャンス) | 19分20秒76 |
2位 | 渡辺耶斗(Team FITTE) | +3秒2 |
3位 | 塩野淳平(VENTOS FRECCIA) | +28秒78 |
4位 | 安井悠真(北桑田高校) | +41秒00 |
5位 | 石田眞大(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | +47秒82 |
text: Satoru Kato, Yuichiro Hosoda
photo:Makoto AYANO, Satoru Kato
photo:Makoto AYANO, Satoru Kato
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