2回目の休息日前日に熱を帯びた総合争い。逃げ切りを果たしたダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)や、「価値があるのは勝利だけであり、2位や3位、4位や5位では満足できない」と鮮烈なアタックを決めたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、マリアローザのリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)らのコメントを紹介します。



ステージ優勝:ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)

ステージ初優勝を飾ったダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)ステージ初優勝を飾ったダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
未だにステージ優勝が信じられない。今朝の段階ではこんな展開になるとは考えることもできなかった。不調に陥り一昨日と昨日の山岳ステージで大いに苦しんだので、今日は逃げに乗るかどうかも考えていなかった。でもいざレースが始まると脚がよく回って、マッティア(カッタネオ)のアタックに反応するとそれが決まったんだ。ジロのステージ初優勝は夢のよう。ずっと夢見続けた勝利をようやく手にすることができた。

どれぐらいのタイムを失っても大丈夫かを考えながら最後のチヴィリオを登っていた。下りきった時点でタイム差が30秒まで縮まり、さらにマッティアが協力しなくなったので焦ったけど、スプリントに向けて息を整えながらも踏み続けた。スプリントでは勝機があると思っていたし、相手の脚質も分かっていた。だから先行して、そのまま全開でスプリントしたんだ。

ステージ3位:サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

3級山岳チヴィリオで先行するサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)ら3級山岳チヴィリオで先行するサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)ら photo:LaPresse
日に日にコンディションは良くなってきているけれど、失うものは何も無かった。ロングスパートを仕掛けてタイムを稼げればOKだし、もし捕まったとしても総合で大きく遅れているので何も問題はない。だからトライしてみようと思ったんだ。今日は長距離ステージで二人逃げ。コンディションも良かったし、チームメイトたちは今日も素晴らしい働きをしてくれた。山に入る時、誰も追走を掛けたくない状態で、グランツール初出場のルーカス(ハミルトン)たちが牽引してくれた。

マリアローザ:リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)

マリアローザを守って安堵の表情を浮かべるリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)マリアローザを守って安堵の表情を浮かべるリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) photo:Kei Tsuji
危険な下りを含むナーバスなフィナーレになることを予想していたので、ヴィンチェンツォ・ニバリの動きには常に警戒していた。登りと下りで攻めた彼に反応することで良い展開に持ち込むことができたよ。ただし下りではあまり攻めすぎないように、クラッシュを避けて走った。平坦に入ってからブリッジに成功して、ログリッチェからタイムを奪うことに成功した。

ニバリは非常に強く、第3週目の最大のライバルになる。僕と彼の一騎打ちになるかもしれないね。美しい勝負をしたいし、ファンを沸かせたい。まだまだヴェローナは遠く、3週目にライバルたちは容赦無くアタックを仕掛けてくるだろう。でもこのマリアローザを手放したくない。このまま総合優勝を果たしたいと思っている。

ステージ6位:ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

積極的な走りで会場を沸かせたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)積極的な走りで会場を沸かせたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji
非常にリズムが速く、タフな一週間を過ごしたライバルたちが疲れていることを知っていた。彼らの表情を読んでアタックした。この辺りの道は良く知っていたし、誰もがチヴィリオの登りがタフだと分かっている。何かを得るチャンスがあると分かっていたんだ。カラパスも調子が良いし、共にログリッチェに対してタイムを稼ぐことができた。いつでも挑戦しなければならない。今日はステージ後にアルベルト・コンタドールと会う機会があった。現役時代の彼から多くを学び、今それが活かされているんだ。価値があるのは勝利だけであり、2位や3位、4位や5位では満足できない。最後まで戦い続けたい。

総合2位:プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

頬から流血したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)がチームバスに向かう頬から流血したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)がチームバスに向かう photo:Kei Tsuji
確かに良い1日では無かったが、最悪なシナリオは避けられた。結局のところ今日はバッドラックが重なった。シヴィリオの登り前でチームメイトとバイク交換を行い、違和感のある状態で下りに入ったことが良くなかった。今日のニバリとカラパスは非常に強く、チヴィリオ頂上ではあまり遅れていなかったもののリスクを取りすぎた。ヴェローナまではまだまだ遠く、どんな展開も起こりうる。調子自体は非常に良い。まずは休息日を楽しみつつ、次の展開を見極めていきたい。

ステージ8位:ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

短い登りに苦しめられた初めての1日。ここ数日間フルガス状態で走っていたので余計にタフだったが、それでもタイムを失わないように戦い続けた。総合4位をキープできたのはチームとして走ることができたからだ。とにかくダヴィデ(フォルモロ)が強く、決定的な登りの頂上で僕を待ち、その後全力で引き戻すべく牽いてくれた。追いつくことはできなかったけれど、結果的には満足できている。

text:So.Isobe