悲願の勝利を挙げたチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)やマリアローザを得たヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 、アタックしたロペス、ランダ。ジロ最初の山岳ステージの模様を選手たちの言葉で振り返ります。



ステージ優勝:チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)

チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)RCS
自分のような(アシスト役が多い)選手にとってこの勝利の意味は大きく、様々な感情が溢れ出てきている。1999年に初めてジロ・デ・イタリアのスタートヴィレッジを訪れてからずっと待ち続けた勝利だ。最後の登りで先頭(ブランビッラとカペッキ)から遅れたけど、彼らは牽制してペースが落ちるだろうと思っていた。そして下り区間で挽回して先頭に合流。長めのスプリントになったけど、最後まで踏み切る力が残っていた。ジュニア時代のレースの教訓で、早めに勝利を確信してはいけないと肝に免じていたので、フィニッシュラインを切るまで踏み続けたよ。

ステージ2位:ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)

スプリントを制したチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)スプリントを制したチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
わずかな差で勝利を逃してしまった。ジロが終わるまでにもう一度チャンスを狙って挽回したい。チームカーからはアタックして他の選手と協調しろと伝えられていた。勝利に届かずただただ申し訳ない。ただし個人的には全力を尽くしたし、満足はしている。最後は脚が攣りかけていたのであれ以上踏むことはできなかった。同じイタリア人で、アシストとして素晴らしい走りを見せるベネデッティの勝利にも嬉しく思う。勝利に値する人間なんだ。

ステージ3位:エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス)

落ち込んでいるよ。逃げグループの中で最も強いメンバーの一人だと感じていたんだ。瞬発力では敵わないけれど、確実に強い内の一人だった。最後はブランビッラとカペッキと共に賭けに出た。彼らは二人ともイタリア人なので、絶対勝利が欲しかったはず。そこに賭けたんだ。でも最後は後ろから来た二人に捕まってしまった。これが僕らの自転車レースだし、ここから学ばなければならない。

最後の登りではフィーリングがそこまで良くなくて、どのギアを踏もうか心配していた。最後はデカいギアを踏んだもの勝ち。ベネデッティとカルーゾは僕よりも経験と持久力があったはず。だけど僕はここからがスタートさ。

ステージ4位、マリアアッズーラのジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)

マリアアッズーラを手にしたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)マリアアッズーラを手にしたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:LaPresse
山岳で抜け出しを試みた。速いペースで登りつつ、他の選手を振り落とす脚を残そうとしていたんだ。4人に絞り込めたものの、最終的には8人に増えてしまった。最後の石畳登坂でカードを切らねばならず、麓から全開で踏み続けたんだ。エロス(カペッキ)と抜け出して上手く協調できなかったものの、ジロのステージ優勝寸前だった。最後はスプリントのタイミングが早すぎたけれど、後ろも迫って来ているので踏み続ける他無かった。残念だがコンディションが上向きなのは良いこと。皆「今日がジロの本当のスタートだ」と言っているよ。そんな"ジロ開幕"であの走りができたのだから満足さ。

マリアローザ:ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

コンティからマリアローザを譲り受けたヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)コンティからマリアローザを譲り受けたヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:LaPresse
グランツールに出場する選手なら誰しも総合リーダージャージに袖を通す日を夢見ている。ヴェローナまでマリアローザを守るのは難しいけど、少なくとも明日はマリアローザを守りたい。今日の逃げの疲労からいかに回復できるかにかかっている。明日からジロの総合争いはさらに激しくなっていくだろう。

ログリッチェから28秒を奪ったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

アタックは作戦通り。コンディションもすごく良くて、チームもアタックのお膳立てをしてくれた。けれど残り5kmの登りの麓でパンクしてしまったのは間違いなくバッドラックだった。チームメイトたちは全力を尽くして僕を引き上げてくれて、勝負が始まる前までに戻ることができたんだ。登りではランダとペースを合わせて登ることができた。その後力を貸してくれたボアロとカタルドには最大限の感謝をしたい。

メイン集団を引き離すミケル・ランダ(スペイン、モビスター)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)メイン集団を引き離すミケル・ランダ(スペイン、モビスター)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
ロペスと共にアタックしたミケル・ランダ(スペイン、モビスター)

とてもハッピーだ。大会最初の難関山岳で自分の登坂力を確かめることもできた。大きくはないもののタイムを稼ぐことができたし、脚の具合を知るのにも素晴らしい展開だったと思う。登りの中盤戦ではスピードが落ちてきたので、アドバンテージを稼ぐために自らアタックした。逃げグループにズッタリンが加わっていたことも大きな助けとなった。絶対的に強いログリッチェや、確実に脚があってジロを良く知るニバリが相手なので、絶えず攻撃していかないといけない。リードを奪い、ファンを沸かせる走りを見せたい。

プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

ライバルたちとともにフィニッシュするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)らライバルたちとともにフィニッシュするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)ら photo:CorVos
自分にとってもチームにとっても良い1日となった。数日間静かな展開が続いていたので、こういう山岳レースが必要だった。ジロはまだまだ長く、まだまだタフなステージが待っている。チームは今日もまた素晴らしい働きをしてくれた。これからのステージが楽しみだ。

初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

スーパーチームの表彰でステージに上がった初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)スーパーチームの表彰でステージに上がった初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
1級山岳で形成されたグルペットに入ってフィニッシュを目指しました。もう少し軽いギアがあったほうがよかったかも知れませんが、全力を出すような登りでもなかったので、グルペット内で走る分には大丈夫でした。今日は登りが一つしかありませんでしたが、問題は明日と明後日ですね。

text:So.Isobe

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