「ようやく逃げの仲間ができてよかった。1人での逃げよりも2人だと短く感じた」と語るのは、今大会2度目の逃げを打った初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)。念願のステージ優勝を収めたアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)らの言葉で休息日開けの1日を振り返ります。



ステージ優勝:アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)

ステージ初優勝を飾ったアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)ステージ初優勝を飾ったアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:Kei Tsuji
とてもナーバスで、ハイスピードなスプリントになることは分かっていた。落車に巻き込まれないように、チームメイトに言って常に集団前方10〜15番手をキープ。彼らの走りはただただ素晴らしかったよ。ラモン(シンケルダム)とジャコポ(グアルニエーリ)がフィニッシュ手前で素晴らしい働きをしてくれたんだ。今日のような減速するコーナーがないフルスピードのスプリントは自分向き。開幕からずっと狙い続けてきたステージ優勝をようやく果たすことができた。

ステージ2位:エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)

ユアンの後輪に飛びついてから道の真ん中でスプリントを開始。しかしそれでもデマールは強く、最後までその勢いをキープし続けた。水曜日はもう一度スプリントのチャンスがあるので、今度こそ勝利を狙いたい。

カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)と別ラインでアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が伸びるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)と別ラインでアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が伸びる photo:Kei Tsuji
ステージ3位:リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

今日はあまりツキがなかった。残り50km地点からポジション争いをこなし、そのままスプリント争いに突入。シュワルツマンとパスカルと共に右側ラインからポジションを上げる中、残り1kmの右コーナーがあまりにもタイトで、ブレーキをかけざるを得なかった。後ろで落車音が聞こえ、振り返るとパスカルが転んでいるのが見えたんだ。そのまま走り続けるべきか、止まるべきか判断がつかなったよ。結果的にスプリント勝負に加わったけれど、デマールやヴィヴィアーニが相手では分が悪すぎた。パスカルはすごく調子が良かったので両手放しで結果を喜ぶことはできない。いらいらするけれど、落車はつきものだ。

落車したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

負傷しながらフィニッシュにやってきたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)負傷しながらフィニッシュにやってきたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
休息日で上手く回復できたので調子が良かったんだ。その分今日はポーカーフェイスで走り、他のスプリンターチームにプレッシャーをかけようとした。残り5kmで集団先頭に上がり、残り1km地点(の落車)では全てが速い展開の中だったので、実際何が起きたのかわからなかった。反応することすらできなかった。ヘビー級の落車で擦過傷と打撲を負ったけれど、幸いこれからも走ることができる。調子を見極めつつ、タフなグランツールをこなしていきたい。

逃げた初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ

フィニッシュ後にインタビューを受ける初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)フィニッシュ後にインタビューを受ける初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
集団の前方でスタートして、バルディアーニの選手がアタックしたので反応してついて行きました。ようやく逃げの仲間ができてよかった。前半は風が強かったので、1人ではなく2人逃げだったので助かりました。1人での逃げよりも2人だと短く感じた。チームの指示通りに走れたことには満足しています。明日のステージは休めると思うので、また明後日以降頑張りたいです。

マリアローザのヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

マリアローザを守ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)マリアローザを守ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsuji
極めて簡単なステージゆえにスプリンターチームがコントロールを担当したので、僕もチームメイトも無駄な力を使わずに済んだ。チームとしてはコンソンニをスプリントに送り込んだものの、残念ながら落車に巻き込まれてしまった。幸い大きな怪我もなかったので良かった。

最終盤にアタックしたフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、CCCチーム)

チームメイトが後半15kmをほぼ牽き続ける完璧な位置取りをしてくれたので、終盤アタックするには最高のポジションにつけていたんだ。残り5kmあたりでは誰もが最終盤のランドアバウトやコーナーに向けて位置取り争いを繰り広げた。僕もチームメイトを後ろに従えて先頭に上がったところ、僕は道の左側を一人で走っていることに気づいた。ロットは右側後方につけていて、わずかな差が付いていたんだ。そこで何かトライしてみようと決めてアタック。全力で最終コーナーまでたどり着き、その後はフィニッシュまで逃げ切りたい一心で踏み続けた。全力を出し切ることができたので満足しているよ。

text:So.Isobe