マヴィックより今春発売された、ダウンヒル/エンデューロ向けMTBホイール「Deemax Pro」のサム・ヒル限定モデルをインプレッション。国内トップMTBライダーの井手川直樹と永田隼也が試しました。



マヴィック Deemax Pro Sam Hill Limited Editionマヴィック Deemax Pro Sam Hill Limited Edition (c)マヴィック
今春、トップMTBレーサーであるサム・ヒルを称える限定モデルとして登場した「Deemax Pro Sam Hill Limited Edition」。マヴィックのダウンヒル/エンデューロ向けMTBホイール「Deemax Pro」にスペシャルグラフィックをあしらったモデルだ。サム・ヒル自身がデザインを考案しており、彼のキャラクターを表現したスカルやグラフィカルな模様が描かれた個性溢れるホイールに仕上がっている。

サム・ヒルといえばダウンヒル種目で5度の世界選手権優勝、EWS(エンデューロワールドシリーズ)での幾多の勝利を飾っているMTB界のレジェンド。岩場を含む険しいオフロードのコースを何度も最速で駆け抜け観客を魅了してきた。マヴィックホイールを長年愛用しているサム・ヒルが、実際にレースで使用するほど信頼を寄せるのがDeemax Proである。

ISM 4Dにより軽量でありながら激しいライディングに耐える強度を実現ISM 4Dにより軽量でありながら激しいライディングに耐える強度を実現 (c)マヴィックリアは24本のスポークをイソパルス組で組み上げるリアは24本のスポークをイソパルス組で組み上げる (c)マヴィック

マットブラックのアルミニウムハブ、ブースト規格に対応しているマットブラックのアルミニウムハブ、ブースト規格に対応している (c)マヴィックフロントホイールは2クロス組で組み上げるフロントホイールは2クロス組で組み上げる (c)マヴィック


プロライダーからのフィードバックを落とし込み、エンデューロやダウンヒルでのレースモデルとして生み出されたDeemax Pro。優れた剛性と軽量性、激しいコースを走破する高い耐久性をバランスした高性能なレーシングホイールだ。エンデューロ用途のワイドタイヤに最適化された内幅28mmのアルミリムは、マヴィックの誇る切削技術「ISM 4D」テクノロジーによって強度を保ったまま軽量化も追求している。

フリーハブはパワー伝達性に優れるインスタントドライブ360。スポークには強靭かつ軽量なアルミ製のジクラルスポークを24本使用する。リアホイールはドライブ側をクロス、反ドライブ側をラジアルで組んだマヴィックお馴染みのイソパルスだ。タイヤシステムは優れたトラクションとコントロールをもたらすUSTチューブレス。ハブ幅は前後共にBOOST規格に対応している。

サム・ヒルにちなんだスカルなどのグラフィックをあしらった限定モデルだサム・ヒルにちなんだスカルなどのグラフィックをあしらった限定モデルだ (c)マヴィック
サム・ヒル限定モデルのDeemax Proは、数量限定で好評発売中。もちろんノーマルモデルのDeemax Proもラインアップしている。価格は16万円(税抜)だ。今回マヴィックの国内サポートチームである「KONA RACING TEAM」から、井手川直樹と永田隼也の2選手よりインプレッションコメントをいただいた。



― インプレッション

井手川直樹(KONA RACING TEAM)コメント:ホイール径27.5インチ

通常のDeemax Proの特徴でもあるイエローのハブから、サム・ヒルモデルではマットブラックのハブへと変更されている。合わせてブラックのリムにはカラベラ(スカル)などのインパクトあるデザインが全体に描かれており、この個性あふれるホイールは一目で特別仕様だと言うことが伝わってくる。この時点で何故か速く走れそうな気持ちになってしまうほど、走る前からテンションが上がってしまった。

「見た目のワイルドさとは異なり、乗り心地は気持ち良く性能も素晴らしい」井手川直樹(KONA RACING TEAM)「見た目のワイルドさとは異なり、乗り心地は気持ち良く性能も素晴らしい」井手川直樹(KONA RACING TEAM)
走り出してすぐに分かったのは、リアホイールのID 360フリーハブが素早くペダリングのパワーを伝達し、とにかく転がり抵抗が少なく良く進むと感じた。高速でハードな路面を走行してみても、剛性が非常に高く安定感に驚かされた。ただ、弾かれるような硬さと言うわけではなく、ほど良いしなりがあり振動吸収性も高く地面への追従がアップしている。

ISM 4Dテクノロジーにより強度を犠牲にすることなく軽量化したリムにより、スイッチバックのような連続したコーナーでの切り返しでは、バイクが軽くなったと感じるほど軽快に走れてしまい驚いた。軽快に走れることで疲労感をなくし、リズム良く走れれば自然とライドが楽しくなる。

見た目のワイルドさとは異なり、乗り心地は気持ち良く性能も素晴らしい。まるで戦闘機にファーストクラスのシートが取り付けられたような印象です。

井手川直樹オフィシャルHP

永田隼也(KONA RACING TEAM)コメント:ホイール径29インチ

見た目から分かる迫力あるスポークと重厚感のあるマットカラーなリム、そこにサム・ヒルの特長でもあるタトゥー柄が尊重されており、カッコいい以外の言葉がハマらないホイールです。

「ホイール剛性とスムースな転がりを両立したモデル、マヴィックは信頼性も抜群」永田隼也(KONA RACING TEAM)「ホイール剛性とスムースな転がりを両立したモデル、マヴィックは信頼性も抜群」永田隼也(KONA RACING TEAM)
はじめて乗った瞬間から分かるホイールの剛性感。29erならではの「ヨレる」感覚が無くコーナーへの進入に対しても全力で入り込む事ができます。またこの剛性から生まれる前進力はレースではもちろん、普段のトレイルライドでもライダーへ偉大なパワーをもたらしてくれます。パワーアップしたID 360フリーハブでペダリングのトラクションの良さも最高です。個人的にはハブの音に高級感があり、乗るたびに気分が高まっています(笑)。

今季EWSの開幕戦@ニュージーランドへ参戦してきましたが、現場でのマヴィックの使用率の高さやトップチームへの厚いサポート体制は絶大なプロダクトへの信頼度があってこそだと思います。現在世界レベルのエンデューロコースは下りが非常に過酷なコース設定になっており、国内のダウンヒルコース以上の難易度があります。その中でリエゾンもロングレイアウトになってきており、ホイール剛性が必要と同時に漕ぎの転がりもスムースでなくてはなりません。

そんな両方の性能を兼ね備えているのがDeemax Proではないでしょうか。トラブルが起きては完走すらできません。そんな極限の状態でも信頼できるプロダクトだからこそ世界中でこのホイールが愛されているのだと思います。

永田隼也インスタグラム

マヴィック Deemax Pro Sam Hill Limited Edition
タイヤタイプ:USTチューブレス&チューブタイプ
リム:アルミ合金Maxtal、内幅28mm
スポーク:ジクラルスポーク、24本
ハブ:アルミニウムボディ、インスタントドライブ360
ホイールサイズ:27.5 / 29(いずれもBOOST対応)
推奨タイヤサイズ:46mm~64mm(1.8"~2.5")
価格:セット160,000円(税抜)、フロント75,000円(税抜)、リア85,000円(税抜)

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