雨と晴れを繰り返す気まぐれな天気とトスカーナ州らしい起伏を越えて、100名強の大集団スプリントに持ち込まれたジロ・デ・イタリア第2ステージ。トップスプリンター勢揃いの第1ラウンドで、ドイツチャンピオンのパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利を飾った。


マリアローザのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)らが最前列に並ぶマリアローザのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)らが最前列に並ぶ photo:Kei Tsuji
5月12日(日)第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205km ☆☆☆5月12日(日)第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205km ☆☆☆ photo:RCS Sport5月12日(日)第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205km ☆☆☆5月12日(日)第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205km ☆☆☆ photo:RCS Sport

ジロは足早にエミリア=ロマーニャ州を離れてお隣のトスカーナ州へ。前半にアペニン山脈の標高774mラ・セッラ峠(カテゴリー無し)を越えるが、スプリンターが脱落するような登りではない。注目は、トスカーナ州らしい丘陵地のアップダウン。残り55kmを切ってから3級山岳モンタルバーノ(距離5.8km/平均6.8%)と4級山岳サンバロント(距離10.6km/平均2.9%)を越えて、ちょうどフィレンツェとピサの中間に位置するフチェッキオでフィナーレを迎える。

前夜から降り続いた雨はスタート時間になっても降り止まず、分厚いレインジャケットを着込んだ選手たちが気温12度ほどのボローニャ・マッジョーレ広場にやってきた。立ち込める分厚い雲から常に雨粒が落ちる生憎の天候。前日にタイムオーバー扱いとなった西村大輝(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)を欠く175名が、マリアローザのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)らを先頭にスタートした。

雨の第2ステージのスタート地点にやってきた初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)雨の第2ステージのスタート地点にやってきた初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
ヘルメットやバーテープまで色を揃えたマリアローザのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)ヘルメットやバーテープまで色を揃えたマリアローザのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:Kei Tsuji
雨のボローニャをスタートしていく選手たち雨のボローニャをスタートしていく選手たち photo:CorVos
ボローニャ街中のニュートラル区間を経て、12時25分、0km地点を通過して正式スタートのフラッグが振られるとアタック開始。スタートから2kmと走らずに早速8名の逃げが決まる。第1ステージの戦略的な走りで獲得したマリアアッズーラを手放すまいと、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がチームメイトのウィリアム・クラーク(オーストラリア)とともに逃げに乗った。

逃げグループを形成した8名
ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)1分28秒遅れ&山岳賞1位
ショーン・ベネット(アメリカ、EFエデュケーションファースト)1分40秒遅れ
フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)1分55秒遅れ
マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)
ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCチーム)
ダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)

雨降りのボローニャから徐々に高度を上げ、アペニン山脈を越えてトスカーナ州に入ると天候は回復。4分30秒で推移したタイム差をコントロールしたのは、マリアローザチームのユンボ・ヴィズマと、スプリント狙いのドゥクーニンク・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、UAEチームエミレーツ、ロット・スーダル。選手たちは着込んでいたレインジャケットや分厚いグローブを補給ポイントでスタッフに渡し、身軽な状態でステージ後半のアップダウン区間に差し掛かった。

チッコーネのために逃げグループを牽引するウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)チッコーネのために逃げグループを牽引するウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
晴れ間の覗くトスカーナ州に入る逃げグループ晴れ間の覗くトスカーナ州に入る逃げグループ photo:Kei Tsuji
スプリンターチームがメイン集団をリードスプリンターチームがメイン集団をリード photo:Kei Tsuji
3級山岳モンタルバーノを先頭で登るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)3級山岳モンタルバーノを先頭で登るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
3級山岳モンタルバーノでメイン集団から脱落した初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)3級山岳モンタルバーノでメイン集団から脱落した初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
勾配のある3級山岳モンタルバーノで先頭はチッコーネ、オウシアン、ビダール、フラッポルティの4名に絞られ、中間スプリントを先頭通過したチーマらは脱落する。最も鋭い登坂力を見せたチッコーネが3級山岳を先頭通過したその2分後方では、サンウェブやバーレーン・メリダがメイン集団のペースを作る。

続く4級山岳サンバロントでも状況は変わらず、逃げグループ内のスプリント争いの末にチッコーネが先頭通過。この日合計12ポイントを獲得したチッコーネが狙い通りマリアアッズーラのリードを広げることに成功している。

再び降り始めた雨によってアップダウン区間の一部は雨に濡れたが、レースに大きな影響を及ぼすような落車は起こらず。強い北風に押されるように先頭4名が逃げ続けたものの、残り20km地点で1分あったタイム差はスプリンターチームの集団牽引によって縮小。バーレーン・メリダやサンウェブの追い風ペースアップでメイン集団が割れるシーンも見られたが、再び一つに戻った100名強のメイン集団が残り7kmで逃げグループを飲み込んだ。

各スプリンターチームがトレインを形成しながら集団先頭で競り合いながら、残り4kmから続く街中のテクニカルコーナーを駆け抜ける。残り1kmアーチを通過し、最も良い形でスプリントに持ち込んだのはロット・スーダル。最終コーナーでのオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)の落車の影響で中切れが起こる集団先頭で、ロジャー・クルーゲ(ドイツ)とトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー)から先頭を引き継いだジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル)が最後のリードアウトを見せた。

デブイストに発射される形で、およそ残り200mでカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がスプリントを開始。ライバルたちよりもずっと頭の位置が低い独特のエアロポジションのユアンが先頭に立ち、その後ろから大柄なパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が追い上げる。アッカーマンの加速に反応したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)もここに加わり、フィニッシュ手前で三者が横並びに。

ユアンとドイツチャンピオンのアッカーマン、イタリアチャンピオンのヴィヴィアーニの三つ巴スプリントは、最終ストレートのど真ん中をもがき続けたアッカーマンに軍配。残り1kmを平均スピード64.1km/h、トップスピード72km/hオーバーの高速バトルをドイツチャンピオンが制した。

カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)にパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが並ぶカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)にパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが並ぶ photo:Kei Tsuji
カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が横並びにカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が横並びに photo:Kei Tsuji
大会最初の集団スプリントを制したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)大会最初の集団スプリントを制したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
25歳のアッカーマンが初出場のグランツールでステージ初優勝。2018年にツール・ド・ポローニュでステージ2勝、ツール・ド・ロマンディでステージ1勝、クリテリウム・デュ・ドーフィネでステージ1勝、そしてライドロンドン・サリークラシック優勝という成績を残しているアッカーマン。直前のエッシュボルン・フランクフルトに続く勝利で今シーズン4勝目。2018年にステージ3勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド)に代わる若いエーススプリンターが早速結果を残した。

大会最初のスプリントでベテラン勢を下したアッカーマンは「グランツールでのステージ初優勝に言葉が出てこない。昨年スプリンターとしてステップアップして、多くの勝利を残すことができた。今年、ボーラ・ハンスグローエは勝利の波に乗っている。プロ選手として大きなレースで勝ちたいという夢をこうして叶えることができている自分は幸せ者。ステージ優勝という最初の目標を達成した今、残る3週間がますます楽しみになった」とコメント。表彰台では、ドイツチャンピオンジャージの上にマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)を重ねた。

中切れによってステージ14位とステージ15位の間に5秒のタイム差が生まれたものの、総合上位陣は揃ってステージ15位以下でフィニッシュしたため総合タイムに変動はない。マリアローザ初日を安全に終えたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)は「気温も低く、雨降りで、しかもずっとペースが速かったので決してイージーなステージではなかった。どこまでこのマリアローザを守りきれるかはわからないけど、チームとして今の状況を楽しむことができている」と語っている。

最初の3級山岳モンタルバーノでペースが上がったメイン集団から脱落した初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、チームメイトのジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア)らとともに12分59秒遅れのグループ内でフィニッシュ。終盤にかけて落車も頻発した難易度3つ星ステージを169位で終えている。

グランツール初勝利を飾ったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)グランツール初勝利を飾ったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
どこまでマリアローザを着続けるかに注目が集まるどこまでマリアローザを着続けるかに注目が集まる photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2019第2ステージ結果
1位パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)4:44:43
2位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
4位フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
5位アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
6位ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー)
7位ビアチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
8位ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル)
9位クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー)
10位リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
169位初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)0:12:59
マリアローザ 個人総合成績
1位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)4:57:42
2位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)0:00:19
3位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)0:00:23
4位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)0:00:28
5位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
6位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)0:00:33
7位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)0:00:35
8位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)0:00:39
9位ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)0:00:40
10位ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)0:00:42
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)25pts
2位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)18pts
3位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)15pts
マリアアッズーラ 山岳賞
1位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)21pts
2位フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)6pts
3位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)4pts
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)4:58:10
2位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)0:00:07
3位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)0:00:19
チーム総合成績
1位ユンボ・ヴィズマ0:40:23
2位バーレーン・メリダ0:00:15
3位アスタナ0:00:28
text&photo:Kei Tsuji in Fucecchio, Italy
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