2019/03/30(土) - 17:10
オランダから新進気鋭のホイールブランドがやってきた。「NO EXCUSE」をモットーに掲げるスコープサイクリングはハイパフォーマンスかつリーズナブルな価格を両立する注目ブランドだ。そのラインアップを紹介しよう。
自転車大国オランダに拠点を置くスコープサイクリングが日本へ初上陸する。情熱的なサイクリストである創設メンバーたちが、自分たちの求める理想のホイールを実現しようと立ち上げたニューブランドだ。
同社の大きな特徴が、リムとハブがオリジナルであるということ。多くのホイールブランドが、オリジナルのリムを既存のスポークやハブと組み合わせることで完組ホイールとして市場へ送り出しているのに対し、理想の製品のために妥協することなく開発リソースを注いでいる。
スコープサイクリングのこだわりが最も多く詰まっているのが、ホイールの心臓部ともいえるハブだ。世界最大規模の総合機械メーカーSKF(スウェーデン)と共同開発し、自転車へと最適化したオリジナルベアリングが高い回転性能の礎となる。
ベアリングはハブの外側の限界となる位置へと配置されており、捻じれ方向の力をしっかり受け止める横剛性を獲得した。エンドキャップ形状も工夫されており、外部からの水分や塵の浸入を防ぐラビリンス構造となるよう設計されている。
さらに、スコープサイクリングはホイールの横剛性へ対して支配的に影響するハブフランジ幅へと注目した。独自に開発したハブボディはフランジ間の距離を最大限に広げる設計となり、ホイール全体としても高い捻じれ剛性を実現している。
特に駆動効率に大きく影響するリアハブのフランジ間距離は61mmにまで拡大されている。一般的に見て60mmを超えるフランジ幅を持つリアハブは稀で、55mmを超えればワイドフランジハブといえる中で、この数字は特筆すべきだろう。
スコープホイールの横剛性は47~52Nm/mmとなっており、ライバルブランドたちが40Nm/mm前後という数値に対しても、優位なテスト結果を残している。リアのワイドフランジ化によって大きくなる左右のスポークテンションの差については、ノンドライブサイドのスポーク本数をドライブサイドの半分とすることで是正を図っている。
一方、リムはオランダの名門工科大学であるアイントホーフェン大学やデルフト大学の研究機関と共同でデザインされている。徹底した応力解析と空力分析を繰り返すことで、軽量かつエアロダイナミクスに優れたリムデザインを実現した。強度が必要となるニップル周辺部分は厚めの積層に、それ以外の部分に関しては無駄を削ぎ落とすことで、徹底した軽量化と強度のバランスを図っている。
リムブレーキにおいて重要となるブレーキトラックの耐熱性能についても、抜かりはない。スコープ独自のレジンを開発し、特別な製法との組み合わせによって280℃にまで達するブレーキ熱をものともしない耐熱性能を獲得している。
空力に関しても、CFD解析と風洞実験を重ねることで非常に優れたパフォーマンスを発揮する。リム外幅26mmのU字型のリムプロファイルはタイヤとの完全なマッチングを実現し、乱流の発生を最小限とした。1年以上にわたる開発の末に生み出されたリムは、名の知れたライバルブランドたちに対しても、勝るとも劣らない実験結果を残しているという。エアロダイナミクスや重量、剛性といった性能について、スコープが行ったテスト結果はスコープサイクリングオフィシャルページにて公開されているので、興味のある方は一読あれ。
さて、そんなスコープサイクリングのホイールは4モデルが展開される。ロード用としては、30mm/45mm/55mmとリムハイト別に用意されたR3/R4/R5という3種のカーボンホイール、そしてMTB/グラベル用のO2というワイドリムモデルの4種類。それぞれにリム/ディスクブレーキ(O2はディスクのみ)、ホワイト/ブラックのロゴカラーが用意されている。全てチューブレスレディとなり、チューブラーモデルのラインアップは無い。
もっともリムハイトの低いR3は、山岳コースに対応するラインアップ最軽量モデル。リムブレーキ仕様で1,440g、ディスクブレーキ仕様で1,477gという重量で登坂を軽々とこなしつつ、必要十分な空力特性を兼ね備えるクライミングモデルに仕上がっている。
45mmハイトのR4はあらゆる局面で活躍するオールラウンダー。リムブレーキモデルで1,520g、ディスクブレーキモデルで1,557gとミドルハイトモデルに匹敵する軽量性を持ちながら、更に優れたエアロダイナミクスを持ち、普段のトレーニングからレースまでカバーするハイパフォーマンスホイールだ。
55mmとラインアップ中最もディープなリムハイトを持つR5は、エアロダイナミクスを主眼に置いたスピードマンのための一本。とはいえ、リムブレーキモデルで1,595g、ディスクブレーキモデルで1,632gという重量に収まり、鋭い加速性能と高い巡航性能を併せ持っている。
オフロードモデルとなるO2は、グラベルおよびXCバイク向けのホイールセット。23mmのリムハイト、リム外幅31mmというワイドリムによってオフロードタイヤと最高のマッチングを実現しつつ、1,380gという重量、2:1スポーキングとオフセットリムによる優れた剛性によってあらゆる地形での走破性を兼ね備えたモデルとなっている。
これら4つのモデル全てが180,000円(+64,000円でセラミックスピードベアリングへアップグレード可)と戦略的な価格設定となっている。リーズナブルで高性能なカーボンホイールを探している方にとって、魅力的な選択肢となりそうだ。
スコープ R3
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:30mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,440g(リムブレーキ)、1,477g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ R4
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:45mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,520g(リムブレーキ)、1,557g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ R5
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:55mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,595g(リムブレーキ)、1,632g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ O2
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:23mm オフセット3mm
リム外径:31mm
リム内径:25mm
セット重量:1,380g(ブースト)1,360g(ノンブースト)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム LASER
価格:180‚000円(税別)
自転車大国オランダに拠点を置くスコープサイクリングが日本へ初上陸する。情熱的なサイクリストである創設メンバーたちが、自分たちの求める理想のホイールを実現しようと立ち上げたニューブランドだ。
同社の大きな特徴が、リムとハブがオリジナルであるということ。多くのホイールブランドが、オリジナルのリムを既存のスポークやハブと組み合わせることで完組ホイールとして市場へ送り出しているのに対し、理想の製品のために妥協することなく開発リソースを注いでいる。
スコープサイクリングのこだわりが最も多く詰まっているのが、ホイールの心臓部ともいえるハブだ。世界最大規模の総合機械メーカーSKF(スウェーデン)と共同開発し、自転車へと最適化したオリジナルベアリングが高い回転性能の礎となる。
ベアリングはハブの外側の限界となる位置へと配置されており、捻じれ方向の力をしっかり受け止める横剛性を獲得した。エンドキャップ形状も工夫されており、外部からの水分や塵の浸入を防ぐラビリンス構造となるよう設計されている。
さらに、スコープサイクリングはホイールの横剛性へ対して支配的に影響するハブフランジ幅へと注目した。独自に開発したハブボディはフランジ間の距離を最大限に広げる設計となり、ホイール全体としても高い捻じれ剛性を実現している。
特に駆動効率に大きく影響するリアハブのフランジ間距離は61mmにまで拡大されている。一般的に見て60mmを超えるフランジ幅を持つリアハブは稀で、55mmを超えればワイドフランジハブといえる中で、この数字は特筆すべきだろう。
スコープホイールの横剛性は47~52Nm/mmとなっており、ライバルブランドたちが40Nm/mm前後という数値に対しても、優位なテスト結果を残している。リアのワイドフランジ化によって大きくなる左右のスポークテンションの差については、ノンドライブサイドのスポーク本数をドライブサイドの半分とすることで是正を図っている。
一方、リムはオランダの名門工科大学であるアイントホーフェン大学やデルフト大学の研究機関と共同でデザインされている。徹底した応力解析と空力分析を繰り返すことで、軽量かつエアロダイナミクスに優れたリムデザインを実現した。強度が必要となるニップル周辺部分は厚めの積層に、それ以外の部分に関しては無駄を削ぎ落とすことで、徹底した軽量化と強度のバランスを図っている。
リムブレーキにおいて重要となるブレーキトラックの耐熱性能についても、抜かりはない。スコープ独自のレジンを開発し、特別な製法との組み合わせによって280℃にまで達するブレーキ熱をものともしない耐熱性能を獲得している。
空力に関しても、CFD解析と風洞実験を重ねることで非常に優れたパフォーマンスを発揮する。リム外幅26mmのU字型のリムプロファイルはタイヤとの完全なマッチングを実現し、乱流の発生を最小限とした。1年以上にわたる開発の末に生み出されたリムは、名の知れたライバルブランドたちに対しても、勝るとも劣らない実験結果を残しているという。エアロダイナミクスや重量、剛性といった性能について、スコープが行ったテスト結果はスコープサイクリングオフィシャルページにて公開されているので、興味のある方は一読あれ。
さて、そんなスコープサイクリングのホイールは4モデルが展開される。ロード用としては、30mm/45mm/55mmとリムハイト別に用意されたR3/R4/R5という3種のカーボンホイール、そしてMTB/グラベル用のO2というワイドリムモデルの4種類。それぞれにリム/ディスクブレーキ(O2はディスクのみ)、ホワイト/ブラックのロゴカラーが用意されている。全てチューブレスレディとなり、チューブラーモデルのラインアップは無い。
もっともリムハイトの低いR3は、山岳コースに対応するラインアップ最軽量モデル。リムブレーキ仕様で1,440g、ディスクブレーキ仕様で1,477gという重量で登坂を軽々とこなしつつ、必要十分な空力特性を兼ね備えるクライミングモデルに仕上がっている。
45mmハイトのR4はあらゆる局面で活躍するオールラウンダー。リムブレーキモデルで1,520g、ディスクブレーキモデルで1,557gとミドルハイトモデルに匹敵する軽量性を持ちながら、更に優れたエアロダイナミクスを持ち、普段のトレーニングからレースまでカバーするハイパフォーマンスホイールだ。
55mmとラインアップ中最もディープなリムハイトを持つR5は、エアロダイナミクスを主眼に置いたスピードマンのための一本。とはいえ、リムブレーキモデルで1,595g、ディスクブレーキモデルで1,632gという重量に収まり、鋭い加速性能と高い巡航性能を併せ持っている。
オフロードモデルとなるO2は、グラベルおよびXCバイク向けのホイールセット。23mmのリムハイト、リム外幅31mmというワイドリムによってオフロードタイヤと最高のマッチングを実現しつつ、1,380gという重量、2:1スポーキングとオフセットリムによる優れた剛性によってあらゆる地形での走破性を兼ね備えたモデルとなっている。
これら4つのモデル全てが180,000円(+64,000円でセラミックスピードベアリングへアップグレード可)と戦略的な価格設定となっている。リーズナブルで高性能なカーボンホイールを探している方にとって、魅力的な選択肢となりそうだ。
スコープ R3
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:30mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,440g(リムブレーキ)、1,477g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ R4
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:45mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,520g(リムブレーキ)、1,557g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ R5
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:55mm
リム外幅:26mm
リム内幅:19mm
セット重量:1,595g(リムブレーキ)、1,632g(ディスクブレーキ)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム CX-RAY(リムブレーキ)、サピム SPRINT(ディスク)
価格:180‚000円(税別)
スコープ O2
タイヤ方式:チューブレスレディ
カラー:ブラック、ホワイト
リムハイト:23mm オフセット3mm
リム外径:31mm
リム内径:25mm
セット重量:1,380g(ブースト)1,360g(ノンブースト)
ハブ:スコープオリジナル
スポーク:サピム LASER
価格:180‚000円(税別)
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