ポルトガル南部でヴォルタ・アン・アルガルヴェ (UCI2.HC)が開催され、ネオプロのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合優勝。5日間レースの模様をダイジェストでレポートします。
温暖なポルトガル南部を舞台に開催されたヴォルタ・アン・アルガルヴェ (c)CorVos
第1ステージ ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が初日の集団ゴールで勝利 (c)CorVos
ブエルタ・ア・アンダルシアと時を同じくして、ポルトガル南部のアルガルヴェ地方で開催されたステージレースがヴォルタ・アン・アルガルヴェ (UCI2.HC)だ。5日間の日程には20kmの個人タイムトライアルや、2つの頂上フィニッシュが含まれ、多くのトップ選手たちが本格シーズンイン前のコンディションを確認した。
12のUCIワールドチームからはエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)やワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)など総合勢参加し、昨年のラヴニール覇者で機体のネオプロ、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)も参戦。アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といったスプリンターや、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)やゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)などクラシックハンターなど多彩なメンバーが顔を揃えた。
第2ステージ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が頂上フィニッシュを制す (c)CorVos
第3ステージ 登りを含む個人TTで優勝したシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) (c)CorVos
開幕ステージの集団スプリントを制したのはファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)。翌日の1級山岳アルト・ダ・フォイア(登坂距離7km/平均勾配6.1%)に至る第2ステージでは、ネオプロのポガチャルが、共に1級山岳頂上にたどり着いたマスやプールス、サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)、アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム)をスプリントで下してプロ初勝利をマーク。ポガチャルはプールスに1秒差、マスに3秒差で総合首位に躍進した。
BMCレーシングからグルパマFDJに移籍したシュテファン・キュング(スイス)が唯一の個人TTステージとなった3日目にステージ優勝を飾り、この日ポガチャルはTT巧者キュングから17秒遅れのステージ5位にまとめて総合リード拡大に成功。翌第4ステージの集団スプリントはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が今季2勝目を飾り、アップダウンが多数含まれた最終ステージに総合優勝争いが委ねられた。
第4ステージ ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が今期2勝目 (c)CorVos
第5ステージ フィニッシュを目指すセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)とゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
第5ステージ 独走で山頂フィニッシュを制したゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
第5ステージ リードを削りながらも総合優勝を決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)とチームメイトが喜ぶ (c)CorVos
山岳地帯を縫うように駆け巡り、ステージ中盤から3級、3級、1級、3級と続き、最後は1級山岳アルト・ド・マルハオ(距離2.8km/平均勾配8.8%)にフィニッシュする最終日には、パンチャーと総合有力勢によるアタック合戦が勃発。最後から2つ目の3級山岳では、個人TTでステージ2位に入り、ポガチャルから29秒遅れの総合2位につけていたセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)がアタックしたことでその口火が切られた。すると終盤にスティバルとクラーウアナスンが抜け出し、スティバルがステージ優勝。クラーウアナスンが2位となりプールス、マスら総合上位陣が次々とトップ5フィニッシュしたが、ポガチャルも18秒遅れのステージ6位に食い込み、リードを切り崩しながらも総合首位を守りきった。
ラヴニール覇者という肩書きでデビューし、いきなりセンセーショナルなプロ初勝利/初総合優勝を飾った20歳のポガチャルは「目標が叶ったし、プロキャリアのこんな序盤に勝てるなんて信じられないよ。序盤こそ総合成績のことは全く考えていなかったし、初日には落車もしてしまった。けれど翌日は集団先頭から離れないよう注意したらステージ優勝が舞い込み、そして総合優勝へのきっかけが生まれたんだ。自分でも驚く結果だ」と、勝利を喜んでいる。
プロキャリア初の総合優勝を挙げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos


ブエルタ・ア・アンダルシアと時を同じくして、ポルトガル南部のアルガルヴェ地方で開催されたステージレースがヴォルタ・アン・アルガルヴェ (UCI2.HC)だ。5日間の日程には20kmの個人タイムトライアルや、2つの頂上フィニッシュが含まれ、多くのトップ選手たちが本格シーズンイン前のコンディションを確認した。
12のUCIワールドチームからはエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)やワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)など総合勢参加し、昨年のラヴニール覇者で機体のネオプロ、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)も参戦。アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といったスプリンターや、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)やゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)などクラシックハンターなど多彩なメンバーが顔を揃えた。


開幕ステージの集団スプリントを制したのはファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)。翌日の1級山岳アルト・ダ・フォイア(登坂距離7km/平均勾配6.1%)に至る第2ステージでは、ネオプロのポガチャルが、共に1級山岳頂上にたどり着いたマスやプールス、サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)、アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム)をスプリントで下してプロ初勝利をマーク。ポガチャルはプールスに1秒差、マスに3秒差で総合首位に躍進した。
BMCレーシングからグルパマFDJに移籍したシュテファン・キュング(スイス)が唯一の個人TTステージとなった3日目にステージ優勝を飾り、この日ポガチャルはTT巧者キュングから17秒遅れのステージ5位にまとめて総合リード拡大に成功。翌第4ステージの集団スプリントはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が今季2勝目を飾り、アップダウンが多数含まれた最終ステージに総合優勝争いが委ねられた。





山岳地帯を縫うように駆け巡り、ステージ中盤から3級、3級、1級、3級と続き、最後は1級山岳アルト・ド・マルハオ(距離2.8km/平均勾配8.8%)にフィニッシュする最終日には、パンチャーと総合有力勢によるアタック合戦が勃発。最後から2つ目の3級山岳では、個人TTでステージ2位に入り、ポガチャルから29秒遅れの総合2位につけていたセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)がアタックしたことでその口火が切られた。すると終盤にスティバルとクラーウアナスンが抜け出し、スティバルがステージ優勝。クラーウアナスンが2位となりプールス、マスら総合上位陣が次々とトップ5フィニッシュしたが、ポガチャルも18秒遅れのステージ6位に食い込み、リードを切り崩しながらも総合首位を守りきった。
ラヴニール覇者という肩書きでデビューし、いきなりセンセーショナルなプロ初勝利/初総合優勝を飾った20歳のポガチャルは「目標が叶ったし、プロキャリアのこんな序盤に勝てるなんて信じられないよ。序盤こそ総合成績のことは全く考えていなかったし、初日には落車もしてしまった。けれど翌日は集団先頭から離れないよう注意したらステージ優勝が舞い込み、そして総合優勝へのきっかけが生まれたんだ。自分でも驚く結果だ」と、勝利を喜んでいる。

2月20日(水) 第1ステージ ポルティマン〜ラゴス(199.1km)
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4h52'59" |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル) |
2月21日(木) 第2ステージ アルモドバル〜フォーイア(187.4km)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 4h58'25" |
2位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | +01" |
3位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +03" |
4位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | +05" |
5位 | アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) | +07" |
2月22日(金) 第3ステージ ラゴア〜ラゴア(20.3km)
1位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 24'33" |
2位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | +02" |
3位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +05" |
4位 | ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) | +08" |
5位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +17" |
2月23日(土) 第4ステージ アルブフェイラ〜タヴィラ(198.3km)
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 4h56'07" |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
2月24日(日) 第5ステージ ファロ〜マルハオ(173.5km)
1位 | ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4h13'48" |
2位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | +03" |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | +09" |
4位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +12" |
5位 | スティーヴン・カミングス(イギリス、ディメンションデータ) | +17" |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 19h26'34" |
2位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | +14" |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | +21" |
4位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +25" |
5位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | +1'40" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp