アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)の勢いが止まらない。KOMクライヤト(全長2.8km/平均6.5%)の山頂フィニッシュが設定されたツアー・オブ・オマーン第3ステージで怒涛の2連勝を飾り、大会連覇に向けて総合リーダージャージを獲得した。
白壁の町並みを抜ける photo:CorVos
ツアー・オブ・オマーン2019第3ステージ photo:A.S.O.ツアー・オブ・オマーン第3ステージは首都マスカットのシャティアルコルムをスタート。内陸の山岳地帯を貫く幹線道路を走り、後半にかけてKOMクライヤト(全長2.8km/平均6.5%)を2回登る。ステージ全長は192.5kmで獲得標高差は2,000m。最後は標高250mのKOMクライヤトの頂上にフィニッシュラインが引かれている。
敢闘賞ジャージを着るプレベン・ファンヘッケ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)がこの日のファーストアタッカー。ここにジュリアン・デュヴァル(フランス、アージェードゥーゼール)やニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー)ら9名が追いつき、10名という大きな逃げグループが出来上がった。
オマーン湾を横目にスタートが切られる photo:CorVos
1回目のKOMクライヤトでペースを上げるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:CorVos
1回目のKOMクライヤトを登る新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
新城幸也を含むバーレーン・メリダ勢がドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)のためにメイン集団を牽引したため、最大6分30秒まで広がったタイム差は縮小に転じる。ステージ後半のアップダウンが始まると、エシュロンを生み出す横風区間と1回目のKOMクライヤトでメイン集団は縮小。リーダージャージのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)も遅れたが、残り35km地点で集団は再び一つに戻った。
粘り強く逃げ続けていたファンヘッケらは残り12km地点で吸収。メイン集団はUAEチームエミレーツやアスタナ、CCCチームを先頭に、危険な横風で人数を減らしながら最後のKOMクライヤトに突入する。ディメンションデータが刻むハイペースに、残り2km地点でクリストフは脱落した。
フィニッシュまで400mを残して仕掛けたのは、前日と同様、カザフスタンチャンピオンジャージのルツェンコだった。ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)の3名の追い上げも届かず、パワフルなアタックを成功させたルツェンコが再び先頭でフィニッシュラインを切った。
山頂フィニッシュを制したアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:CorVos
ステージ2連勝を飾り、総合リーダージャージを手にしたルツェンコは「まず最初にチームメイトたちに感謝したい。エシュロンが形成された時も、最後の登りに向けてのポジション取りの際も、彼らは完璧な走りで僕を守ってくれた。ラスト50kmは本当に混沌としていたけど、すごく調子は良かったし、再び勝つことができて感激している」とコメントする。ルツェンコはKOMクライヤトを平均29.3km/hという猛烈なスピードで駆け上がった。登坂時間は5分47秒で平均出力は473W。アタックを仕掛けたラスト400mに絞ると、登坂時間51秒/平均出力658Wだった。
アスタナは2月10日バレンシアナ総合優勝(Iイサギレ)、2月15日ムルシア第1ステージ優勝(サンチェス)、2月16日ムルシア第2ステージ優勝&総合優勝(サンチェス)、2月17日プロヴァンス優勝(Gイサギレ)、2月17日ツアーコロンビア総合優勝(ロペス)、2月17日オマーン第2ステージ優勝(ルツェンコ)、そして2月18日オマーン第3ステージ優勝(ルツェンコ)。直近の9日間だけで8勝を飾っている。ドゥクーニンク・クイックステップやミッチェルトン・スコットと並ぶシーズン勝利数だ。ちなみに2018年は2月18日の時点でアスタナはシーズン2勝だった。「こんな短時間で勝利を量産できて誇らしい気分。このまま総合優勝に突き進みたいけど、この先に待つのはそんな簡単なステージではない」とルツェンコは語る。
「1回目のKOMクライヤト登坂の時点で誰もがルツェンコのペースに苦しんでいた。そして2回目の登坂で彼は飛ぶように加速したんだ」と語るのはステージ3位&総合3位のファンアーフェルマート。「今はとにかくクラシックシーズンに向けて乗り込んでいる状態であり、最後の5分間全開走行を含めて、強度の高いトレーニングとして捉えている。横風区間でエシュロンが形成された時もチームは4名を残せていたし、チームメイトの調子の良さを確認できて良かった」。
第4ステージは後半にKOMアルジャバルを3回越えるアップダウンコース。再びクリストフに代表される『登れるスプリンター』に出番が回ってくる。
リーダージャージに袖を通したアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:CorVos


敢闘賞ジャージを着るプレベン・ファンヘッケ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)がこの日のファーストアタッカー。ここにジュリアン・デュヴァル(フランス、アージェードゥーゼール)やニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー)ら9名が追いつき、10名という大きな逃げグループが出来上がった。



新城幸也を含むバーレーン・メリダ勢がドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)のためにメイン集団を牽引したため、最大6分30秒まで広がったタイム差は縮小に転じる。ステージ後半のアップダウンが始まると、エシュロンを生み出す横風区間と1回目のKOMクライヤトでメイン集団は縮小。リーダージャージのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)も遅れたが、残り35km地点で集団は再び一つに戻った。
粘り強く逃げ続けていたファンヘッケらは残り12km地点で吸収。メイン集団はUAEチームエミレーツやアスタナ、CCCチームを先頭に、危険な横風で人数を減らしながら最後のKOMクライヤトに突入する。ディメンションデータが刻むハイペースに、残り2km地点でクリストフは脱落した。
フィニッシュまで400mを残して仕掛けたのは、前日と同様、カザフスタンチャンピオンジャージのルツェンコだった。ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)の3名の追い上げも届かず、パワフルなアタックを成功させたルツェンコが再び先頭でフィニッシュラインを切った。

ステージ2連勝を飾り、総合リーダージャージを手にしたルツェンコは「まず最初にチームメイトたちに感謝したい。エシュロンが形成された時も、最後の登りに向けてのポジション取りの際も、彼らは完璧な走りで僕を守ってくれた。ラスト50kmは本当に混沌としていたけど、すごく調子は良かったし、再び勝つことができて感激している」とコメントする。ルツェンコはKOMクライヤトを平均29.3km/hという猛烈なスピードで駆け上がった。登坂時間は5分47秒で平均出力は473W。アタックを仕掛けたラスト400mに絞ると、登坂時間51秒/平均出力658Wだった。
アスタナは2月10日バレンシアナ総合優勝(Iイサギレ)、2月15日ムルシア第1ステージ優勝(サンチェス)、2月16日ムルシア第2ステージ優勝&総合優勝(サンチェス)、2月17日プロヴァンス優勝(Gイサギレ)、2月17日ツアーコロンビア総合優勝(ロペス)、2月17日オマーン第2ステージ優勝(ルツェンコ)、そして2月18日オマーン第3ステージ優勝(ルツェンコ)。直近の9日間だけで8勝を飾っている。ドゥクーニンク・クイックステップやミッチェルトン・スコットと並ぶシーズン勝利数だ。ちなみに2018年は2月18日の時点でアスタナはシーズン2勝だった。「こんな短時間で勝利を量産できて誇らしい気分。このまま総合優勝に突き進みたいけど、この先に待つのはそんな簡単なステージではない」とルツェンコは語る。
「1回目のKOMクライヤト登坂の時点で誰もがルツェンコのペースに苦しんでいた。そして2回目の登坂で彼は飛ぶように加速したんだ」と語るのはステージ3位&総合3位のファンアーフェルマート。「今はとにかくクラシックシーズンに向けて乗り込んでいる状態であり、最後の5分間全開走行を含めて、強度の高いトレーニングとして捉えている。横風区間でエシュロンが形成された時もチームは4名を残せていたし、チームメイトの調子の良さを確認できて良かった」。
第4ステージは後半にKOMアルジャバルを3回越えるアップダウンコース。再びクリストフに代表される『登れるスプリンター』に出番が回ってくる。

ツアー・オブ・オマーン2019第3ステージ結果
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 4:35:48 |
2位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:00:01 |
3位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | |
4位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:04 |
6位 | エリオ・リエター(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) | 0:00:06 |
7位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | 0:00:11 |
8位 | カンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | |
9位 | エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック) | |
10位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
102位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 0:15:49 |
個人総合成績
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 11:37:37 |
2位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:00:18 |
3位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | 0:00:20 |
4位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:00:24 |
5位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:27 |
6位 | エリオ・リエター(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) | 0:00:29 |
7位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | 0:00:30 |
8位 | エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック) | 0:00:34 |
9位 | カンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) |
ポイント賞
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 30pts |
2位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 27pts |
3位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | 11:38:07 |
2位 | エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック) | 0:00:04 |
3位 | ステフ・クラス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:10 |
チーム総合成績
1位 | ディメンションデータ | 10:56:21 |
2位 | カチューシャ・アルペシン | 0:00:08 |
3位 | アージェードゥーゼール | 0:00:51 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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