2月16日、新城幸也(バーレーン・メリダ)が出場するツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)が開幕。追い風によってトップスピードが80km/hを超える大集団スプリントでアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が今季1勝目を飾った。
新城幸也も出場したバーレーン・メリダ photo:CorVos
ツアー・オブ・オマーン2019第1ステージ photo:A.S.O.2017年にツアー・オブ・カタールが中止されたことで、ツール・ド・フランス主催者A.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が手がける唯一の中東レースとなったUCIクラス超級のツアー・オブ・オマーン。カタールが砂漠のレースであるのに対し、オマーンは山のレースだ。第10回大会にもKOMグリーンマウンテン(全長5.7km/平均10.5%)山頂フィニッシュが5日目に設定されている。
オマーン湾の海岸線と平行して走る大会初日の138.5kmコースはほぼ真っ平ら。スタートラインに並んだのはアスタナ、CCCチーム、バーレーン・メリダ、UAEチームエミレーツ、カチューシャ・アルペシン、アージェードゥーゼール、ディメンションデータという7つのUCIワールドチームを含む18チームで、新城幸也(バーレーン・メリダ)は1月のダウンアンダーに続く今シーズン2戦目を迎えた。
最高気温25度、最低気温20度という温暖なコンディションの中、ニュートラル区間を終えてアクチュアルスタートの旗が振られると同時にこの日の逃げが生まれる。2010年大会から毎年出場しているミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム)がUCIプロコンチーム所属選手3名とともにエスケープ。概ねずっと追い風が吹く平坦コースをハイスピードで逃げた。
総合優勝候補の一角グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) photo:CorVos
ニュートラル区間を走る126名の選手たち photo:CorVos
最大4分30秒まで広がったタイム差をスプリンターチーム率いるメイン集団が追いかける典型的な平坦ステージの展開に。メイン集団の牽引を担ったのはUAEチームエミレーツとヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ、アルケア・サムシックだった。逃げグループ内ではスプリントポイントでポイントを連取したシェアーが敢闘賞を獲得している。
ディレクトエネルジーも牽引に加わったメイン集団は逃げグループを捉え、スピードを上げてフィニッシュへ。優勝候補の一角アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)は残り5km地点のパンクで戦線を離脱してしまう。グライペルは集団に復帰したものの、ステージ22位に入るのがやっとだった。
追い風が吹く最終ストレートでUAEチームエミレーツとヴィタルコンセプト、アスタナ、ディレクトエネルジーがリードアウトバトル。混沌とした状態の中からニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー)が真っ先に加速を開始したものの、ハイケイデンスでクリストフが先頭へ。その後ろからナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)とブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)が追い上げたが、クリストフが先頭を守りきった。
追い風吹く最終ストレートで先頭に立つアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
高速スプリントを制したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
リーダージャージを手にしたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
クリストフはこれがオマーンのステージ通算9勝目。出場した大会すべてで少なくともステージ1勝を飾っている。「今日はマルカートとビストラムにリードアウトされて、ずっと良いポジションで走っていた。スプリント開始のタイミングもバッチリだった。追い風が吹く、かなりハイスピードなスプリントだったので、ほとんどサドルから腰を上げずにもがき続けた。パワーというよりケイデンスの速さが勝敗を分けた」と、今シーズン初勝利とリーダージャージ着用の権利を得たクリストフは語る。
参考までに、ステージ全体の平均スピードは47.53km/hで、ステージ2位に入ったコカールのスプリント中の最高スピードは80.8km/h。最終コーナーを抜けてからフィニッシュラインまでの1.3kmを平均72.4km/hという猛烈なスピードで駆け抜けている。コカールのスプリントは最大1,033W。ギアは回りきっており、最高ケイデンス134rpmだった。
翌日の第2ステージはフィニッシュの5km手前にKOMアルジサー(全長1.4km/平均9%)の登りが設定された丘陵コース。登りで絞られた小集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。


オマーン湾の海岸線と平行して走る大会初日の138.5kmコースはほぼ真っ平ら。スタートラインに並んだのはアスタナ、CCCチーム、バーレーン・メリダ、UAEチームエミレーツ、カチューシャ・アルペシン、アージェードゥーゼール、ディメンションデータという7つのUCIワールドチームを含む18チームで、新城幸也(バーレーン・メリダ)は1月のダウンアンダーに続く今シーズン2戦目を迎えた。
最高気温25度、最低気温20度という温暖なコンディションの中、ニュートラル区間を終えてアクチュアルスタートの旗が振られると同時にこの日の逃げが生まれる。2010年大会から毎年出場しているミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム)がUCIプロコンチーム所属選手3名とともにエスケープ。概ねずっと追い風が吹く平坦コースをハイスピードで逃げた。


最大4分30秒まで広がったタイム差をスプリンターチーム率いるメイン集団が追いかける典型的な平坦ステージの展開に。メイン集団の牽引を担ったのはUAEチームエミレーツとヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ、アルケア・サムシックだった。逃げグループ内ではスプリントポイントでポイントを連取したシェアーが敢闘賞を獲得している。
ディレクトエネルジーも牽引に加わったメイン集団は逃げグループを捉え、スピードを上げてフィニッシュへ。優勝候補の一角アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)は残り5km地点のパンクで戦線を離脱してしまう。グライペルは集団に復帰したものの、ステージ22位に入るのがやっとだった。
追い風が吹く最終ストレートでUAEチームエミレーツとヴィタルコンセプト、アスタナ、ディレクトエネルジーがリードアウトバトル。混沌とした状態の中からニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー)が真っ先に加速を開始したものの、ハイケイデンスでクリストフが先頭へ。その後ろからナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)とブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)が追い上げたが、クリストフが先頭を守りきった。



クリストフはこれがオマーンのステージ通算9勝目。出場した大会すべてで少なくともステージ1勝を飾っている。「今日はマルカートとビストラムにリードアウトされて、ずっと良いポジションで走っていた。スプリント開始のタイミングもバッチリだった。追い風が吹く、かなりハイスピードなスプリントだったので、ほとんどサドルから腰を上げずにもがき続けた。パワーというよりケイデンスの速さが勝敗を分けた」と、今シーズン初勝利とリーダージャージ着用の権利を得たクリストフは語る。
参考までに、ステージ全体の平均スピードは47.53km/hで、ステージ2位に入ったコカールのスプリント中の最高スピードは80.8km/h。最終コーナーを抜けてからフィニッシュラインまでの1.3kmを平均72.4km/hという猛烈なスピードで駆け抜けている。コカールのスプリントは最大1,033W。ギアは回りきっており、最高ケイデンス134rpmだった。
翌日の第2ステージはフィニッシュの5km手前にKOMアルジサー(全長1.4km/平均9%)の登りが設定された丘陵コース。登りで絞られた小集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。
ツアー・オブ・オマーン2019第1ステージ
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 2:54:50 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | |
3位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
4位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ) | |
5位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー) | |
6位 | ミケル・アリスティ(スペイン、エウスカディバスクカントリー) | |
7位 | ボーイ・ファンポッペル(オランダ、ルームポット・シャルル) | |
8位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | |
9位 | アモリー・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン) | |
10位 | エミルス・リアピンシュ(ラトビア、ワロニー・ブリュッセル) | |
48位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 2:54:40 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | 0:00:04 |
3位 | ミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム) | 0:00:15 |
4位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | 0:00:06 |
5位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ) | 0:00:10 |
6位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー) | |
7位 | ミケル・アリスティ(スペイン、エウスカディバスクカントリー) | |
8位 | ボーイ・ファンポッペル(オランダ、ルームポット・シャルル) | |
9位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | |
10位 | アモリー・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン) |
ポイント賞
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 15pts |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | 12pts |
3位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | 9pts |
ヤングライダー賞
1位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | 2:54:50 |
2位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
3位 | ピエールアンドレ・コテ(カナダ、ラリーUHCサイクリング) |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 8:44:30 |
2位 | UAEチームエミレーツ | |
3位 | ディメンションデータ |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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