カメルーンで開催されたUCIネイションズカップU23ツール・ド・レスポワール。松田祥位が2度のステージ入賞を果たし、総合7位と大健闘。UCIネイションズポイントを獲得し、ツール・ド・ラヴニール出場に向けて好スタートを切った。


カメルーンで開催されたツール・ド・レスポワールにU23日本代表チームが出場カメルーンで開催されたツール・ド・レスポワールにU23日本代表チームが出場 (c)JCF
国別で争うU23のシリーズ戦「UCIネイションズカップU23」。今年は全7戦が予定されており、プロチームとの契約を掴みたい世界中の若手選手がしのぎを削るU23世界最高峰のシリーズ戦である。最終戦となるツール・ド・ラヴニールはU23版のツール・ド・フランスと言われる価値ある大会だ。

2019年のシリーズ開幕戦はカメルーンで開催されたツール・ド・レスポワール。2月4日から9日までの全5ステージで行われ、日本代表として松田祥位(エカーズ)、渡邉歩(エカーズ/コート・ドゥ・リュミレー)、蠣崎優仁(エカーズ)、石原悠希(順天堂大学/インタープロサイクリングアカデミー)、大前翔(慶応義塾大学/愛三工業レーシングチーム)、冨尾大地(シエルブルー鹿屋)が派遣された。ここからは浅田監督のレポートを紹介しよう。


第1ステージ:チームタイムトライアル(18.8km)

第1ステージ、チームタイムトライアルのスタートを切るU23日本代表チーム第1ステージ、チームタイムトライアルのスタートを切るU23日本代表チーム Photo: Kåre Dehlie Thorstad/CIS/Vivendi Sports
2019年のU23ネイションズカップ初戦はカメルーンでの開催。U23ナショナルチームとしては初めてのアフリカ上陸となった。初日は緩いアップダウンコースでのチームタイムトライアルで、チームは個人総合成績トップ10を目標とする過程で、今日は5位以内をステージ目標としてスタートした。

猛烈なスコールの後、気温33℃、湿度90%の気象状況の中、ペース作りに苦戦した末、トップから48秒遅れの5位でステージを終えた。猛暑の中全力で追い込むアフリカ勢の意気込みが印象的だった。チームはすでに暑さと食事に苦戦気味だが、明日からは個人総合上昇に向けて体調を整えて行きたい。

カメルーンの街を進むU23日本代表チームカメルーンの街を進むU23日本代表チーム Photo: Kåre Dehlie Thorstad/CIS/Vivendi Sports

第2ステージ:9.1kmの周回を10周するサーキットステージ(101.2km)

第2ステージのチームプレゼンテーションで紹介されるU23日本代表チーム第2ステージのチームプレゼンテーションで紹介されるU23日本代表チーム (c)JCF
チームタイムトライアルでも使われた9.1kmの周回コースを10周するサーキットステージ。チームは個人総合成績で上位に送る大前と松田をトップと0秒差でゴールさせる事を目標とし、オプションとして、集団スプリントになった場合は大前でステージ上位を狙う作戦でスタートした。

レースは気温35度の中、アフリカ勢のアタックがペースで繰り返され、中盤から11名が先行しチームからは石原が参加する。しかし、石原はパンクによりメイングループに吸収され、日本チームは先頭グループに参加していない他国と共に集団のペースを作りゴールを目指した。

先行グループはゴール前1kmで吸収され大集団スプリントの態勢となるが、危険回避の混戦の中、大前の牽引役だった松田が展開上そのまま3位になだれ込む結果となった。チームはステージ成績により貴重なネイションズカップポイントを獲得した。

スタートを待つ選手達スタートを待つ選手達 (c)JCF集団スプリントで3位に入った松田祥位集団スプリントで3位に入った松田祥位 (c)JCF


明日は重要な山岳ステージとなる。日本チームは個人総合上位10位以内を目標にジャンプアップを図る。エリトリア、チュニジアらアフリカ勢の調子の良さと南米勢の山岳での存在、さらには状態の良いポルトガルの存在を考えると決して容易な状況ではない。

第3ステージ:1400mを登る山岳ステージ(66.8km)

第3ステージ9位でフィニッシュした松田祥位第3ステージ9位でフィニッシュした松田祥位 (c)JCF
距離は短いながら10km登る標高1400mの峠を含む山岳ステージ。チームは大前と松田の上位ゴールを目標にスタートした。序盤の平坦区間ではチームも連携し良い状態で登りに入り、登り始めるとエリトリアとエクアドルらのペースアップが始まった。

松田はマイペースながら2つ目の小グループで粘りステージ9位でゴール。結果個人総合10位に着けた。大前は前日から体調を崩し力を出すことができず個人総合成績で得点圏内からは脱落した。レースは回復日を挟んで残り2ステージで決着するが、気候と食事に注意を払いチーム一丸となって目標を達成したい。

厳しい山岳ステージを終えたU23日本代表チーム厳しい山岳ステージを終えたU23日本代表チーム (c)JCF

第4ステージ:アップダウンを走る丘陵ステージ(106.9km)

第4ステージで紹介されるU23日本代表チーム第4ステージで紹介されるU23日本代表チーム (c)JCF
第4ステージは終盤まで難関が無く直線的なアップダウンが続くが、終盤は破壊力のあるアップダウンを越えゴールに向かう。チームは松田のトップ同タイムゴールと復調した大前を軸に、逃げの展開とゴールスプリントを想定してスタート。

途中何回か少人数のグループが先行するが、ゴール前になるとモナコ、ポルトガル、日本がペースアップを図り集団を一つにまとめ、ゴールへ向かう。最後のアップダウンで絞られた先頭20名に松田と大前が残り、登りゴールで松田が10位でゴール。個人総合も9位に上昇させた。明日は最終ステージで最もハードな周回コース。チームの結束を強め松田の個人総合上昇を狙いたい。

レーススタートを待つU23日本代表チームレーススタートを待つU23日本代表チーム (c)JCF車の中でレースを待つ大前翔車の中でレースを待つ大前翔 (c)JCF


第5ステージ:細かい登りが連続する周回ステージ(100.5km)

最終ステージは日本CSC5kmサーキットを悪路にしたような厳しい周回コース。チームは松田の個人総合上昇を目標にスタート。レースは序盤からアタック合戦でペースが上がり、集団も一気に40人程度に絞られた。チームからは松田と大前が残り、時折激しくなる展開に耐えながら終盤のアタックポイントを待つ。

2度のステージ3位と総合7位でレースを終えた松田祥位2度のステージ3位と総合7位でレースを終えた松田祥位 (c)JCF
中盤に単独で飛び出した昨年の同ステージ覇者のムギシャ(ルアンダ)に対し、メイングループはステージ優勝を容認。エリトリアチームを中心にコントロールされながら最終周へ入る。ラスト5kmの登りで個人総合上位のエクアドル、エチオピア、松田がグループから抜け出し、そのまま逃げ切り。松田は最終ステージを3位でゴールし個人総合も7位まで上昇させた。

今回、UCIネイションズカップポイントを15点獲得し、8月のU23版ツール・ド・フランス「ツール・ド・ラヴニール」への選出に向けて好スタートを切った。更にはUCI世界ランキングポイントも23点獲得し世界選手権U23参加枠獲得にも前進した。

個人的にもこれまで15年以上アフリカ遠征を避けてきたが、今後アフリカでの世界選手権の開催計画が進んでいる事や、ネイションズポイント獲得の為、連盟関係者に理解いただいての実現となった。体調を崩したり病気にかかるリスクがあるため、候補選手には予め親族や関係者に相談の上、出場意志を聞いての選手選出となった。

2019年シーズン好スタートを切ったU23日本代表チーム。今後の活躍が楽しみだ2019年シーズン好スタートを切ったU23日本代表チーム。今後の活躍が楽しみだ (c)JCF
11月からの諸準備にご協力いただいた関係者の皆様、また今回現地帯同いただいたスタッフ、ドクターのご理解とご協力にも深く感謝申し上げます。
第1ステージリザルト
1位エリトリア23'58"
2位アルジェリア+14s
3位ポルトガル+25s
5位日本+48s
第2ステージリザルト
1位フランシスコ・カンポス(ポルトガル)2h09'56"
2位ナンタル・テスファゾン(エリトリア)
3位松田祥位(日本)
第3ステージリザルト
1位ヤコブ・デベジー(エリトリア)1h41'37"
2位アレクシス・キンテロス(エクアドル)+5"
3位サンティアゴ・モンテネグロ(エクアドル)+36"
9位松田祥位+1'46"
第4ステージリザルト
1位ナンタル・ムブラハトン(エリトリア)2h21758"
2位フランシスコ・カンポス(ポルトガル)
3位ナートル・テスファジヨン(エリトリア)
10位松田祥位+8"
第5ステージリザルト
1位モーセ・ムギシャ(ルワンダ)1h57'29"
2位サンティアゴ・モンテネグロ(エクアドル)+2'01"
3位松田祥位+2'05"
個人総合成績
1位ヤコブ・デベジー(エリトリア)8h37m13s
2位ナンタル・ムブラハトン(エリトリア)+50s
3位サンティアゴ・モンテネグロ(エクアドル)+1’31”
7位松田祥位+2'24"
21位大前翔+10'44"
32位蠣崎優仁+20'03"
41位渡邉歩+26'08"
53位石原悠希+40'07"
report:浅田顕/JCF
photo:JCF
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