山岳コースを周回するヘラルドサンツアーのクイーンステージで、ニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)とディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)が逃げ切り。シュルツがステージを獲り、ファンバーレが総合首位に躍進した。



2日連続で逃げに乗り、アシストを務めたルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)2日連続で逃げに乗り、アシストを務めたルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ) photo:Con Chronis/Herald Sun Tour
オーストラリア南部のメルボルン近郊で開催されているジェイコ・ヘラルドサンツアーも残すところあと2日。中盤から距離3.52km/平均勾配7.5%のカテゴリー山岳「アーサーズ・シート」を含む周回コースを4周回半、5度目のKOM上に用意されたフィニッシュラインを目指すクイーンステージで、序盤からチームスカイが動いた。

イギリスチームは31秒遅れの総合5位ディラン・ファンバーレ(オランダ)と2日連続逃げのルーク・ロウ(イギリス)そしてクリスティアン・クネース(ドイツ)を送り込み、総合リーダーのマイケル・ウッズ(カナダ)擁するEFエデュケーションファースト・ドラパック、そして4秒差の総合2位につけるリッチー・ポート(オーストラリア)率いるトレック・セガフレードにプレッシャーを掛けていく。トレック・セガフレードも逃げにウィル・クラーク(オーストラリア)を乗せたものの、総合力を誇るチームスカイの前にフィニッシュまで距離を残して遅れていった。

距離を減らすにつれ勢いを失っていくメイン集団距離を減らすにつれ勢いを失っていくメイン集団 photo:Con Chronis/Herald Sun Tour逃げるニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)とディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)逃げるニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)とディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) photo:Con Chronis/Herald Sun Tour

スプリントで先着したニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)スプリントで先着したニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Con Chronis/Herald Sun Tour
「完全に出し尽くした」と言うディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)	「完全に出し尽くした」と言うディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) photo:Con Chronis/Herald Sun Tourリーダージャージを手にしたディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)	リーダージャージを手にしたディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) photo:Con Chronis/Herald Sun Tour


メイン集団ではEFエデュケーションやトレックが牽き続けたものの、アシスト役が次々と遅れたことでタイム差は1分40秒どまり。先頭ではファンバーレのためにクネースとロウがペースを刻み、ステージ優勝狙いのニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)も協力したため逃げ切りへの青信号を灯らせた。

ラスト2回目のアーサーズ・シートで先頭はシュルツとファンバーレの2名となり、最後はゴール勝負でシュルツが先着。メイン集団が2分以上遅れたためファンバーレが総合首位浮上に成功し、総合優勝に向けて王手を掛けた。

「クリスティアンとルークだけを逃げに乗せる予定だったけれど、EFエデュケーションが苦しんでいるのを見て自分も加わることにした。僕がエスケープに加わってからの彼らの働きぶりは素晴らしく、感謝してもしきれない。登りでは明らかにシュルツの方が速かったけれど、なるべく遅れないように全力を尽くしたよ」とイエロージャージを受け取ったファンバーレはチームに感謝する。昨年からチームスカイに所属している26歳の現オランダTT王者は、昨年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ中に負った骨盤骨折からの復帰戦としてオーストラリア連戦をこなしていた。

ジェイコ・ヘラルドサンツアーは翌日、メルボルン市内の公園内を駆け抜けるオールフラットのスプリントステージでフィナーレを迎える。
ジェイコ・ヘラルドサンツアー2019第4ステージ結果
1位 ニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 2h45'42"
2位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)
3位 クリス・ハーパー(オーストラリア、チームブリッジレーン) +1'45"
4位 アリスター・ドノホー(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト) +2'14"
5位 ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)
6位 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
7位 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
8位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) +2'27"
9位 ディラン・サンダーランド(オーストラリア、チームブリッジレーン) +2'39"
10位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)
個人総合成績
1位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) 11h28'42"
2位 ニック・シュルツ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +24"
3位 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1'52"
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) +2'09"
5位 クリス・ハーパー(オーストラリア、チームブリッジレーン) +2'13"
6位 ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ) +2'19"
7位 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +2'21"
8位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) +3'10"
9位 ディラン・サンダーランド(オーストラリア、チームブリッジレーン) +4'25"
10位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +4'44"
text:So.Isobe
photo:Con Chronis/Herald Sun Tour