1級山岳アルト・コロラドに上り詰めるサンフアン第5ステージでウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がステージ優勝。リーダージャージも獲得し総合優勝をほぼ手中に収めた。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)はステージ14位に沈み総合2位。



乾燥した荒野を行くプロトン乾燥した荒野を行くプロトン (c)CorVos
休息日明けのブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)第5ステージ。大会唯一とも言える本格的な山岳が連続するクイーンステージであり、サンマルティンをスタート後、3級、2級、2級と3つのカテゴリー山岳を通過して1級山岳アルト・コロラドまで駆け上がる。残る2日間はフラットコースであるため、ここでリーダージャージを獲得すれば総合優勝が近くなる。レースは序盤、30km地点で14名ほどの大きな逃げ集団が生まれた。

エスケープ内ではマティアス・カタパン(アルゼンチン、モニシィパリダッド・デ・ラウソン・ソモトドス)が山岳ポイントを14ptsを獲得。残り20km地点になるとメイン集団では登りに向けたペースアップが図られ、モビスター、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTMを中心にコントロール。逃げ集団との差も少しずつ縮まっていった。

レースの道端で彫刻を掘るレースの道端で彫刻を掘る (c)CorVos集団内では仲が良いペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)集団内では仲が良いペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos

青い空にアルゼンチンの国旗が映える青い空にアルゼンチンの国旗が映える (c)CorVos
クライマーを揃えたモビスターの積極的なペースアップから、残り13km地点でウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がアタック。ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン)が反応し、2名で先頭に追いつくと、先頭はアナコナとペレデス、そして逃げから生き残ったクリスチャン・モントーヤ(コロンビア、メデリン)の3名に。

メイン集団ではモビスターの攻撃に対して、リーダージャージを着用するジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)擁するドゥクーニンク・クイックステップがコントロールを開始。逃げグループとの差を詰めにかかる。

荒々しい岩肌がむき出しになった山間部を進んでいく荒々しい岩肌がむき出しになった山間部を進んでいく (c)CorVos
集団内で勝機を伺うウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)集団内で勝機を伺うウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)CorVosアタックを仕掛けるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)アタックを仕掛けるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos


残り2.2kmになるとメイン集団から総合リーダーのアラフィリップがアタックし、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)と弟のダイエル・キンタナ(コロンビア、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTM)が反応するも、活性化した集団に吸収される。

先頭グループは残り1km地点を3名で通過し、逃げ切りを確定させる。メデリン2名に対し単騎のアナコナは分が悪かったものの、UCIワールドチームの意地を見せ先頭フィニッシュ。リーダージャージのアラフィリップは57秒遅れでフィニッシュしたためアナコナが総合首位に立ち、総合優勝をほぼ手中に収めた。中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)はトップから3分33秒遅れの43位でゴールしている。

ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がコンチネンタルチームの2名を下し、ステージを制したウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がコンチネンタルチームの2名を下し、ステージを制した (c)CorVos
「勝利できて非常に嬉しいよ。最後にレースで勝利してからもう4年になるから、とても大事な瞬間になった。2019シーズンの目標であった勝利が早くも達成できてしまった。僕はチームメイトのために働くことでやりがいを感じてきたけど、もちろんレースで勝ちたい気持ちもあったんだ。今回はチームメイトが僕をしっかりとアシストしてくれたし、信頼して任せてくれた。彼らには感謝してもしきれないよ。」とアナコナはコメントしている。

翌第6ステージはサンフアン郊外にあるサーキット、ビクリムスピードウェイをスタートし、サンフアン郊外を経て再びビクリムスピードウェイに戻る153.5kmとなっている。スプリンター達が再びをしのぎを削ることになりそうだ。

ブエルタ・ア・サンフアン2019第5ステージ結果
1位 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) 4h25'10"
2位 ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン)
3位 クリスチャン・モントーヤ(コロンビア、メデリン)
4位 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) +32"
5位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン)
6位 エフレン・サントス(メキシコ) +45"
7位 アレハンドロ・オソリオ(コロンビア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +55"
8位 ダイエル・キンタナ(コロンビア、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTM)
9位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
10位 ジーノ・マーダー(スイス、ディメンションデータ) +57"
43位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3'33"
個人総合成績
1位 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) 16h01'08"
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +41"
3位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン) +57"
4位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +1'03"
5位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1'13"
6位 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) +1'20"
7位 ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) +1'24"
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +1'29"
9位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1'36"
10位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) +1'38"
山岳賞
1位 ダニエル・ザモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) 30pts
2位 ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) 26pts
3位 マティアス・カタパン(アルゼンチン、モニシィパリダッド・デ・ラウソン・ソモトドス) 16pts
ヤングライダー賞
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) 7h01'45"
2位 ジーノ・マーダー(スイス、ディメンションデータ) +2"
3位 アレハンドロ・オソリオ(コロンビア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +51"
チーム総合成績
1位 モビスター 48h06'23"
2位 メデリン +1'01"
3位 アグルパシオン・ビルヘンデファティマ +4'11"
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos

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