アデレード近郊が気温40度の熱波に包まれた1月15日、サントス・ツアー・ダウンアンダー第1ステージでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がスプリント勝利。昨シーズン18勝のイタリアンチャンピオンが白星スタートを切った。

スタート位置についたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)スタート位置についたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
宮島正典マッサー(チームスカイ)と新城幸也(バーレーン・メリダ)宮島正典マッサー(チームスカイ)と新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsujiスタートの準備が整ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)スタートの準備が整ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
午前11時、第1ステージがノースアデレードをスタート午前11時、第1ステージがノースアデレードをスタート photo:Kei Tsuji
第1ステージ ノースアデレード〜ポートアデレード 132.4km/1,851m第1ステージ ノースアデレード〜ポートアデレード 132.4km/1,851m photo:Santos Tour Down Under南オーストラリア州を包む熱波によってアデレードの気温は41度まで上昇。内陸のある街では47度という記録的な気温まで観測され、ブッシュファイヤー(山火事)に対する警報が発令されるほどの暑さの中、2019年のUCIワールドツアー初戦サントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕した。

あまりの暑さと予想された強風を考慮して、選手代表のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)らと協議したレース主催者はレースの短縮を決定。とはいえ、フィニッシュ手前の3.4km周回コースがカットされるという、あまり効果を感じられない変更が加えられた。レース距離は132.4kmから129kmに。獲得標高差は1,800mを超えるもののピュアスプリンター向き。近年山岳ステージの比率が上がっているダウンアンダーにおいては貴重なスプリンターのチャンスだ。

パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)、マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)、アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ)、ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)という4名がスタート直後に飛び出したものの思うようにタイム差を広げることができない。4分差まで広がったリードはロット・スーダルによるコントロールによって2分台を推移した。この日唯一のKOMでリーに先頭通過を許したザハロフは集団に戻ることを選択している。

2つのスプリントポイント(ベヴィンとストーラーが先頭通過)を終え、レースが丘陵地帯から平野部に向かうと、フィニッシュまで38kmを残して早くも逃げグループは吸収される。そこからフィニッシュ地点ポートアデレードまではほぼ真正面から強い風が吹く幹線道路。風向きの変化に警戒しながら、ほぼ全てと言っていい多くのチームが隊列を組んで道幅いっぱいに広がった。
日陰に隠れた観客に見守られ、KOMの登りをこなすメイン集団日陰に隠れた観客に見守られ、KOMの登りをこなすメイン集団 photo:Kei Tsuji
KOMでアタックするジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)KOMでアタックするジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji横に広がってKOMの登りをこなすメイン集団横に広がってKOMの登りをこなすメイン集団 photo:Kei Tsuji
ロット・スーダルがメイン集団の先頭に立つロット・スーダルがメイン集団の先頭に立つ photo:Kei Tsujiチームメイトと隊列を組む新城幸也(バーレーン・メリダ)チームメイトと隊列を組む新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji
逃げグループを率いるパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)逃げグループを率いるパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) photo:Kei Tsuji集団内に身をひそめるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)集団内に身をひそめるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
アガパンサスが咲く郊外の住宅街を抜けるアガパンサスが咲く郊外の住宅街を抜ける photo:Kei Tsuji
動きが生まれないまま残り20km、残り15km、残り10kmと距離表示だけが減りゆき、徐々にスプリントに向けてスピードアップしながら残り5km。スプリンターチームと総合系チームが入り混じる集団が向かい風の中を50km/h以上のスピードで駆け抜ける。残り2kmを切り、幹線道路の下り区間でミッチェルトン・スコットが一気にペースを上げた。

どのチームも理想的なトレインを組めないまま集団は残り1.3kmから始まる2箇所の直角コーナーを抜け、唯一リードアウト要員を残したユンボ・ヴィズマがダニー・ファンポッペル(オランダ)を発射。2日前のクリテリウムを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)ははるか後方に沈んでしまう。フィニッシュまでおよそ250mを残して、ファンポッペルの後ろから同時に加速を開始したマックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)が完全に抜け出した。

しかし向かい風で徐々にヴァルシャイドはスピードを失い、その後ろでもがくフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)とフェンスとの間をすり抜けたヴィヴィアーニが勢いよく迫る。スピード差をつけてヴァルシャイドを追い抜いたヴィヴィアーニ。同じく後方から追い上げたイタリアンスプリンターのヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)を振り切って、ヴィヴィアーニがフィニッシュラインで喜びを爆発させた。
マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)の後ろからエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が発進マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)の後ろからエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が発進 photo:Kei Tsuji
低い体勢で先頭に立つエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)低い体勢で先頭に立つエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
第1ステージを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)第1ステージを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
勝利したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が腕を振り回す勝利したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が腕を振り回す photo:Kei Tsuji
ヴィヴィアーニにとって、そしてドゥクーニンク・クイックステップにとって今シーズン初勝利。「向かい風が吹いていたので混沌としたスプリントになったけど、チームのおかげでポジションをキープして、少しタイミングを遅らせてスプリントしたんだ。結果的に正しい判断だった」。幸先の良い勝利を飾り、イタリアチャンピオンジャージの上にオークル色(赤褐色)のリーダージャージを着たヴィヴィアーニは語る。

「実は、昨シーズン1回も落車しなかった自分が日曜日に落車してしまったので、このまま悪い流れにはまってしまうんじゃないかと不安になっていた。昨シーズンの出来があまりにもよかったのでプレッシャーを感じていただけに、この勝利で少しリラックスできる。明日もスプリンター向きのステージであり、残るチャンスをしっかりとものにしたい」。ヴィヴィアーニは2003年のファビオ・サッキ以来、16年ぶりにダウンアンダーでリーダージャージを着用したイタリア人選手となった。

何名かのスプリンターがフェンスと接触する荒々しいフィナーレとなったが、スプリント中の落車選手はゼロ。新城幸也(バーレーン・メリダ)は74位で第1ステージを終えている。「最後はシーベルグが1人でポジションを守って、バウハウスをスプリントに連れて行った。だから自分はできることをしながら、逆に邪魔にならないように2人に任せました」と、チームが木陰に用意した椅子に座って一息ついた新城は語る。木陰とはいえ気温が高いため体温は下がらず、足早に10kmほど離れた宿泊ホテルまで自走で戻って行った。
40度を超える暑さに頭から水をかぶる40度を超える暑さに頭から水をかぶる photo:Kei Tsuji終盤に向けてスプリンターたちのポジション取りに尽くした新城幸也(バーレーン・メリダ)終盤に向けてスプリンターたちのポジション取りに尽くした新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji
リーダージャージを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)リーダージャージを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
ヤングライダー賞トップのマイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)ヤングライダー賞トップのマイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ) photo:Kei Tsuji山岳賞ジャージを獲得したジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)山岳賞ジャージを獲得したジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji
サントス・ツアー・ダウンアンダー2019第1ステージ結果
1位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)3:19:47
2位マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)
3位ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)
4位フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)
5位ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
6位ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
7位クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ)
8位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
9位ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
10位ダニエル・ホールゴール(ノルウェー、グルパマFDJ)
74位新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)
個人総合成績
1位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)3:19:37
2位マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)0:00:04
3位パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)0:00:05
4位マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)
5位ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)0:00:06
6位ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)0:00:08
7位フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)0:00:10
8位ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
9位ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
10位クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ)
ポイント賞
1位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)15pts
2位マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)14pts
3位ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)13pts
山岳賞
1位ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)10pts
2位アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ)6pts
3位パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)4pts
ヤングライダー賞
1位マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)3:19:42
2位ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)0:00:01
3位ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)0:00:03
チーム総合成績
1位UAEチームエミレーツ9:59:21
2位カチューシャ・アルペシン
3位CCCチーム
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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