3月25日、デンマーク・コペンハーゲンで開催されたトラック世界選手権スクラッチで、盛一大(愛三工業レーシングチーム)が果敢な逃げを見せ、見事銅メダルを獲得した。

世界選手権スクラッチで力走する盛一大世界選手権スクラッチで力走する盛一大 photo:Sonoko Tanaka3月24日から28日まで、コペンハーゲン・バレラップスーパーアリーナ250mバンクで開催されているトラック世界選手権の2日目、スクラッチ15kmで盛一大が魅せた。

盛はレース中盤にアレックス・ラスムッセン(デンマーク)と2人で逃げを成功させ、他選手をラップして終盤へ。最後はラスムッセンに先行を許し、後続のフアンエステバン・アランゴカルバハル(コロンビア)に追い抜かれたものの、3位でフィニッシュした。

日本の盛一大が世界選手権トラックの表彰台に上る日本の盛一大が世界選手権トラックの表彰台に上る photo:Sonoko Tanaka盛は2008年大会のスクラッチで単独逃げを試みる積極的な走りが光って6位。2009年には、今回と同じコペンハーゲンで行なわれたワールドカップ第5戦で日本人として初めて同種目で優勝。着実にステップアップし、トラック世界選手権では前年度を上回る5位。さらに全日本選手権タイムトライアルでは初タイトル獲得した。

そして今回、世界チャンピオンを決める大舞台で、念願のメダル獲得に至った。盛はチームメイト西谷泰治のステージ優勝をお膳立てしたツール・ド・ランカウイでの活躍が記憶に新しい。トラック世界選手権における中長距離種目でのメダル獲得は日本人初の快挙だ。

優勝は地元デンマーク出身で、現在プロツアーチーム・サクソバンク所属のラスムッセン。スクラッチでは2005年に優勝を飾っており、今回が2度目の金メダル獲得。2009年大会ではマディソンと団体追い抜きでも金メダルを獲得している。

トラック世界選手権は28日まで開催。盛は最終日のオムニアムにも出場する予定だ。

レインボーカラーの入った銅メダルを誇らしげに見せる盛一大レインボーカラーの入った銅メダルを誇らしげに見せる盛一大 photo:Sonoko Tanaka

トラック世界選手権2010スクラッチ結果
1位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク)
2位 フアンエステバン・アランゴカルバハル(コロンビア)
3位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
4位 マーティン・ブラハ(チェコ)            -1Lap
5位 クリス・ニュートン(イギリス)
6位 ミハイロ・ラディオノフ(ウクライナ)
7位 トーマス・スカリー(ニュージーランド)
8位 コク・ホーチン(香港)
9位 モーガン・クナイスキー(フランス)
10位 エリック・モース(ドイツ)

text:Kei Tsuji
photo:Sonoko Tanaka in Copenhagen