おきなわ市民50kmアンダー39で優勝した森榮晃彦(Team Dky)のレポートをお届け。スプリント必至の50kmレースのスリリングな展開で狙ったスプリントで勝てたものの、前日に痛めた肩のせいでユニークな「シーサーポーズ」でのフィニッシュとなった。

森榮晃彦( Team Dky )森榮晃彦( Team Dky ) photo:Makoto.AYANOTeam Dky(=チームデカイ)の仲間から「沖縄は楽しい!」「一度は出た方が良い」と言われていて、今年初参加。レース前に嫁さんのスケジュールも空きそうとのことで、沖縄旅行ついでにレースに出るため、事前に調整も、食事も気にせず気楽に参加できる50kmにエントリー。

11/6(火)の便で沖縄入りして、リゾートホテルでのんびりしたり、スパやシュノーケリングやパラセーリング、ショッピングなど遊びまくる。車の運転に慣れておらず、緊張しながら運転していたら非常に肩が凝ってしまい、最後の大失態に。

シュノーケリングで沖縄の熱帯魚たちと戯れたシュノーケリングで沖縄の熱帯魚たちと戯れた
前日、「沖縄旅行がメインでレースはおまけ」だと思っていたので前日まで何もせず。コースもろくに調べないまま、前日に試走を行って戦略を考える、毎年ゴールスプリントが危ないと聞いていたので独走もしくは数人での逃げから勝つパターンをいくつか想定。定番だと思われる今帰仁の上りから下りにかけてアタックして逃げるのがセオリーだが、誰もが逃げを警戒するポイントで、なおかつマークされている可能性が高いので却下。他の有力そうな選手が行ったら逃げに乗ることに。

今帰仁よりあとに逃げを決めるのは難しいので、20km地点のスプリントポイントから逃げることを想定、スプリントポイントをとりつつ、うまくいけばそのまま逃げることを想定し、15~17km地点あたりから逃げる作戦を1番候補に。そうすれば逃げてもスプリント賞もとれて、そのまま逃げを決められる可能性が高いと想定。

午後の受付開始前に会場のブースを見て回る。GOKISOのブースにてホイールレンタルを行っており、一度使ってみたかったので、お願いしてGOKISOのホイールを使うことに。空力的にはRoval CL50の方が良いのだが、細かい違いは気にせずお借りすることに。ダンシングやトルクをかけた走りをするとハブやシャフトがしっかりしているからか、いつもより少し安定する感じであった。

トレックMADONEに、お借りしたGOKISOのホイールを組みあわせたトレックMADONEに、お借りしたGOKISOのホイールを組みあわせた

レース前日の前夜祭。焼肉屋さんでシーサーポーズ。この時のポーズでゴールするとは思いもせずレース前日の前夜祭。焼肉屋さんでシーサーポーズ。この時のポーズでゴールするとは思いもせず 夜は一緒に参加するメンバーと焼き肉を食べに外出、その時にサイフを落としたらしく、当日焦ることに。

レース当日は、前日夕食を食べに行った際にサイフを落としていたらしく、朝4時からホテルの部屋や、夕食のお店まで車で探しに行く。朝からドタバタしまくったが、サイフは見つからないまま時間となりレース会場へ...。

スタートから10kmくらいは大きな動きは無いだろうと想定し、アップも何もせずスタートへ。スタートの待機は後方であったが、スタート地点の移動の際自転車だけ置いていてその場にいない選手が多かったため、前に行けて50番手前後の位置からスタートに。

市民50kmアンダー39のスタート市民50kmアンダー39のスタート photo:Makoto.AYANO
市民50kmアンダー39  手を振るピンクのジャージが森榮晃彦( TeamDky )選手市民50kmアンダー39 手を振るピンクのジャージが森榮晃彦( TeamDky )選手 photo:Makoto.AYANO
レース前に一番強敵だと思っているARCCの山本選手と軽く会話。やはりマークされていることが判明。逃げるとするならば、当初の想定通り早い段階で仕掛けるしかないと思う。

スタート前。地元沖縄勢にもスプリンターが多いスタート前。地元沖縄勢にもスプリンターが多い photo:Makoto.AYANOスタートにはかつてのプロ選手、斉藤祥太さんの姿もスタートにはかつてのプロ選手、斉藤祥太さんの姿も photo:Makoto.AYANO


レース開始。特にアップもせずスタートしたので、レーススタート後15kmまではのんびりと集団の少し前方で待機、16km地点辺りからアタックする予定だったが、集団に囲まれたまま車幅が狭くなるところに入ってしまい、17kmになった地点からアタック開始。心拍があまり上がっていない状態でアタックしたためか、かなりのオーバーペースでスプリントポイントまで走ってしまった。

市民50kmアンダー39のスタート市民50kmアンダー39のスタート photo:Makoto.AYANO
あきらかにオーバーペースで走ってしまったため、そこから逃げるだけの体力が残っておらず、そのまま逃げず集団に戻ることに。そこからは作戦変更で、自分からは仕掛けず、有力な選手が仕掛けたら同調もしくは、最後のスプリント勝負に持ち込むことに変更。

レース中盤。今帰仁のアップダウンも大きな動きはなく淡々と進行、おそらく大集団でのゴールスプリントになりそうな予感。イオン坂でも大きな動きはなく前方で通過して終盤の平坦区間へ。

レース終盤。残り3kmを切って大きな動きもなく、大きな集団のまま進行。残り1kmくらいから集団前方10番手以内をキープしながら、マークしている山本選手の近くでスプリントに備えて待機。山本さんに力勝負のスプリントを仕掛けても勝てる可能性は低いため、ロングスプリント勝負に持ち込む作戦に。集団からすぐに飛び出せるように集団一番左側の3列目で待機、すぐ右に山本選手が居る状況に。

市民50kmアンダー39 ゴールスプリントで伸びる森榮晃彦( Team Dky )市民50kmアンダー39 ゴールスプリントで伸びる森榮晃彦( Team Dky ) photo:Shingo.Fujimaki
ロングスプリント時に後ろに着かれてしまうと単なるリードアウトになってしまうため、スプリントの開始のタイミングを探る。残り500mの最終コーナーを出て直ぐに、最内のラインが空いており、前の列の選手の左手に移動。山本選手との間に一人選手を入れつつ、山本選手の前にも一人選手がいる状況にもっていく。自分は最インのラインが空いており、そのままロングスプリントができる状態に。

すぐに動けない状況に持ち込めたと思い、単独で残り500mからロングスプリントを開始。後ろに着かれないように鋭い加速を意識して、全力で踏む。スピードに乗ったらパワーを落として30秒くらい踏めるパワーで速度を維持。

残り100mくらいで一度後方を確認すると、それなりに距離が空いていたため、ガッツポーズの準備を。しかしながら、慣れない運転で四十肩になっていたため、腕を挙げると激痛が走り「お手上げ状態」でゴールすることに。

ゴールスプリントを制した森榮晃彦(Team Dky)。シーサーのようなポーズでフィニッシュゴールスプリントを制した森榮晃彦(Team Dky)。シーサーのようなポーズでフィニッシュ photo:Shingo.Fujimaki
タイミング、位置取りも良くロングスプリントに持ち込むことができ、勝つことができた。レース終了後に沖縄タイムスの記者からインタビューを受け、衝撃的な写真で号外記事を飾ることができた。レース前日の前夜祭では、焼肉屋さんで皆でシーサーポーズをした(記事上の写真)。まさかその時のポーズでゴールするとは思いもせず...。

会場で配られる沖縄タイムス号外・速報版に、チャンピオンレース同様の大きさで取り上げられて驚いた!会場で配られる沖縄タイムス号外・速報版に、チャンピオンレース同様の大きさで取り上げられて驚いた!
市民50kmアンダー39優勝の森榮晃彦(TeamDky)市民50kmアンダー39優勝の森榮晃彦(TeamDky) photo:Makoto.AYANO
レース終了後、ホテルに戻って休んでいると、サイフが見つかったとの連絡があり、優勝と同じかそれ以上に喜んでしまった。拾っていただいた板橋区のノジマさん、ありがとうございました!

一緒に参加していたメンバーは15時からホテルのレストランで打ち上げを開始。私は表彰式に出るため会場でずーっと待機。おきなわ時間なのかなかなか始まらず、表彰式が終わってホテルに戻ったころには17時に。お酒は殆ど飲まないけど、ビールを一杯と軽く食事をしたら打ち上げ終了。

ホテルのビーチでのんびり。至福の時間だったホテルのビーチでのんびり。至福の時間だった シーズン終了だからケーキも食べちゃうぞシーズン終了だからケーキも食べちゃうぞ


レース翌日の最終日は、自転車を片付けたりしつつ、美ら海水族館へ。一週間近く沖縄に滞在して、ずっといい天気でリゾート満喫&優勝ができてリフレッシュできました。

来年はキチンと準備して210kmに挑戦しようと思います。最後に、GOKISOさんのホイールをお借りしてスプリント賞も取り、優勝できました! ありがとうございます。

text:森榮晃彦(Team Dky)

最新ニュース(全ジャンル)

世界王者、ファンデルプールがアルペシンとの契約を2028年まで延長 Sotaro Arakawa 2024/03/19(火) - 12:15
キャニオンとは10年契約を締結
ポガチャル出場のカタルーニャ開幕 終盤にアタックしたシュルツが劇的勝利 Sotaro Arakawa 2024/03/19(火) - 09:00
ボルタ・ア・カタルーニャ2024第1ステージ
ウィリエー ル GTR TEAM LE シマノ105を搭載した17万円のリムブレーキカーボンロード Gakuto Fujiwara 2024/03/18(月) - 18:38
106台限定販売
新生ブラーゼン発足 新たな地域密着型チームを目指して Satoru Kato 2024/03/18(月) - 16:30
ブラーゼンサイクリング倶楽部 設立発表