約40kmに渡るアタック合戦の後に形成された10人の逃げ集団。メイン集団との差は8分以上まで開いたが、終盤は3分未満まで縮まった。しかし差がゼロになることなくフィニッシュ。アラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が、引退レースを自ら花道に仕立てた。



朝から広がった青空の下、海岸線を行くメイン集団朝から広がった青空の下、海岸線を行くメイン集団 photo:Satoru Kato
沖縄が地元の内間康平(NIPPOヴィーニファンティーニ)の応援団沖縄が地元の内間康平(NIPPOヴィーニファンティーニ)の応援団 photo:Satoru Kato石垣島出身の新城雄大(キナンサイクリングチーム)の応援も石垣島出身の新城雄大(キナンサイクリングチーム)の応援も photo:Satoru Kato

30回記念のツール・ド・おきなわにふさわしく、朝から青空が広がり、夏の日差しが照りつけた1日となった11月11日(日)。UCI1.2クラスのレースとなる男子チャンピオンレースは、夜も開けきらぬ朝6時45分にスタートした。

今年の男子チャンピオンレースには、国内10チーム、海外8チームの計18チームが出場。アジア、ヨーロッパ、オセアニアの8つの国と地域から出場チームが集まった。コースは沖縄県北部の名護市をスタートし、沖縄本島北端を廻って名護市にフィニッシュするおなじみの210kmだ。

昇ったばかりの朝日を背に進む男子チャンピオンの集団昇ったばかりの朝日を背に進む男子チャンピオンの集団 photo:Satoru Kato
レース序盤に形成された10人の逃げ集団レース序盤に形成された10人の逃げ集団 photo:Satoru Katoリアルスタートが切られるとアタック合戦が始まり、逃げと吸収が何度も繰り返される。10人の逃げが容認されたのは、スタートから30分以上経ってからだった。メンバーは以下の通り。

畑中勇介(チーム右京)
下島将輝(那須ブラーゼン)
中田拓也(シマノレーシング)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
新城雄大(キナンサイクリングチーム)
アラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
チームブリヂストンサイクリングがコントロールするメイン集団は縦長に伸びるチームブリヂストンサイクリングがコントロールするメイン集団は縦長に伸びる photo:Satoru Katoフォレディ・オヴェット(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)
フェン・チュン・カイ(台北ナショナルチーム)
ルイス・レイナウ(チームサンダーランド・NRW p/b SKSジャーマニー)
デルク・アベル・ベッカーリン(WTCアムステル)

メイン集団のコントロールはチームサンダーランド・NRW p/b SKSジャーマニーからチームブリヂストンサイクリングにスイッチ。愛三工業レーシングチームと鹿屋体育大学が1人ずつ出して加勢するが、差は最大8分30秒まで開く。

1回目の普久川ダムへの登り、山岳賞を獲りに行く畑中勇介(チーム右京)1回目の普久川ダムへの登り、山岳賞を獲りに行く畑中勇介(チーム右京) photo:Satoru Katoレース中盤、沖縄選抜や鹿屋体育大学も集団コントロールに参加するレース中盤、沖縄選抜や鹿屋体育大学も集団コントロールに参加する photo:Satoru Kato

風力発電のプロペラが立つ沖縄本島北端の国頭村を行く集団風力発電のプロペラが立つ沖縄本島北端の国頭村を行く集団 photo:Satoru Kato
1回目の山岳賞は畑中が先頭通過。その後も逃げ集団は崩れることなく進み、2回目の山岳賞へ。それまで8分前後だったメイン集団との差は、この登りで一気に4分まで縮まる。下り切って名護に戻る海岸線の道路に出ると、逃げを追うメイン集団の動きが活性化。およそ半数以下の30人ほどまで絞り込まれる。一方逃げ集団からは、下島と新城が脱落して8人に。それでも3分以上の差を維持して逃げ続ける。

150km付近、大きく割れたメイン集団150km付近、大きく割れたメイン集団 photo:Satoru Kato鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)を先頭に行く5人の追走集団鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)を先頭に行く5人の追走集団 photo:Satoru Kato

150km付近に差し掛かり、メイン集団から増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が飛び出す。これに岡篤志、鈴木龍(以上宇都宮ブリッツェン)、ロビー・ハッカー(チーム右京)、山本元喜(キナンサイクリングチーム)が続き、5人の追走集団が形成される。そこからさらに岡が飛び出し、増田と鈴木が追いついて宇都宮ブリッツェンがチームTTのようにして追走。逃げる8人との差を一時3分未満まで縮める。しかしレース終盤になってもペースが崩れない逃げ集団を追い切れない。

海岸沿いの道をチームTTのように進む宇都宮ブリッツェン3人の追走集団海岸沿いの道をチームTTのように進む宇都宮ブリッツェン3人の追走集団 photo:Satoru Kato残り15km付近、4人になった逃げ集団残り15km付近、4人になった逃げ集団 photo:Satoru Kato

「イオン坂」でアタックするアラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)「イオン坂」でアタックするアラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) photo:Satoru Kato
残り20km、羽地ダムへの登りでマランゴーニ、フェン、オヴェット、ベッカーリンの4人が先行。小野寺と畑中が続くがついては行けず、勝負は4人に絞られる。

残り5km、通称「イオン坂」でフェンがアタックするが、後続を振り切るまでには至らない。その後方から加速したマランゴーニが一気に前に出て差を広げる。この動きで勝負は決まった。

男子チャンピオン アラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が優勝男子チャンピオン アラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が優勝 photo:Satoru Kato
男子チャンピオンレース 表彰式男子チャンピオンレース 表彰式 photo:Satoru Kato
山岳賞 畑中勇介(チーム右京)山岳賞 畑中勇介(チーム右京) photo:Satoru Kato7位の中田拓也(シマノレーシング)がU23賞を獲得7位の中田拓也(シマノレーシング)がU23賞を獲得 photo:Satoru Kato

「今日は素晴らしいレースになった。これが人生最後のレースになるから、良い結果を出すことに集中してきた。レース序盤に決まった逃げは良いメンバーに恵まれたし、その中のベストな4人で最後に抜け出し、残り5kmで完璧なアタックが決まった。全てがうまくいったね。まるで映画か夢を見ているようだったよ。レース10日前に沖縄入りしたけれど、いい人ばかりで多くのエネルギーをもらった。その力が今日の勝利につながったと思う」と、レースを振り返るマランゴーニ。

本当に引退するの?と問うと「そうだね。色々考えたけれど、ここでレースキャリアを終えることに後悔はないし、次の人生の準備を始めるには全てが『カンペキ』な時期だと思っているよ」と語った。



女子国際レース 與那嶺恵理が6年ぶりに優勝

女子国際レースの先頭集団が普久川ダムをクリアする女子国際レースの先頭集団が普久川ダムをクリアする photo:Makoto.AYANO
女子国際レース 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)が優勝女子国際レース 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)が優勝 photo:Satoru Kato
女子国際レース 表彰式女子国際レース 表彰式 photo:Satoru Kato女子国際レースは、沖縄本島北端をスタートして名護にフィニッシュする100km。與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L)、ジップ・バン・デン・ボス(WTC de アムステル)の3人が終盤までに残る。最後は與那嶺と金子でのスプリント勝負となり、與那嶺が優勝。初出場の2012年以来、2度目のおきなわ優勝を決めた。

與那嶺恵理 コメント

「『学校坂』でアタックして1人になったのでこのまま最後まで行こうかと思いました。でも思ったよりタイム差が開かなかったので、羽地の先もまだ長いし消耗するので、それなら一度追いつかれてもう一度アタックすれば行けると考えて後続集団に戻りました。最後はオランダの選手(ボス)が残っていたら違う方法を考えないと勝てませんでしたが、金子さんとのスプリントになったので冷静に行きました。

来年は新しいチームで全てゼロからスタートになりますが、東京オリンピックの出場枠がかかる年でもあるので、それを意識してこれからのオフシーズンを過ごします。今日は勝つことが第一でしたけれど、登りの感覚とか、平坦の踏む感覚とか、良いフィーリングを確認出来ました。来年に向けて長期スパンでのダイエットと筋トレの効果も確認できたし、何よりレースを楽しめたのが良かったです」



ジュニア国際はリザルト審議中につき、確定次第レポートを追記します。

ジュニア国際の先頭集団が普久川ダムをクリアするジュニア国際の先頭集団が普久川ダムをクリアする photo:Makoto.AYANO
チャンピオンロードレース 結果(210km)
1位アラン・マランゴーニ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)5時間5分4秒
2位フレディ・オヴェット(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)+19秒
3位フェン・チュンカイ
4位デルク・アベル・ベッカーリン(WTC de アムステル) +50秒
5位小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+1分29秒
6位畑中勇介(チーム右京)+1分31秒
7位中田拓也(シマノレーシングチーム)+2分50秒
8位増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位ルイス・レイナウ(チームサワーランド)
10位岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
女子国際レース 結果(100km)
1位與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)3時間11分15秒
2位金子広美(イナーメ信濃山形)+2秒
3位ジップ・ヴァン・デン・ボス(WTC de アムステル)+1分6秒
4位リォン・ウィンイー(HKSIプロサイクリング) +3分54秒
5位米田和美(MOPS)
6位西加南子(LUMINARIA)+10分52秒
7位渡部春雅(駒澤大学高校)+12分42秒
8位藤村祥子(MOPS)+12分48秒
9位アレックス・マーティン・ウォレス(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー)+14分8秒
10位盛永母映(F(t)麒麟山Racing)+14分11秒