3月17日に行なわれたツール・ド・台湾第4ステージはゴールスプリント勝負に持ち込まれ、前日に優勝したばかりの宮澤崇史(日本ナショナルチーム)が再び勝利を収めた。これで日本人選手はステージ3連勝。第2ステージ優勝者の清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)は3位に。

幹線道路の高架下を周回する幹線道路の高架下を周回する photo:www.tourdetaiwan.org.tw第4ステージは台湾中西部の台中市を舞台にした123kmの市街地レース。幹線道路を利用した平坦な周回コースがメインで、ハイスピードレースが展開された。

レースは2人の若い日本人、野中竜馬と内間康平(日本ナショナルチーム)がハッサン・スハルディ(マレーシアチーム)とともに逃げグループを形成。この3名はメイン集団から最大2分のリードを稼ぎ出し、レースの大部分を逃げ続けた。

逃げグループを形成した野中竜馬と内間康平(日本ナショナルチーム)、そしてハッサン・スハルディ(マレーシアチーム)逃げグループを形成した野中竜馬と内間康平(日本ナショナルチーム)、そしてハッサン・スハルディ(マレーシアチーム) photo:www.tourdetaiwan.org.twしかし集団スプリントに持ち込みたいチームの集団コントロールによってタイム差は縮小。ゴールまで5kmを切ると先頭から内間が飛び出して単独でエスケープ。諦めずに逃げ続けた内間だったが、ゴールまで500mを残して吸収されてしまう。集団は一つのままゴールスプリントに突入した。

連日ステージ上位に絡むポーランド勢を抑えて先頭でゴールに飛び込んだのは、またしても日本ナショナルチームの宮澤。ポイント賞ジャージを着る宮澤が、マティシアク・バルトロミエイ(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)との接戦を制した。

バルトロミエイ(ポーランド)との接戦を制した宮澤崇史(日本ナショナルチーム)バルトロミエイ(ポーランド)との接戦を制した宮澤崇史(日本ナショナルチーム) photo:www.tourdetaiwan.org.tw「今日はチャンスがあれば逃げに選手を送り込む戦略だった。平坦ステージだったので誰にでも勝つチャンスがある。どのチームも明日の山岳ステージに向けて力を温存していた」と、宮澤はレースを振り返る。宮澤はポイント賞のリードを広げるとともに、アジアンライダー賞のトップに立った。

内間は自身のブログの中で「レース中は自由にして良いと言われたので、張り切って逃げに乗りました。今日は残り1キロまで55km/hで巡航してたけど・・・集団は65km/h以上出てたらしく、やっぱり60km/hで巡航できないと独走は厳しい。明日からも頑張らなくては」とコメント。日本ナショナルチームは野中と内間が逃げ、宮澤がスプリント勝利。完璧なレース運びだった。

ポイント賞ジャージを着る宮澤崇史(日本ナショナルチーム)がステージ連勝ポイント賞ジャージを着る宮澤崇史(日本ナショナルチーム)がステージ連勝 photo:www.tourdetaiwan.org.tw第2ステージで優勝した清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)は3位でフィニッシュ。ツール・ド・フランスでステージ通算4勝を飾っている40歳のヤーン・キルシプー(エストニア、CKT Tmitチャンピオンシステム)が5位に入った。

総合成績に大きな変動は無く、デーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジアレーシング)がリーダージャージをキープ。宮澤が総合4位に浮上している。総合争いが加熱するのは、標高500mクラスのカテゴリー山岳が2つ設定された翌第5ステージだ。

レース展開や選手コメントはレース公式サイト、および各チーム公式サイトより。


ツール・ド・台湾2010第4ステージ
1位 宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)                2h43'22"
2位 マティシアク・バルトロミエイ(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
3位 清水都貴(日本、チームブリヂストン・アンカー)
4位 スモーレン・トマス(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
5位 ヤーン・キルシプー(エストニア、CKT Tmitチャンピオンシステム)
6位 ディーン・ダウニング(イギリス、ラファ・コンドル・シャープ)
7位 山本雅道(日本、チームブリヂストン・アンカー)
8位 ワンモハメッド・ワンモハマッドナジミー(マレーシア、マレーシアチーム)
9位 デーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジアレーシング)
10位 ベン・グレンダ(オーストラリア、ジェネシス・ウェルス・アドヴァイザーズ)

text:Kei Tsuji
photo:www.tourdetaiwan.org.tw

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