2018年9月23日(日)、オーストリアのインスブルックでロード世界選手権が開幕。初日の午前中に行われた女子チームタイムトライアルで、54.5kmコースを平均スピード52.941km/hで駆け抜けたキャニオン・スラムが初優勝した。


1時間01分46秒のトップタイムで優勝したキャニオン・スラム1時間01分46秒のトップタイムで優勝したキャニオン・スラム photo:Kei Tsuji
女子チームタイムトライアル女子チームタイムトライアル photo: Innsbruck-Tirol 2018
8日間の日程で開催されるロード世界選手権の初日、大会の開幕を告げる女子チームタイムトライアルがエッツタールからインスブルックまでの54.5kmコースで行われた。「エリア47」と呼ばれる遊園地をスタートし、イン川に沿った下り基調の幹線道路をインスブルックへ。追い風基調のハイスピードレースで前半から飛ばしたのはイギリスのウィグル・ハイファイブだった。

第1計測(22.8km地点)でウィグル・ハイファイブはキャニオン・スラムを10秒、ブールス・ドルマンスを18秒、ミッチェルトン・スコットを27秒上回るトップタイムをマーク。前年度の覇者で最終走者のサンウェブは35秒遅れの5位に沈んでしまう。まだ表彰台も経験していないイギリスチームが奮闘したものの、後半にかけて形勢が逆転した。

後半にかけてタイムを伸ばしたのは、最後までメンバー全員を残したキャニオン・スラムだった。ハンナ・バーンズ(イギリス)、アリス・バーンズ(イギリス)、アレナ・アミアリウシク(ベラルーシ)、トリキシ・ヴォラック(ドイツ)、リサ・クレイン(ドイツ)、エレーナ・チェッキーニ(イタリア)という6名で後半にペースを上げ、横並びでフィニッシュしたキャニオン・スラムがウィグル・ハイファイブのトップタイムを58秒更新。ミッチェルトン・スコットもブールス・ドルマンスも、サンウェブも、キャニオン・スラムのタイムを打ち破ることはできなかった。

2位/22秒差	ブールス・ドルマンス2位/22秒差 ブールス・ドルマンス photo:Kei Tsuji
3位/29秒差	サンウェブ3位/29秒差 サンウェブ photo:Kei Tsuji
4位/58秒差 ウィグル・ハイファイブ4位/58秒差 ウィグル・ハイファイブ photo:Kei Tsuji
5位/1分30秒差	ミッチェルトン・スコット5位/1分30秒差 ミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
6位/2分07秒差 ヴィルトゥ・サイクリング6位/2分07秒差 ヴィルトゥ・サイクリング photo:Kei Tsuji
2015年に解散したヴェロシオ・スラム(元スペシャライズド・ルルレモン)の後を継ぐ形で2016年に誕生したドイツのキャニオン・スラム。ヴェロシオ時代には2012年、2013年、2014年、2015年とチームTTで連勝を飾っていたが、現体制に切り替わってからはブールス・ドルマンスやサンウェブにタイトルを奪われていた。

「今日は誰も私たちを優勝候補に挙げていなかったと思う。でもトレーニングと準備を重ねながら今日という日が近づくにつれて、チャンスがあると確信していた。中間計測のタイムを聞きながら走ったけど、走り自体がスムーズで、後ろの選手はしっかりリカバリーできていたし、情報がなくても感覚的に良い走りであることは明らかだった。メンバー全員が素晴らしい走りをした結果だと思う」。歴代最多となる自身5度目のタイトルを手にしたヴォラックは勝利の走りをそう振り返る。「これがキャニオン・スラムとして走る最後のレースなので、悲しくて思わず泣いてしまった」と語る36歳のヴォラックはトレックの新チームで2019年シーズンを走る予定だ。

キャニオン・スラムの平均スピードは52.941km/h。2位のブールス・ドルマンスとは22秒、3位のサンウェブとは29秒の差がついている。ハンナ・バーンズは「最初から最後までスムーズな走りだった。完璧な走りをしたいと思っていて、結果的に今日はどこにもミスがないような走りができた。チームとしてまとまりのある走りだったので、仮に勝利を逃しても悔しくないとまで思った」とコメント。ともに走った妹のアリスとともに初タイトル獲得を喜んだ。

異なるホイールカラーとソックスで走るキャニオン・スラム異なるホイールカラーとソックスで走るキャニオン・スラム photo:Kei Tsuji
6名揃ってフィニッシュに飛び込むキャニオン・スラム6名揃ってフィニッシュに飛び込むキャニオン・スラム photo:Kei Tsuji
優勝を喜ぶキャニオン・スラム優勝を喜ぶキャニオン・スラム photo:Kei Tsuji
2位ブールス・ドルマンス、1位キャニオン・スラム、3位サンウェブ2位ブールス・ドルマンス、1位キャニオン・スラム、3位サンウェブ photo:Kei Tsuji
ロード世界選手権2018女子チームタイムトライアル結果
順位チーム名タイム平均スピード
1位キャニオン・スラム1:01:4652.941
2位ブールス・ドルマンス0:00:2252.629
3位サンウェブ0:00:2952.530
4位ウィグル・ハイファイブ0:00:5852.125
5位ミッチェルトン・スコット0:01:3051.686
6位ヴィルトゥ・サイクリング0:02:0751.187
7位BTCシティリュブリャナ0:03:0950.372
8位ヴァルカルPBM0:03:3650.025
9位ビーピンク0:03:3750.013
10位アレ・チポッリーニ0:03:5449.797
11位コジュアス・メトラー0:03:5749.759
12位パークホテル・ファルケンブルフ0:04:1149.583
text&photo:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria