アンドラ山岳でフィナーレを迎えたブエルタの総合争い。最終決戦で攻撃を成功させ、総合表彰台を射止めたエンリク・マスとミゲルアンヘル・ロペス、そして総合優勝に王手をかけたサイモン・イェーツらのコメントを紹介します。


ステージ1位&総合2位 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

ステージ優勝したエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)ステージ優勝したエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos
2012年にアレハンドロ・バルベルデが勝った時の映像で予習して、最終コーナーを先頭で突っ込む必要があることを理解していた。最終コーナーまで全開でもがいて、そのままフィニッシュラインまで突き進んだ。

ステージ優勝は美しく、そして総合2位という成績も素晴らしい。マドリードで馬鹿なことをして落車しないようにしないと。23歳の若者にとって総合2位は夢のようだ。僕は第2のアルベルト・コンタドールではなくエンリク・マス。コンタドールの輝かしい成績の半分でも残せれば満足。彼のレーススタイルを真似て、これからも成長していきたい。

ステージ2位&総合3位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

総合とステージの激しい争いを繰り広げたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)とエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)総合とステージの激しい争いを繰り広げたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)とエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos
総合表彰台に登るための一か八かの賭けだった。今日はとにかく総合表彰台に登るためにはどうすればいいかを考え続け、結果的に目標を達成できたので満足している。

最後の登りを全力でこなした。ステージ優勝のことは考えなかった。ステージ優勝に色気を出してしまうと、ペースが落ちて総合順位を上げることができなかったと思う。もちろん最後はステージ優勝に向けてスプリントしたけど、ステージ2位という結果には何も文句がない。チームと自分が残した結果を誇りに思う。まだマドリードでのステージが残っているけど、今季2つ目のグランツール総合表彰台を手繰り寄せることができた。

ステージ3位&総合1位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

チームに初のグランツール総合優勝をもたらしたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)チームに初のグランツール総合優勝をもたらしたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
やりきった!ミッチェルトン・スコットにとってこれが初めてのグランツール総合優勝。まだ事態をうまく飲み込めていないけど、自分とチームの走りを心から誇りに思う。ただただ信じられない気持ちに包まれている。

最後から2つ目の登りで、アダムに力が残っていないのを感じて自らアタックした。仮にそこで動かなければ、平坦な渓谷路で必死に前を追わないといけない最悪な展開になっていたと思う。先に逃げていたロペスは総合成績のために協力するだろうと思っていたし、結果的に攻撃が最高の防御になったんだ。

最後の登りでマスとロペスが作る強力なペースに対応できなかったけど、自分のリズムを刻んで登坂。フィニッシュラインまで全力で走りきった。とてもクレイジーで速いステージを問題なく終えることができて本当にホッとしている。繰り返しになるけどチームに感謝したい。今日は大柄なルーラー系の選手たちも山岳で前を引いてくれた。信じられない1日だった。

総合4位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)

総合順位を下げてしまったことは本当に残念だ。最後の最後まで戦ったけど、今日はライバルたちが強力だった。自分には力が残っていなかったので、これ以上の走りができなかった。最後から2つ目の登りでのイェーツのアタックに反応したけど、食らいつくことができなかった。

総合表彰台まであと僅かだったのが悔しい。でもツール・ド・フランスを総合5位で終えてから同年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位に入る選手なんてそんなに多くない。悪くはない成績だと分かっているけど、やはり総合表彰台に登りたかった。

ステージ10位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

同じポジションで走るステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)同じポジションで走るステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
2回目のベシャリス峠で不調を感じ、そのまま最後までリズムを取り戻すことができなかった。ひたすら苦しみながら走ることしかできなかった。今日もチームメイトとして素晴らしい働きをしてくれたナイロ(キンタナ)に感謝している。

持てる力をすべて出したので悔いはないし、敗北を受け入れないといけない。勝てばすべてがファンタスティックだけど、負けた時はライバルたちが強かった事実を受け入れて前に進まないといけない。今日は望んでいた通りの走りができなかった。

このブエルタで残した成績には満足している。チームワークを示すことができたし、ステージ2勝とポイント賞ジャージ獲得という成績を残すことができた。チーム総合成績トップなのでチームメイトたちと表彰台に上ることができる。総合表彰台を逃したことは心苦しいけど、力を尽くした結果なのでこれ以上は望めない。

これから少し休んで、世界選手権に向けて動き出したい。この2日間は思うような走りができなかったけど、しっかり身体を休めることができれば、最高の状態でインスブルック(世界選手権開催地)に挑めると思う。若いエンリク(マス)が結果を残したことを嬉しく思う。そしてイェーツは総合優勝に値する走りだった。

山岳賞1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)

悲願の山岳賞を獲得したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)悲願の山岳賞を獲得したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) (c)CorVos
ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャで数年間ずっと狙い続けてきた山岳賞ジャージをようやく自分のものにすることができた。今日は逃げグループに入るために運を必要とした。キングが逃げに乗らなかったので、マークすべき選手はモレマ一人だけだった。世界選手権に出場したいと思っていたけど、ベルギーチームに選ばれなかったので、この3週間で力を出し尽くす心算だった。

山岳賞2位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

比較的簡単に逃げグループに乗ることができて、そこから2つ目の1級山岳でデヘントを引き離そうとアタック。でも彼はとても強くて、すぐに追いついてきたんだ。その時点で山岳賞ジャージは難しいと思った。タフな1日だったけど、調子は良かったし、自分の走りを楽しめたよ。今大会ステージ2位が2回で、山岳賞争いに絡み、積極的な走りでレースをかき回した。こういったレース運びが好きなんだ。

text:Kei Tsuji

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