「シーズン前半の疲れからしっかり回復して、今はすごく良い状態。それが通算3勝の秘訣」と語るステージ優勝者アレクサンドル・ジェニエスやマイヨロホを射止めたヘスス・エラダら、ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージで活躍した選手たちのコメントを紹介します。



ステージ1位 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール)

たった2回しか逃げ切りが決まらなかったジロと比べてブエルタでは沢山の逃げ切りが決まる。個人的には、シーズン前半の疲れからしっかり回復して、すごく良い状態でこのシーズン後半のブエルタに挑めている。それが通算3勝の秘訣だと思う。

今日はボーラ・ハンスグローエがサガンのためにメイン集団をコントロールすると思ったから、最初から逃げを狙う予定ではなかった。でもフォルモロがアタックして強力なグループが形成されつつあったので、これは反応しないといけないと判断した。最後はアタックすることなくスプリントに備えたよ。

チームメイトのガロパンが総合で良いポジション(総合6位)につけているので、チームとしてマドリードまで闘い続けたい。

ステージ通算3勝目を飾ったアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール)ステージ通算3勝目を飾ったアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Unipublic
ステージ2位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)

今日はなんとしても逃げに乗りたかった。ガブリエル・ラッシュ監督の許可を得て逃げに乗って、脚を貯めながら上手く走ることができていたと思う。フィニッシュ後に落車するまではずっと調子が良かったよ。他のライバルたちが苦しんでいるタイミングでアタックしたけど決まらず。終盤は少し力を温存してスプリントに挑んだけど、わずかに届かなかった。

ステージ3位 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)

最初の山岳で逃げグループが形成され、そこから順調に11分までタイム差を広げることに成功。残り10kmを切ってから8名が先行して、その中でステージ優勝を争うことになった。大会1週目は調子が上がらなくて苦しんだけど、ここに来て調子が良くなっている。今日は勝てなかったけど、ステージ優勝に絡むことができると実感した。まだまだ学ぶことは多いし、今は成長の過程にあると感じている。

逃げ集団の先頭を行くマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)逃げ集団の先頭を行くマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) (c)A.S.O.
ステージ4位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)

2日連続逃げだったのに関わらず脚はよく動いた。でも結果を残せなかったので残念な気持ちでいっぱいだ。今日はとても強力な逃げグループが形成されて、残り50km付近まで良い協力体制を築けていた。そこからアタックが繰り返されたけど、単独で抜け出すような選手は最後まで現れなかった。力を使うことなくフィニッシュ手前の登りをクリアして良い形で勝負に持ち込んだのに、スプリントで負けてしまった。2日連続で全開走行したので明日から数日は回復に充てたい。

ステージ5位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)

自分が先行してトーマス(デヘント)が後方で待機する作戦ではなかったけど、結果的には彼が追走グループのペースを弱めてくれたので6名の先行が決まった。今日のようなステージでは必ず逃げに乗らないといけない。ロット・スーダルは2人を送り込むことに成功したし、自分も先頭でアタック。全力で戦ったけど、決定的なリードは最後まで奪えず、勝利には手が届かなかった。良い試みだったし、ステージ5位という結果は悪くない。でも今日は勝ちたかった。これで諦めるわけじゃないし、これからも継続的にステージ優勝を狙いたい。

ステージ6位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)

序盤から多くの選手がアタックしたので、自分もその動きに加わった。逃げグループ内は協調体制を築けていたのでタイム差が10分以上まで拡大。その時点で逃げグループの中からステージ優勝者が生まれると確信した。終盤にかけてライバルたちを苦しめるために積極的に登りでペースアップ。残り数キロにかけて苦しんでしまい、最後のスプリントには絡めなかった。フィニッシュ後に発生した落車は辛うじて回避することができたよ。

ステージ16位&マイヨロホ ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)

マイヨロホを獲得したヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)マイヨロホを獲得したヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) photo:CorVos
今日は逃げ切ってタイムを奪う作戦だった。もちろんステージ優勝も狙っていたけど、強力なメンバーが揃っていたので勝負に絡めず。でも結果的にマイヨロホに手が届いたので満足だ。このマイヨロホをできるだけ長く着用したい。ブエルタ最終週はとても厳しいし、マドリードはまだまだ遠い。毎日しっかりと走っていきたい。

フィニッシュラインを通過した時は感情が溢れてきた。これまでの厳しいトレーニングの日々や友人、家族のことを思い浮かべていた。(ルイス・オカーニャに続く)2人目のクエンカ出身のマイヨロホ着用者になったことを誇りに思う。

総合2位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

今日は逃げグループとのタイム差を抑え込む作戦で、チームメイトたちは素晴らしい走りを見せてくれた。でも全てを完璧にコントロールすることなんてできない。プロトンの選手たちの多くは疲れ切っている。だから今日は無理に逃げグループを追わない作戦に切り替えたんだ。結果的にレッドジャージを失ってしまったけど、明日からの本当の戦いに目を向けたい。調子は良いので、しっかり回復して勝負に挑みたい。明日からの3日間、レースは大きな局面を迎える。

総合3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

総合3位、複合賞のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)総合3位、複合賞のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
明日のラ・カンペローナでヘスス(エラダ)は大きく遅れないだろうから、すぐにマイヨロホが手元にやってくるとは思わない。今日はミッチェルトン・スコットがメイン集団を牽引したものの、逃げグループのメンバーが強力だったので完全にはコントロールできていなかった。本当に強力な逃げグループだったので、モビスターも後半にかけて集団を牽引してタイム差をできる限り詰めることになった。

ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

危険なステージをトラブルなく終えたので、明日からの山岳ステージに良い状態で挑むことができる。山岳ステージの目標ははもちろん総合ライバルたちと真っ向勝負すること。エラダからタイムを奪うのは難しいので、彼は少なくとも数日間マイヨロホをキープすると思う。彼は強力なライダーであり、総合争いにおける危険なライバルになり得ると思う。

集団内でフィニッシュしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)集団内でフィニッシュしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:CorVos

text:Kei Tsuji