終盤の横風によって集団が破壊され、荒れた展開となったブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ。ウィルコ・ケルデルマンやティボー・ピノがタイムを失う中、約50名による集団スプリントでコフィディスのナセル・ブアニが4年ぶりとなるグランツールステージ優勝を飾った。

逃げに乗ったリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)逃げに乗ったリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Unipublic
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第6ステージブエルタ・ア・エスパーニャ2018第6ステージ photo:Unipublicブエルタ・ア・エスパーニャ2018第6ステージブエルタ・ア・エスパーニャ2018第6ステージ photo:Unipublic

スプリンター向きの正真正銘の平坦コースが設定されたブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ。中盤にかけて登場する2つの3級山岳はステージ優勝争いに影響しない。それよりもレース展開に大きく影響したのは一帯に吹く風だった。

6ステージで4回目という高い逃げ率を誇る山岳賞ジャージのルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)とともに逃げたのは、ホルヘ・クベロ(スペイン、ブルゴスBH)と、総合争いから完全に脱落したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)の2人。このブエルタを世界選手権に向けた準備レースと位置付けるポートは「徐々に調子も上がってきたし、いつもと違うことをしてみた。逃げに乗るなんて何年ぶりだろう。楽しめたよ」とコメントしている。

グルパマFDJとクイックステップフロアーズがコントロールする集団から4分のリードを得たポート、マテマルドネス、クベロの3人。2つの3級山岳を連続で先頭通過したマテマルドネスは狙い通り山岳賞のリード拡大に成功する。山岳賞2位ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)との差を22ポイントまで広げたマテマルドネスは今大会3回目のステージ敢闘賞に輝いている。

強い向かい風が吹き、道幅があり、直線的な平坦路は大人数の集団に味方した。青いクイックステップフロアーズと赤いトレック・セガフレードが集団先頭に上がるとタイム差は順調に縮小。残り45km地点でタイム差は早くも1分を割り込むと、少しの時間調整を経て残り29km地点で逃げはすべて吸収される。そこからフィニッシュまでは風が荒れた展開を演出した。
総合2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)と総合1位ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)総合2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)と総合1位ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) photo:Unipublic
下りをこなすペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)下りをこなすペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
集団先頭に立つEFエデュケーションファースト・ドラパック集団先頭に立つEFエデュケーションファースト・ドラパック photo:CorVos
横風を警戒してチームスカイが先頭に上がると、街中の中央分離帯に接触する形でファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)やヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)らが落車する。こうして割れた集団は、ボーラ・ハンスグローエのペースアップによってさらに細分化されていく。

まずは総合13位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)が後方に取り残され、続いて総合6位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)がチェーントラブルにより脱落。EFエデュケーションファースト・ドラパックやチームスカイ、ボーラ・ハンスグローエが積極的に第1集団のペースを上げると、残り10km地点で第2集団(ピノ)まで1分、第3集団(ケルデルマン)まで1分30秒のタイム差がついた。

その後、第2集団と第3集団が一つにまとまり、サンウェブやグルパマFDJが懸命に追撃を続けたがタイム差は縮まらない。約50名に絞られた第1集団では、やがてスプリンターチームが主導権を奪う。残り1kmを切ったところでクイックステップフロアーズが先頭に立った。

しかしステージ2勝目を狙う肝心のエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)は番手を下げた状態。ライバルのマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)やナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)を引き連れる形で、最終リードアウト役のファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が加速した。

好位置からスプリントを開始したトレンティンの後ろでタイミングを待ち、残り100mで加速したブアニが先頭に出る。ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)や、遥か後方から勢いよく追い上げたヴィヴィアーニも届かない。低いポジションで突き進んだブアニが先頭でフィニッシュラインにハンドルを投げ込んだ。
横風で縮小した第1集団のペースを上げるボーラ・ハンスグローエ横風で縮小した第1集団のペースを上げるボーラ・ハンスグローエ photo:Unipublic
スプリントで先頭に立つナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)スプリントで先頭に立つナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) photo:CorVos
ファンポッペルやトレンティンを下したナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)ファンポッペルやトレンティンを下したナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) photo:CorVos
エフデジ時代の2014年にジロ・デ・イタリアでステージ3勝&ポイント賞、そしてブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾っているブアニ。実に4年ぶりのグランツール勝利を飾った28歳は「ケニース(ヴァンビルセン)とロイック(シェトゥ)のおかげで常に良いポジションで走れていたし、(ライバルの)正しいホイールを選びながらスプリントに備えた。そして残り200mから加速したんだ」と振り返る。

「終盤にかけて超ハイペースな展開のとてもハードなレースだった。昨日のフェイクニュース(偽情報)を払拭するためにも今日は何としても勝ちたかったんだ」とブアニ。『フェイクニュース』とは、前日のレース中に自チームの監督と口論になり、チームカーを殴ったとしてタイムペナルティを受けたことを意味している。「昨年のツアー・オブ・ヨークシャーでの落車でひどい怪我を負ったので、それ以降ずっと低迷していた。命を落としてもおかしくない落車だったし、ずっと視力に問題が出ていた。今もベストなコンディションに戻っているとは言えないし、辛いシーズンを過ごしてきた。決して良くない噂が流れたり、自尊心を傷つけられることもあったけど、それを乗り越えて今ここにいる。とても良い状態だったのにツールのメンバーに選ばれなかったのは本当に残念だった。他のチームに移籍することも考えたけど、このブエルタ開幕前にチームマネージャーから電話があって、フルサポートを約束すると言われた。コフィディスに勝利をもたらすことができて本当に嬉しいよ」。

この日、ブアニと同タイムでフィニッシュしたのは49名。マイヨロホのルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)らは集団内でフィニッシュしたが、総合6位ケルデルマンと総合13位ピノは1分44秒、さらに総合12位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)やイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)は3分05秒ものタイムを失い、それぞれ大きく総合順位を下げる結果となった。

マイヨロホを守ったモラールは「横風は予想していたけど、ティボー(ピノ)が遅れるのは想定外だった。チームの作戦はレッドジャージのキープと、彼を安全にフィニッシュさせることだったから。街の出口で急にペースが上がって、気づけば後ろに誰もいなかった。ずっとティボーは集団先頭で走っていたのにタイミングが悪かった」と語っている。なお、モラールは前日のレース終盤にルールに違反する補給を受けたとして20秒のタイムペナルティを受けており、総合2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)との総合タイム差が41秒に縮まっている。
ステージ優勝を飾ったナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)ステージ優勝を飾ったナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) photo:Unipublicマイヨロホを守ったルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)マイヨロホを守ったルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) photo:Unipublic

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第6ステージ結果
1位ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)3;58:35
2位ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)
3位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
4位シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
6位イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)
7位オマール・フライレ(スペイン、アスタナ)
8位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
9位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
10位ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)
66位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)0:01:44
67位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
101位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)0:03:05
102位イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
敢闘賞ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)
個人総合成績
1位ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)22:26:15
2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)0:00:41
3位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)0:00:48
4位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)0:00:51
5位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)0:00:53
6位ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)0:01:11
7位トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール)0;01:14
8位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
9位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)0:01:18
10位エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)0:01:23
ポイント賞
1位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)48pts
2位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)41pts
3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)33pts
山岳賞
1位ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)42pts
2位ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)20pts
3位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)12pts
複合賞
1位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)18pts
2位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)18pts
3位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)34pts
チーム総合成績
1位アスタナ67:17:18
2位ロットNLユンボ0:03:04
3位モビスター0:03:23
text:Kei Tsuji
photo:CorVos, Unipublic
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