マイヨヴェールを着てステージ3勝目を飾ったペテル・サガンをはじめ、ツール・ド・フランス第13ステージを走った選手たちのコメントを紹介。ゲラント・トーマスは「明日はタフな1日になる」と、第14ステージを警戒しています。


ステージ1位&マイヨヴェール ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

チームメイトたちに護られて走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)チームメイトたちに護られて走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
残り600mの時点でポジションを落としていたけど、登り緩斜面を利用してポジションアップ。スプリント開始が遅れてしまったけど、クリストフの番手から飛び出して何とか前の2人を抜き去ることができた。今日は久々のリラックスしたステージで、選手全員がしっかりリカバリーできたと思う。チームメイトの動きも良かったし、ファンタスティックだ。

(多くのスプリンターがリタイアしたので)スプリント戦線は大きく変化した。これまで3〜5チームが隊列を組んでリードアウトしていたけど、今は1〜2チームしかしっかりと隊列を組めない。そして多くの選手にスプリントのチャンスが浮上したので、みんな躍起になって勝負を狙っている。チャンスを手にできる選手が増えたと言える。もしくはチャンスを作り出せる選手が増えた。

もう誰もこのマイヨヴェールに届かないように思えるけど、パリにたどり着くまで何が起こるかわからない。明日のステージは誰かが逃げ切る展開を望んでいる。展開によってはステージ優勝を狙うことになるかもしれないけど、最後の登りは厳しく、何でもかんでも手に入るわけじゃない。それに3週目に向けて力を温存すべきかもしれない。

ステージ2位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)

横一線でスプリントするアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)横一線でスプリントするアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
勝ったと思った。何とかサガンを押さえ込みたいと思いながらスプリントしていたけど、最後は追い抜かれてしまった。スプリント自体は悪くなかったけど、勝利には届かなかった。

ほぼ自力でポジション取りして良い位置につけていた。スプリント開始が早すぎたとは思わない。先に仕掛けたデマールを追いかける形で加速してフィニッシュラインまで踏み続けたけど、サガンのほうが速かった。

ステージ3位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)

レース後インタビューに応えるアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)レース後インタビューに応えるアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:Makoto.AYANO
ラルプデュエズの次の日にスプリントするのは変な気分だった。多くのスプリンターがレースを去ったので、今日こそ勝ちたいと思っていた。理想的な場所からスプリントを開始したけど、今日は彼ら(サガンとクリストフ)のほうが速かった。ミスを犯したとは思っていない。完璧なスプリントだった。彼らに勝つにはもう少し早めにスプリントを開始すべきだったのかもしれない。

ペテル・サガンは自分よりも優れた選手であり、後悔はない。アルプスを終えて誰もが疲れているというのに、今日はチームメイトたちが1日中ずっと素晴らしい走りでサポートしてくれた。

残り1kmでアタック フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)

平穏だったけど、集団がスピードを落とさず逃げを追いかけたので決してイージーなステージではなかった。終盤はラウンドアバウトが連続するテクニカルなレイアウトで、20番手あたりから先頭に上がってアタック。自分のレースに持ち込んだけど、逃げ切るにはスピードが足りなかった。

マイヨジョーヌ ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

何事もなくマイヨジョーヌを守ったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)何事もなくマイヨジョーヌを守ったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
厳しい3日間を走り終えたプロトンがつかの間のイージーな1日を楽しんだ。でもいつも通りフィニッシュはストレスフルだった。可能な限り力を使いたくないけど、ポジションを守るためには踏まないといけない。とにかく今日という1日を安全に終えることができてよかった。

調子は悪くない。クリテリウム・デュ・ドーフィネやパリ〜ニースで総合リーダーになった経験が生きている。もちろんレースを終えてからチームバスに直行して、シャワーして食べて寝るのが一番。マイヨジョーヌを着ていると、レース後の表彰式やインタビューで束縛されてしまう。それでもマイヨジョーヌを着るのは悪くない。

明日はタフな1日になる。逃げたい選手が序盤から激しくアタックするだろうし、逃げ切りが決まっても決まらなくても、いずれにしても終盤はアタック合戦になる。チームのリーダーシップについては深く考えないようにしている。来週の日曜日まで、毎日様子を見ながら走り続けるだけ。

ステージ敢闘賞 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)

ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)を先頭に逃げる4人グループミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)を先頭に逃げる4人グループ photo:Makoto.AYANO
逃げ切れると信じて独走を続けた。小さいかもしれないけど必ずチャンスがあると自分に言い聞かせた。もし集団に何らかのトラブルが起こればどうなっていたか分からない。諦めずに挑戦を続ければ、いつか逃げ切れる日が来る。

明日赤い敢闘賞ゼッケンをつけて走るのは誇らしい気持ち。集団の中で敢闘賞ゼッケンは目立つので「昨日は良い走りだったね」なんて声をかけられるのを楽しみにしている。

text:Kei Tsuji in Valence, France