「完璧な勝利。自分の走りを誇りに思う」と語るのはアルプス初日に初優勝をつかんだアラフィリップ。いよいよ本格的な山岳バトルの幕開けとなるツール・ド・フランス第10ステージを走った選手たちのコメントを紹介します。



ステージ1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)

初優勝&今大会初のフランス人の勝利となったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)初優勝&今大会初のフランス人の勝利となったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo:Makoto.AYANO
優勝者インタビューを受けるジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)優勝者インタビューを受けるジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo:Makoto.AYANOステージ優勝とともに山岳賞ジャージも獲得したジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)ステージ優勝とともに山岳賞ジャージも獲得したジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo:Makoto.AYANO


ツール・ド・フランスでステージ優勝を飾るのは簡単なことじゃない。2年前に初出場した際に惜しいところまで行ったけど、勝利には手が届かなかった。こうして山岳ステージで独走勝利するなんて予想していなかった。言葉が出てこないよ。喜んでいる家族を想像するだけで嬉しい気持になる。

昨日の晩から今日逃げることをずっと考えていた。でもまさか逃げ切れるとは思っていなかった。自分向きのミュール・ド・ブルターニュでの走りが不甲斐なかっただけに、この勝利は完璧。自分の走りを誇りに思う。

マイヨアポワを最初から狙っていたわけじゃないけど、逃げているうちにチャンスが転がり込んできた。ずっと願い続けたツールのステージ優勝。それが今ようやく手の中にある。

ステージ2位 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)

2番手で1級山岳コロンビエール峠の下りを走るヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)2番手で1級山岳コロンビエール峠の下りを走るヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji
今日は逃げに乗って終盤にヴィンチェンツォ・ニバリをアシストする予定だったものの、もちろんチャンスがあればステージ優勝を狙う作戦だった。今日はジュリアン・アラフィリップを祝福しなくちゃいけない。彼は本当に力強い走りをした。

明日からもヴィンチェンツォを徹底的にサポートする。今日はとてもハードなステージだったので力を使ったけど、明日は彼のために集団前方で位置取りするよ。

ステージ4位&マイヨジョーヌ グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

マイヨジョーヌを守り敢闘賞も獲得したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)マイヨジョーヌを守り敢闘賞も獲得したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Makoto.AYANO
スタートから常に前で展開したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)スタートから常に前で展開したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Makoto.AYANOル・グラン=ボルナンにフィニッシュするグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ル・グラン=ボルナンにフィニッシュするグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Makoto.AYANO


マイヨジョーヌを着て逃げるのは最高の気分。マイヨジョーヌの行方は、チームスカイがどう動くかに委ねられていた。アタックして抜け出しても彼らは反応せず。マイヨジョーヌを守ることができたし、とても良い1日になったよ。

いつも休息日の翌日は調子が良いんだ。でもステージ優勝争いに関してはジュリアン・アラフィリップにかなわなかった。マイヨジョーヌを着てルーベでアタックして、今日は山岳ステージでアタック。誰にでもできることじゃないと思う。

ベルギー人にあまり縁がないマイヨジョーヌを11日間着るのは誇らしい気分。だからできる限り長く着続けたいけど、明日のスーパーハードなステージは自分のリミットを超えている。明日がマイヨジョーヌを着る最後のステージにあると思う。

ステージ10位&総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装区間を走る超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装区間を走る photo:CorVos
朝のミーティングの時点でヴァンアーヴェルマートが逃げに乗る可能性について話し合っていた。素晴らしい走りだったと思うけど、彼が総合優勝する可能性はゼロに近い。だから彼が3分のリードを得ても全く問題じゃない。チームとして状況をコントロールできていた。最後の1級山岳で何名かが仕掛けてくると思っていたけど、ダン(マーティン)の短いアタックだけだった。明日マイヨジョーヌを着ることができれば最高だけど、ツールでは何が起こるかわからない。

ステージ11位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)

超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装路区間を行くロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装路区間を行くロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
終盤の向かい風がレースを落ち着いたものにしていた。最後までピエール・ラトゥールと一緒に集団内で登りをこなせたし、常に状況が見える位置にいた。まだツールは長く、慎ましさを忘れてはいけない。とにかく今日は良いリカバリーの1日になった。

ステージ15位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

引き締まった表情でスタートにやってきたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)引き締まった表情でスタートにやってきたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装区間を走るクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)超級山岳プラトー・デ・グリエールの未舗装区間を走るクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVos総合争いの集団内でフィニッシュしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)総合争いの集団内でフィニッシュしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO


未舗装区間でパンクした時、可笑しなことが連続した。チームメイトからホイールを受け取ろうと思ったら、そのホイールもパンクしていた。コメディーのようだった。幸いフィニッシュまで十分距離があったので全く問題なく集団に復帰できた。

素晴らしい走りをしたグレッグ・ヴァンアーヴェルマートから無理やりマイヨジョーヌを奪おうとは思わなかった。本格的な山岳ステージで逃げに乗ってマイヨジョーヌを守るなんて本当に素晴らしい。

明日と明後日の山岳ステージが頭にあるので、ライバルたちはコンサバティブに走っていたと思う。今日はどのチームもカードを切ってこなかった。チームとしては、最後までしっかりメンバーを残せていたし、サポート体制が完璧に機能していたので満足している。明日は今日よりももっとアタックが連発する展開になると思う。

3分23秒遅れでフィニッシュしたメイン集団3分23秒遅れでフィニッシュしたメイン集団 photo:Luca Bettini
ステージ16位 トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

向かい風が吹く中、チームスカイが強力なテンポで集団を引き続けた。自分を含めて何名かはアタックを目論んでいたと思うけど、そんなチャンスはなかった。アタックしたダニエル・マーティンも一瞬のうちに吸収された。だから今日は力を無駄に使わないことに徹した。そのおかげで明日に向けて力を残せたよ。

明日も明後日もチームスカイは同じ作戦を取ると思う。でも2日連続で超級山岳フィニッシュなので、今日とは話が違ってくる。

ステージ17位&総合3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

チームスカイのペースのおかげでハードなステージになった。でもモビスターは常に3人が集団内にいたし、状況はコントロール下にあった。コロンビエール峠の頂上手前でチェーントラブルに見舞われたけど、落ち着いて対処して集団に戻ることができた。今日は厳しい3日間の初日に過ぎない。明日は短くて強度の高い戦いが待っている。花火のようにアタックが連続する展開になるかもしれない。

ステージ19位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

最後の2連続1級山岳の集団のペースはとても速く、アタックは不可能だった。向かい風が吹いていたし、チームスカイがずっとハイテンポで引いていた。彼らは本当に強力だと思う。今日はクウィアトコウスキーとカストロビエホの引きが特に強力だった。そして最後の下りはそこまでテクニカルではなく、アタック向きとは言えなかった。

マイヨブラン ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)

新人賞ジャージを獲得したピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)新人賞ジャージを獲得したピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
総合順位を下げていたので、マイヨブランを狙っていたわけではなかった。集団内で走っていると、手元にやってきたんだ。今日は登りで身体が軽かったけど、明日どう転ぶかは分からない。出場選手全員がトップコンディションで挑んでいるツールでマイヨブランを着るのは悪くない。

マイヨブランに固執することなく、今後もロマン・バルデをアシストすることが自分の役目。山岳ステージでしっかり彼をサポートして、総合表彰台もしくは総合優勝に導きたい。

ステージ34位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

メイン集団から脱落したリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)メイン集団から脱落したリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Kei Tsuji
集団前方で走ることを心がけたけど、(落車の影響で)背中が痛み、貴重なタイムを失ってしまった。チームと一緒に状況を整理して、これから何ができるかを考えたい。実を言うと膝の痛みがレース中に悪化してしまった。怪我を除いて状態は良いので、これからももちろん戦っていく。時間が身体の問題を解決してくれる。明日はとても短くてとてもハードで、爆発的なステージが待っている。

text:Kei Tsuji in Le Grand Bornand, France

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