7月16日、スポンサー撤退によってチーム存続が危ぶまれていたアメリカのBMCレーシングが記者会見を開き、2019年以降のチーム活動について発表を行った。ポーランドの靴製造販売メーカーであるCCC社がタイトルスポンサーにつくことが明らかになり、現在マイヨジョーヌを着るヴァンアーヴェルマートがリーダーを担う。


後半にかけてペースを上げる走りを見せたBMCレーシング後半にかけてペースを上げる走りを見せたBMCレーシング photo:Kei Tsuji
ツール・ド・フランスが1回目の休息日を迎えたアヌシー近郊のBMCレーシング宿泊ホテルで行われた記者会見。そこでポーランドのCCC社が2019年のタイトルスポンサーにつくことが発表された。事前の発表通り、2007年から12年間トップチームリストに入っていたBMCの名前が姿を消すことになる。アメリカのコンティニュアムスポーツ社が引き続きチーム運営を行い、BMCレーシングのUCIワールドツアーライセンスを引き継ぐ形でレース活動を行う。

ポーランドの大手靴製造販売メーカーであるCCC社は2000年から同国のCCCスプランディ・ポルコウィチェをサポートしており、2010年から同チームはUCIプロコンチネンタルチームとして活動。2003年、2015年、2017年にジロ・デ・イタリアに出場し、ポーランド選手権ロードで8回優勝している。UCIワールドチームとUCIプロコンチネンタルチームが合併する形になるのかや、契約年数、チーム名などは明らかにされていない。なお、BMC社とのバイクサプライヤー契約は2018年をもって終了する。

チームのジム・オショウィッツGMは「2019年に向けてスポンサーを探していたことは秘密でもなんでもない。今こうして、世界最大のレースの場で、CCC社をタイトルスポンサーに迎えることを発表できて気持ちが高ぶっている。CCCのダリウス・ミレク会長と自転車競技の情熱を共有しながら、チームを成功に導きたい」と語っている。

オレンジカラーが目印のCCCスプランディ・ポルコウィチェオレンジカラーが目印のCCCスプランディ・ポルコウィチェ photo:CorVos
BMCレーシングのジム・オショウィッツGMBMCレーシングのジム・オショウィッツGM photo:Kei Tsuji
BMC社の撤退発表以降、スポンサー探しが長期化したため、エースのリッチー・ポート(オーストラリア)やローハン・デニス(オーストラリア)はすでに他チームへの移籍を決めている。まだ正式発表は行われていないが、ポートはトレック・セガフレードに、デニスはバーレーン・メリダに移籍する線が有力とみられている。

オショウィッツGMによると、新体制のチームは23〜25名の選手で活動する見通し。その中でチームリーダーを担うのが現在ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着るグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)だ。オショウィッツGMは「現段階ではグレッグ・ヴァンアーヴェルマートを中心に据えたチーム作りをおこなう予定。主に春のクラシックレースに集中することになるだろう。その後、選手を補強しながら、ステージレースやグランツールで総合成績を狙えるチームに進化していきたい」とコメント。ヴァンアーヴェルマートは「8年間素晴らしい瞬間を共有してきたチームとこれからも共に歩むことを嬉しく思う。クラシックレーサーを中心に据えたチームは珍しく、このチャンスをしっかりと生かしたい」と語った。

マイヨジョーヌを守ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)マイヨジョーヌを守ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji

text:Kei Tsuji

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