7月1日(日)Jプロツアー第12戦となる広島クリテリウムが開催され、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )がスプリント勝負を制して優勝。前日の第11戦に続き2連勝を飾った。女子も唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が連勝した。
(リザルト・U23リーダーを修正。18.7.4)



Jプロツアー第12戦は、今年初開催の広島クリテリウム。広島市街の南西に位置する商工センター内のコースが会場だ。JR山陽本線や広島電鉄宮島線の最寄駅からは徒歩で行けることもあり、多くの観客が集まった。

初めてロードレースを見るという観客も多かった広島クリテリウム初めてロードレースを見るという観客も多かった広島クリテリウム photo:Satoru Kato
ヴィクトワール広島のグッズ販売テントには次々とお客が訪れるヴィクトワール広島のグッズ販売テントには次々とお客が訪れる photo:Satoru Katoアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)にもみじ饅頭を勧める窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)にもみじ饅頭を勧める窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) photo:Satoru Kato

コースは、アルファベットの「T」を形どるように周回する1.7km。3つのヘアピンを含むという点は6月に開催された那須塩原クリテリウムに似たコースだが、倉庫などが立ち並ぶ風景はツアー・オブ・ジャパンの大井埠頭のような雰囲気だ。

天気は前日の大雨から一転して朝から晴れ。雲が広がることもあったが、気温は30度以上に上昇し、蒸し暑い中でのレースとなった。



窪木一茂が2日連続のスプリント勝負を制して2連勝

スタートスタート photo:Satoru Kato
ルビーレッドジャージの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )自らレースを動かすルビーレッドジャージの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )自らレースを動かす photo:Satoru Kato各チームがアタックを繰り返して主導権を争う各チームがアタックを繰り返して主導権を争う photo:Satoru Kato

Jプロツアーは30周51km。スタート直後からアタック合戦によりスピードが上がり、なかなか逃げが容認されないことからハイスピードな時間が長く続く。

レース後半に3人の逃げが容認されるレース後半に3人の逃げが容認される photo:Satoru Kato地元チームヴィクトワール広島の谷順成が逃げに乗る地元チームヴィクトワール広島の谷順成が逃げに乗る photo:Satoru Kato

3人の逃げが容認されたのは、レース後半に入った17周目。山本大喜(キナンサイクリングチーム)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)、そして地元チーム・ヴィクトワール広島の谷順成が、15秒ほどのリードを築いて先行する。メイン集団はシマノレーシングとマトリックスパワータグがコントロール。さらに残り10周を切ったあたりからチームブリヂストンサイクリング も加勢し、逃げる3人を追走する。

レース終盤は山本大喜(キナンサイクリングチーム)と雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)の2人が逃げるレース終盤は山本大喜(キナンサイクリングチーム)と雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)の2人が逃げる photo:Satoru Kato
追走にチームブリヂストンサイクリングも加勢してタイム差を詰めて行く追走にチームブリヂストンサイクリングも加勢してタイム差を詰めて行く photo:Satoru Kato長く伸びたメイン集団が蛇行しながら逃げを追う長く伸びたメイン集団が蛇行しながら逃げを追う photo:Satoru Kato

逃げを吸収した直後にカウンターアタックする山本元喜(キナンサイクリングチーム)逃げを吸収した直後にカウンターアタックする山本元喜(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
逃げ集団では谷が遅れて山本と雨澤の2人に。メイン集団との差が5秒前後まで縮まった残り5周、山本大喜が単独で先行する。山本大喜は残り3周まで粘ってメイン集団に吸収されると、カウンターで全日本チャンピオンの山本元喜(キナンサイクリングチーム)がアタック。しかしこれは決定打とならず、勝負は40人ほどの集団でのスプリントに持ち込まれた。

2日連続でスプリント勝負を制した窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )2日連続でスプリント勝負を制した窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) photo:Satoru Kato
残り200m、横山航太(シマノレーシング)の背後からルビーレッドジャージの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )が前に出てくる。後ろに中島康晴(キナンサイクリングチーム)が迫っていたが、10mほど残して窪木は勝利を確信。ウィニングポーズと共にフィニッシュラインを超えた。

窪木は前日の西日本ロードクラシックに続いて2連勝。今季3勝目を挙げた。

表彰式の後はシャンパンファイト表彰式の後はシャンパンファイト photo:Satoru Kato
「厳しいレースでしたね。なかなか逃げが決まらない難しいレースでした。残り10周を切ってから3人逃げてシマノがコントロールして落ち着いたんですけれど、最後までわからない展開でした。最後は6・7番手にいて、集団の左が伸びそうだったので、風もあったので細いところから抜け出してもがきました」と、レースを振り返る窪木。

「全日本で結果を出せなかった悔しさを引きずっていましたが、この2連戦にそれを当てられたと思います。シーズン後半戦がこれから続きますので、もう一度チームで練り直して勝利を目指していきたいです。7月はJプロツアーが続きますが、これから暑くなるし、体調を崩している選手もいると聞くので、あまり追い込みすぎないように注意して臨むようにしたいです」と、語った。

一方、「窪木選手が強かった」と話す2位の中島。「大喜が先行してくれていたので、自分達は集団内の良い位置で足を貯めることができました。最終局面は窪木選手とガチで勝負しても勝てないし、強いスプリンターが他にも残っていたので、元喜がアタックして集団をかき乱してもらって、(新城)雄大に付き添ってもらいました。勝てれば良かったのだけれど、窪木選手は強かった。後ろに付こうと思ったけれど付ききれなかったです。それでも2位表彰台に立てたのはチームメイトのおかげですし、誇りに思いたいです」と語った。
JBCF広島クリテリウム 結果
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) 1時間22分26秒
2位 中島康晴(KINAN Cycling Team) +0秒
3位 黒枝咲哉(シマノレーシング)
4位 大久保陣(チームブリヂストンサイクリング)
5位 横山航太(シマノレーシング)
6位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
Jプロツアーリーダー 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )
U23リーダー 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)



女子 唐見実世子が2日連続の逃げ切り勝ち

Fクラスタ 1周目からペースアップする唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)Fクラスタ 1周目からペースアップする唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
Fクラスタ 独走逃げ切りで広島2連勝した唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)Fクラスタ 独走逃げ切りで広島2連勝した唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru KatoFクラスタ 2位争いの集団スプリントFクラスタ 2位争いの集団スプリント photo:Satoru Kato

女子は10周17km。1周目から唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がペースアップし、集団が3つに分断される。6人の先頭集団が形成されたが、唐見は2周目に入ると独走態勢を築いて一人旅を始める。そのまま最後まで逃げ切った唐見が優勝。地元広島での2連戦を連勝で飾った。
Fクラスタ 結果(36km)
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 30分51秒
2位 西加南子(LUMINARIA) +33秒
3位 下山美寿々(CORRIDORE BIORACER) +34秒
Jフェミニンリーダー 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)



その他レース結果

E1・1組 日野凌羽(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝E1・1組 日野凌羽(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝 photo:©️JBCFE1・2組 伊藤翔吾(eNShare Cycling Team)E1・2組 伊藤翔吾(eNShare Cycling Team) photo:Satoru Kato

E2・1組 佐藤俊雄( TEAM all out)E2・1組 佐藤俊雄( TEAM all out) photo:Satoru KatoE2・2組 清水一弘(Team UKYO Reve)E2・2組 清水一弘(Team UKYO Reve) photo:Satoru Kato
E1(20.4km)
1組 2組
1位 日野凌羽(松山城南高等学校 自転車競技部) 33分53秒 伊藤翔吾(eNShare Cycling Team) 33分57秒
2位 廣本凌也(Team Kermis Cross) +0秒 齋藤友一(バルバレーシングクラブ) +0秒
3位 藤田涼平(サイタマサイクルプロジェクト) 満上 亘(VC FUKUOKA(エリート) +7秒
4位 渡邉諒馬(松山城南高等学校 自転車競技部) 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) +8秒
5位 雑賀大輔(湾岸サイクリングユナイテッド) 渡邊正光(Link TOHOKU)
6位 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム) 塩崎隼秀(松山城南高等学校 自転車競技部)
E2(17km)
1組 2組
1位 佐藤俊雄(TEAM all out) 28分53秒 清水一弘(Team UKYO Reve) 28分30秒
2位 湧川将樹(山口県自転車競技連盟・GR) +0秒 真鍋諒太(ボンシャンス) +0秒
3位 中村弦太(eNShare Cycling Team) 夛田裕樹(Team Grandi Petit)
4位 渡瀬義雄(Leap Hamamatsu Cycling Team) 酒井紀章(バルバレーシングクラブ)    
5位 山口忠行(eNShare Cycling Team) 仲松康太(VC FUKUOKA(エリート)
6位 秋好佑太(VC FUKUOKA(エリート) 渡邊誉大(NIKO Factory)
E3 (13.6km)
1組 2組
1位 菊山将志(日本写真判定株式会社) 22分55秒 杉山雄亮(Leap Hamamatsu Cycling Team) 23分8秒
2位 田平修三(モジュマ エリアゼロナナゴ) +0秒 能口和久(バルバレーシングクラブ) +0秒
3位 麻生健也(VC FUKUOKA(エリート)) 城島大樹(モジュマ エリアゼロナナゴ)
4位 松本雄大(KINAN AACA) 北山雅也(ミルキーウェイ和歌山)
5位 岡村郁弥(eNShare Cycling Team) 水谷和正(バルバレーシングクラブ)
6位 中西敬太(パナソニックレーシング) 花田金之介(備北)
text&photo:Satoru Kato

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