レーシングブランドとして、確固たる地位を築き上げたメリダ。そのロードバイクラインアップの中でも、オールラウンドレーサーのフラッグシップを務めるSCULTURA TEAM-Eをインプレッション。



メリダ SCULTURA TEAM-Eメリダ SCULTURA TEAM-E (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
台湾に拠点を構える総合バイクブランド、メリダ。多くの有名ブランドの生産を請け負ってきた中で培ってきた技術と経験を活かし、高い品質のレーシングバイクを送り出すブランドとして、大きな存在感を示してきた。

MTBの世界では有力なブランドとして長い間高い支持を得てきたメリダだが、ロードバイクというカテゴリーにおいて、大きな転換点を迎えたのは2013年のこと。ランプレ・メリダへの機材供給を皮切りにワールドツアーチームへのサポートを開始し、もともと有していた高い技術力と相まって一気にロードバイクブランドとして花開いた。

細く扁平したFLEXSTAYが快適性を生み出す細く扁平したFLEXSTAYが快適性を生み出す 機械式コンポーネントを使用するときはダウンチューブから内装される機械式コンポーネントを使用するときはダウンチューブから内装される ブレード内にリブを設け剛性を高めたフロントフォークブレード内にリブを設け剛性を高めたフロントフォーク


特に日本においては、バーレーン・メリダで走る新城幸也の愛機としても馴染み深いブランドとなったメリダ。そのロードラインアップの中でも、エアロロードのREACTO(リアクト)と並び、軽量なヒルクライムオールラウンダーとして双璧を成すのが、今回紹介するSCULTURA(スクルトゥーラ)だ。

2015年に大幅なモデルチェンジを施され第4世代となったSCULTURAが、更なる性能向上を目的としたマイナーチェンジを受けることに。従来、超軽量な「CF5」、軽量性と剛性を兼ね備え、サポートチームも使用するプロユースの「CF4」、エントリー向けの「CF2」という3グレード展開であったが、今回手が入れられたのは主力モデルのCF4グレード。

流れるようにトップチューブからシートステイにつながる流れるようにトップチューブからシートステイにつながる ボリューム感のあるヘッドチューブ周りボリューム感のあるヘッドチューブ周り


軽量なシートクランプを採用する軽量なシートクランプを採用する 前方投影面積を少なくして空気抵抗を削減するヘッドチューブ前方投影面積を少なくして空気抵抗を削減するヘッドチューブ


大きな形状の変更を伴わないため、マイナーチェンジという表現にとどまっているが、実のところ2018年モデルのSCULTURAは大幅な進化を果たしている。カーボンレイアップを最適化することによって、フレーム重量で50gの軽量化を実現したのだ。

この軽量化によって、従来CF5とCF4の間にあった70gの重量差がほぼ埋められてしまったことにより、CF5は廃止され、プロユースモデルのCF4が名実ともにトップモデルとして君臨することになった。CF5の軽量性とCF4のレーシング性能を高次元で昇華した、新世代のフレームとして2018年モデルのCF4は開発されたともいえるだろう。

コンパクトなリアエンド 軽量バイクらしい造形だコンパクトなリアエンド 軽量バイクらしい造形だ シートステイに移されたリアブレーキシートステイに移されたリアブレーキ


軽量化に加えてもう一つ大きな変更点はブレーキマウント位置の変更だ。従来モデルでは、エアロダイナミクスやシートステイの柔軟性を考慮してBB下に配置されていたダイレクトマウントブレーキだが、メンテナンス性や制動力といった面において不満を持つユーザーも多かった。

今回のモデルチェンジで、その不満点を解消するように、リアブレーキはオーソドックスなシートステイマウント方式へと変更された。そのため、シートステイにブレーキ台座用のブリッジが追加されている。この2つの点が、2018年モデルに施されたアップデートの核となるポイントだ。

ダウンチューブのBB付近にはフレームに採用されたメリダのテクノロジーが記載されるダウンチューブのBB付近にはフレームに採用されたメリダのテクノロジーが記載される シートポストもフルカーボン製のものが奢られるシートポストもフルカーボン製のものが奢られる メリダ独自の「NACA FASTBACK」プロファイルを採用するダウンチューブメリダ独自の「NACA FASTBACK」プロファイルを採用するダウンチューブ


その他のフレームワークやテクノロジーについては、従来モデルの美点をそのまま受け継いでいる。翼断面形状の後端部をカットすることで優れた空力性能と動力性能を実現するメリダ独自の「NACA FASTBACK」プロファイルが、軽量モデルでありつつもエアロロードとしての側面も持つまさにオールラウンドなバイクとしての性能を実現した。

組み合わせられるコンポーネント/パーツに応じて、幅広い価格帯の完成車が用意されるSCULTURA。今回インプレッションしたバイクは、その中でも最高峰に位置するSCULTURA TEAM-E。その名の通り、バーレーン・メリダのチームレプリカ仕様となっており、シマノのDURA-ACE Di2とフルクラム RACING SPEED 40Cを組み合わせ、そのまま世界のトップレースで活躍できるスペックを持つコンプリートバイクだ。それでは、躍進著しいメリダが用意するオールラウンドレーサーの真価を計るインプレッションをお届けしよう。



ー インプレッション

「ついつい踏まされるフラッグシップらしさに溢れた一台」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)

一言でいうと、コストパフォーマンスが最高の一台です。この走りがフレーム30万円弱で手に入るなんて、他のブランドからすれば、ちょっと心中穏やかではないのではないかなあ、なんて思ってしまいますね。フレーム価格でいえば、40万円以上するって言われても全然疑う気にもならない。それくらいの実力を持ったバイクです。

とにかく踏んだ時の乾いた感触、パリッとした反応がハイエンドバイクらしいですよね。一級の素材を贅沢に使って、カーボンレイアップも煮詰められている、フラッグシップモデル特有の乗り味です。きっと誰が乗ってもこの良さは感じられるはず。

「ついつい踏まされるフラッグシップらしさに溢れた一台」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)「ついつい踏まされるフラッグシップらしさに溢れた一台」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
登っても良いし、平坦でも良いし、下っても良い。そこにきてお財布にも優しいとなると、まあ売れない理由がないですよね。メリダをよく見かける理由がわかるってものですよ。新城選手が活躍してるから売れているわけではなくて、バイク自体が魅力的なんですね。そこに、更に新城選手が乗っているというストーリーがさらに輝きを与えてくれると。

ただ、基本的にレースバイクとしての高性能さなので、ロングライドをまったり楽しみたいなんて人には少しオススメしづらいかもしれないです。剛性がある分、やっぱり突き上げは強めですね。快適性や安定性を求めるバイクじゃなくて、走りの良さを追求したバイクですから。乗り心地の部分については、ホイールやタイヤで調整したいところです。チューブレスタイヤとの相性はいいでしょうね。乗り心地を底上げしつつ、走りも軽くなるので。

ハンドリングもクイックで、レーサーが求めるキレがあります。ハンドリングもペダリングに対する反応も、すべてが機敏なバイクですね。入力されてから反応までのラグがとても少なくて、リズムが速いんです。だから、どんどん加速していっちゃう。

走っていて楽しい速度域、いわゆるターゲットゾーンも高めで、ついついそこまで持っていきたくて、ついつい脚を使ってしまうんですよね。踏んだ力を逃さずに前に進んでくれるから、楽しくなっちゃうんですよ。だから、ある程度脚が無いとバイクに負けてしまうかも。

ぜひレーサーに乗って欲しいバイクですね。完成車も悪くは無いですけど、自分の走り方や目標レースに合わせてパーツを選んでいくのも楽しいバイクだと思います。フレームのポテンシャルがあるので、どんなホイールを合わせてもしっかり応えてくれるはずです。

「どんなレースやコースでも活躍してくれるオールラウンドレーサー」紺野元汰(SBC)

前作のSCULTURAに乗っていて、そのレーシング性能は良く知っているのですが、今回のモデルチェンジでより完成度が上がったと思います。具体的に言えば、乗り心地が改善されたように感じますね。軽量化の影響でしょうか、突き上げもマイルドになりましたし、踏んだ時のウィップ感も少し出てきたと感じます。ハンドリングも素直になって、かなり乗りやすくなりましたね。

「どんなレースやコースでも活躍してくれるオールラウンドレーサー」紺野元汰(SBC)「どんなレースやコースでも活躍してくれるオールラウンドレーサー」紺野元汰(SBC)
といっても、レーシングバイクとしての魅力がスポイルされているわけではありません。どんなコースやレースでも使えるオールラウンドな性能は健在ですね。あとはやはりコストパフォーマンスの高さでしょうか。北米や欧州ブランドと比べても、実際の性能はそん色ないどころか凌駕しつつあるのでは無いかと感じます。

軽くて反応がいいので、ヒルクライムはもちろんのこと立ち上がりの多いクリテリウムにも向いていますね。平坦を高速で巡航するようなシチュエーションであれば、エアロロードに一歩譲りますけれど、総合的に速いのはSCULTURAではないでしょうか。同じブランドということもあって、REACTOと悩んでいる人もいるかと思いますが、実は見た目のイメージに反して、SCULTURAの方がレーシーでスパルタンな性格です。REACTOの方が、乗り心地は良いですね。

かかりが良くてスピードも伸びるのでスプリントだってしっかり応えてくれます。前作よりも踏みやすくなって、路面への追従性も上がっているので、踏むことに集中できるのも良いですね。ここは大きく進化しているなと感じました。少し軽くなって、ブレーキの位置が変わっただけではないですね。

やっぱりレーサーにこそ乗ってほしい。特に本気で勝ちたい、上を目指したいという人。そういう人は、距離も乗りますし、機材の消耗が激しいので、価格の安さは大きな魅力でしょう。フレームに比べると完成車はちょっと割高に映るけれど、スプリンタースイッチなどもついていて、そのままレースに出れる仕様ですから、決して損をするアセンブルというわけではありません。

フレームも軽いので、そのまま6.8kg切るようなバイクも作れるし、ヒルクライムバイクに仕上げてもいいでしょうね。ロードレースをメインに考えるのであれば、この完成車のRACING SPEED 40Cホイールはベストマッチといえるでしょう。オールラウンドなホイールなので、どんなレースでも活躍してくれること間違いなしです。

メリダ SCULTURA TEAM-Eメリダ SCULTURA TEAM-E (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
メリダ SCULTURA TEAM-E
フレーム:Scultura CF4 ultralite
フォーク:Scultura Superlite
コンポーネント:Shimano Dura-Ace Di2
ホイール:Fulcrum Racing Speed 40C
カラー:BAHRAIN-MERIDA TEAM
サイズ:44、47、50、52、54
価 格:1,100,000円(税抜)、299,000円(税抜、フレームセット)



インプレッションライダーのプロフィール

鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ) 鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)

スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の店舗を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。「買ってもらった方に自転車を長く続けてもらう」ことをモットーに、ポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考える。

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紺野元汰(SBC湘南藤沢店)紺野元汰(SBC湘南藤沢店) 紺野元汰(SBC湘南藤沢店)

神奈川県内に5店舗を構えるSBCの湘南藤沢店に勤務する、走れるスタッフ。高校時代にロードレースの世界に入って以降は橋川健さんの元でベルギー武者修行も経験し、2014年のジャパンカップオープンレースで2位、Jプロツアーでピュアホワイトジャージを経験。2年のブランクを経てスタッフとなった今はSBCヴェルテックスレーシングの一員としてツール・ド・おきなわ210kmで優勝を目指す。

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ウェア協力:Ale
ヘルメット協力:HJC

text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
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