35kmコースを平均スピード57.456km/hで駆け抜け、ライバルたちに37秒以上の大差をつけたチームスカイがクリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージで勝利。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が総合首位に返り咲いた。


36分33秒のトップタイムで優勝したチームスカイ36分33秒のトップタイムで優勝したチームスカイ photo:CorVos
開催場所は違えど、ツール・ド・フランス第3ステージと同じ35kmという距離で行われたチームタイムトライアル。7月の本戦に向けての重要なリハーサルで、チームスカイが前半から飛ばした。

2つの中間計測ポイントをトップ通過したチームスカイは、後半にかけてさらにリードを広げる走りを披露する。3人のナショナルTTチャンピオン(クウィアトコウスキー、モスコン、カストロビエホ)にトーマスとゲオゲガンハートを加えた5人でフィニッシュラインに飛び込み、BMCレーシングに37秒、ロット・スーダルに52秒、そしてマイヨジョーヌのダリル・インピー(南アフリカ)擁するミッチェルトン・スコットに56秒の差をつけるタイムで優勝した。

「とても上手く走ることができた。滑らかで速く、完璧な走りだった。チームスカイ史上最高の走りだったと思う」。優勝メンバーの一人ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)はステージ優勝の走りをそう評した。

36分33秒のトップタイムで優勝したチームスカイ36分33秒のトップタイムで優勝したチームスカイ photo:CorVos
ステージ2位/37秒差 BMCレーシングステージ2位/37秒差 BMCレーシング photo:CorVos
ステージ3位/52秒差 ロット・スーダルステージ3位/52秒差 ロット・スーダル photo:CorVos
ステージ4位/56秒差 ミッチェルトン・スコットステージ4位/56秒差 ミッチェルトン・スコット photo:CorVos
第2ステージのフィニッシュ手前で落車して総合首位を失ったミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)は、インピーからマイヨジョーヌを奪い返すことに成功。今大会ステージ2勝目を飾ったクウィアトコウスキーは「昨日の落車の影響が少なくてホッとしている。チームとして勝利するのは最高の気持ち。35kmコースは一見単純に見えてリズムやスピードが常に変化する難しいものだった。でも、テクニックの面でも戦略の面でも今日は完璧な走りだった」と語った。

第3ステージを終えて総合トップ4をチームスカイが固める形となり、総合系の選手としてはダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)が52秒差、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)が1分08秒差、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が1分17秒差で続く。トーマスは「明日からの厳しい山岳4連戦では毎日様子を見ながらの走りになる。いずれにしてもマイヨジョーヌを最後まで守りたい。確かに(戦略の上で)カードは何枚も持っているけど、厳しい戦いになるのは間違いない」と語っている。

ステージ16位のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)はライバルチームから2分04秒のタイムロス。新城幸也は「35km追い風基調で、休める区間も無く常にペダルを回し続けなければならなかった。楽なチームタイムトライアルなんて無いことを改めて思い知らされた。さぁ、明日からの4日間は本格的な山岳ステージ、レースの始まりだ!(TEAMユキヤ通信より)」と語り、山岳での巻き返しを図る。

ステージ16位/2分04秒差 バーレーン・メリダステージ16位/2分04秒差 バーレーン・メリダ photo:CorVos
チームタイムトライアルを制したチームスカイチームタイムトライアルを制したチームスカイ photo:CorVos
マイヨジョーヌに返り咲いたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)マイヨジョーヌに返り咲いたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:CorVos
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2018第3ステージ結果
順位 チーム タイム 平均スピード
1位 チームスカイ 0:36:33 57.456
2位 BMCレーシング 0:00:37 56.477
3位 ロット・スーダル 0:00:52 56.100
4位 ミッチェルトン・スコット 0:00:56 56.025
5位 クイックステップフロアーズ 0:01:01 55.876
6位 トレック・セガフレード 0:01:26 55.263
7位 アージェードゥーゼール 0:01:29 55.191
8位 モビスター 0:01:31 55.166
9位 ロットNLユンボ 0:01:32 55.118
10位 グルパマFDJ 0:01:33 55.094
11位 ディメンションデータ 0:01:41 54.926
12位 EFエデュケーションファースト・ドラパック 0:01:44 54.854
13位 ボーラ・ハンスグローエ 0:01:45 54.806
14位 アスタナ 0:01:48 54.735
15位 カチューシャ・アルペシン 0:01:49 54.735
16位 バーレーン・メリダ 0:02:04 54.357
17位 ヴィタルコンセプト 0:02:20 54.008
18位 フォルトゥネオ・サムシック 0:02:25 53.892
19位 コフィディス 0:02:27 53.823
20位 UAEチームエミレーツ 0:02:28 53.823
21位 ワンティ・グループゴベール 0:03:10 52.852
22位 サンウェブ 0:03:19 52.654
個人総合成績
1位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 9:28:21
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) 0:00:03
3位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) 0:00:09
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 0:00:21
5位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) 0:00:48
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) 0:00:52
7位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、BMCレーシング) 0:00:53
8位 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 0:00:54
9位 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) 0:01:01
10位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 0:01:08
ポイント賞
1位 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 45pts
2位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 45pts
3位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 31pts
山岳賞
1位 ブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) 9pts
2位 ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) 9pts
3位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) 8pts
ヤングライダー賞
1位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) 9:28:24
2位 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 0:01:13
3位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
チーム総合成績
1位 チームスカイ 27:12:09
2位 BMCレーシング 0:00:56
3位 ロット・スーダル 0:01:09
text:Kei Tsuji
photo:CorVos