終盤の2級山岳でフルームやアルがアタック。15名に絞られた精鋭グループの中から残り2kmで独走に持ち込んだルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がツアー・オブ・アルプス第4ステージで勝利し、チームに3勝目をもたらした。
UAEチームエミレーツがコントロールするメイン集団 photo:Tour of the Alps
ツアー・オブ・アルプス2018第4ステージ photo:Tour of the Alpsツアー・オブ・アルプス第4ステージは、イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州から国境を越えてオーストリアのリエンツへ。国境を越えるが文化圏や公用語は同じ。壮大な山岳風景が広がる獲得標高差2,300mの山岳ステージで、再びトップ選手たちが登坂勝負を繰り広げた。
レース序盤の2級山岳テレント(全長6.3km/平均7.7%)で形成されたのは、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)やルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ)、ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ)、ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)といった「すでに総合で順位を落としているオールラウンダー」たちで構成された9名の逃げグループ。強力なメンバーが揃ったためタイム差は2分以内に抑え込まれた。
グルパマFDJが率いるメイン集団は渓谷路で逃げグループとのタイム差を詰めながら、終盤の山岳区間へと入っていく。残り30kmカテゴリーのついていない上りでアタックを仕掛けた総合6位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)が逃げグループに追いついたが、この日最後の2級山岳バンベルグ(全長6.9km/平均6.7%)までにメイン集団は飛び出していた選手たちを全員引き戻した。
イタリアとオーストリアの間に佇む山々を行く photo:Tour of the Alps
残り15km地点でアタックしたファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of the Alps
山岳で攻撃を繰り返したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tour of the Alps
フィニッシュ10km手前でピークを迎える2級山岳バンベルグでレースは激しく動いた。約30名に絞られた状態で登坂を開始した集団から総合5位のファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアタック。ここにクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ニコラ・コンチ(イタリア、イタリアナショナルチーム)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)の3名が追いついて先行を始める。
メイン集団はグルパマFDJからチームスカイのコントロールに切り替わり、ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)の牽引によってアルらの動きは吸収。すると、エリッソンドに発射される形で総合4位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がアタック。ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)らを引き連れるフルームが先頭で加速を連発した。
フルームは完全に抜け出すことができず、ベネットやミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)のアタックも決まらない。こうして集団は15名ほどに絞られた状態で2級山岳バンベルグをクリアする。フィニッシュに向かう下りでもレースは動き続け、下りが苦手なピノの横からルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)やポッツォヴィーヴォが抜け出し、ここにフルームが追いつくシーンも。STRAVAログによると、ピノの下り区間(5.4km)所要時間は4分44秒(平均68.6km/h)。後方から追いついたボウマンは3分54秒(平均83.3km/h)だった。単純にピノは他の選手から下りでタイムを失っている。
しばらく先行したサンチェス、ポッツォヴィーヴォ、フルームが引き戻されると、14名の先頭グループの中に5名(サンチェス、ロペス、ビルバオ、ヒルト、ツェイツ)を残したアスタナがアタックを開始する。ビルバオに続いて残り2kmでアタックしたサンチェスの独走が決まった。
独走フィニッシュするルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) photo:Tour of the Alps
追走集団はクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)を先頭にフィニッシュ photo:Tour of the Alps
単独追走したベネットを6秒差、そして総合トップ10メンバーを含む集団を11秒差で振り切ったサンチェスが勝利。アスタナは4日間でステージ3勝目だ。「今日は全てが完璧だった。強力なチーム力が成功の鍵。序盤からヴィレッラが逃げに乗り、それからロペスやビルバオがアタックした。アスタナが全ての動きに加わっていたと言っていい。この勝利でジロに向けた好調さを確認できたし、チームも準備万端。自信をもってジロに挑みたい」とサンチェスは語っている。
総合成績に大きな変動はなく、ピノがポッツォヴィーヴォとロペスから15秒のリード、フルームが16秒のリードを保ったまま最終ステージに挑むことに。最終ステージは9月のロード世界選手権周回コースの一部を走る164.2kmの山岳コースで争われる。
ステージ優勝を飾ったルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) photo:Tour of the Alps


レース序盤の2級山岳テレント(全長6.3km/平均7.7%)で形成されたのは、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)やルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ)、ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ)、ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)といった「すでに総合で順位を落としているオールラウンダー」たちで構成された9名の逃げグループ。強力なメンバーが揃ったためタイム差は2分以内に抑え込まれた。
グルパマFDJが率いるメイン集団は渓谷路で逃げグループとのタイム差を詰めながら、終盤の山岳区間へと入っていく。残り30kmカテゴリーのついていない上りでアタックを仕掛けた総合6位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)が逃げグループに追いついたが、この日最後の2級山岳バンベルグ(全長6.9km/平均6.7%)までにメイン集団は飛び出していた選手たちを全員引き戻した。



フィニッシュ10km手前でピークを迎える2級山岳バンベルグでレースは激しく動いた。約30名に絞られた状態で登坂を開始した集団から総合5位のファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアタック。ここにクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ニコラ・コンチ(イタリア、イタリアナショナルチーム)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)の3名が追いついて先行を始める。
メイン集団はグルパマFDJからチームスカイのコントロールに切り替わり、ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)の牽引によってアルらの動きは吸収。すると、エリッソンドに発射される形で総合4位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がアタック。ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)らを引き連れるフルームが先頭で加速を連発した。
フルームは完全に抜け出すことができず、ベネットやミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)のアタックも決まらない。こうして集団は15名ほどに絞られた状態で2級山岳バンベルグをクリアする。フィニッシュに向かう下りでもレースは動き続け、下りが苦手なピノの横からルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)やポッツォヴィーヴォが抜け出し、ここにフルームが追いつくシーンも。STRAVAログによると、ピノの下り区間(5.4km)所要時間は4分44秒(平均68.6km/h)。後方から追いついたボウマンは3分54秒(平均83.3km/h)だった。単純にピノは他の選手から下りでタイムを失っている。
しばらく先行したサンチェス、ポッツォヴィーヴォ、フルームが引き戻されると、14名の先頭グループの中に5名(サンチェス、ロペス、ビルバオ、ヒルト、ツェイツ)を残したアスタナがアタックを開始する。ビルバオに続いて残り2kmでアタックしたサンチェスの独走が決まった。


単独追走したベネットを6秒差、そして総合トップ10メンバーを含む集団を11秒差で振り切ったサンチェスが勝利。アスタナは4日間でステージ3勝目だ。「今日は全てが完璧だった。強力なチーム力が成功の鍵。序盤からヴィレッラが逃げに乗り、それからロペスやビルバオがアタックした。アスタナが全ての動きに加わっていたと言っていい。この勝利でジロに向けた好調さを確認できたし、チームも準備万端。自信をもってジロに挑みたい」とサンチェスは語っている。
総合成績に大きな変動はなく、ピノがポッツォヴィーヴォとロペスから15秒のリード、フルームが16秒のリードを保ったまま最終ステージに挑むことに。最終ステージは9月のロード世界選手権周回コースの一部を走る164.2kmの山岳コースで争われる。

ツアー・オブ・アルプス2018第4ステージ結果
1位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 3:19:59 |
2位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:00:06 |
3位 | クーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:11 |
4位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
8位 | ニコラ・コンチ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | |
10位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
76位 | 中根英登(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 0:11:55 |
112位 | 伊藤雅和(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) |
個人総合成績
1位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 10:52:19 |
2位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:15 |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
4位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:00:16 |
5位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:50 |
6位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 0:01:21 |
7位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:01:27 |
8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 0:01:36 |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF) | 0:01:45 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ) | 0:01:55 |
山岳賞
1位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 20pts |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 15pts |
3位 | ステファン・ラビッチュ(オーストリア、フェルバーマイヤー・シンプロン) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 14:14:05 |
2位 | ミカル・シュレゲル(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 0:01:01 |
3位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) | 0:01:57 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 42:40:33 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:09:40 |
3位 | ディメンションデータ | 0:14:32 |