キャノンデールのMTBにおけるエンデューロレーサー「JEKYLL」とオールマウンテン「TRIGGER」の2車種がフルモデルチェンジ。フレーム形状を一新するとともにレフティから両持ちサスペンションへ変更、リアショックユニット周りも刷新しジオメトリーを調整し直すことで全方位に性能向上を図っている。



キャノンデール JEKYLL 3キャノンデール JEKYLL 3 (c)キャノンデール・ジャパン
キャノンデールのMTBラインアップにおいて、XCレーシングモデルの「SCALPEL-Si」やトレイルライドモデルの「HABIT」に対し、ジャンルやフィールドを選ばない”オーバーマウンテン”カテゴリーのマシンとして誕生した「JEKYLL」と「TRIGGER」。2015年モデルで従来の26インチから27.5インチへとマイナーアップデートが加わっていたが、今回そこから3年の歳月を経てフルモデルチェンジを果たした。

サスペンションのトラベル量を調整し、JEKYLLはより下り向きな性能を付加したエンデューロレーサーとして、TRIGGERは登りもこなせるオールマウンテン系バイクとしてそれぞれラインアップされてきた。今回その方向性は変わらず、フレーム形状とサスペンション系統を一新。ジオメトリーやリンク方式、ショックユニットをより最適化することで性能向上を図っている。また同社MTBのアイコンとも言える片持サスペンション「レフティ」も、新モデルのJEKYLLとTRIGGERには搭載されず両持ちサスペンションが採用されている。

リアショックユニットの配置を刷新しサスペンション性能を強化したリアショックユニットの配置を刷新しサスペンション性能を強化した 各種ケーブル類はヘッドチューブに集約することでクリーンなルックスに仕上がる各種ケーブル類はヘッドチューブに集約することでクリーンなルックスに仕上がる
ハッスル/フローの2種類のライドモードに切り替えが可能な「GEMINI」ショックハッスル/フローの2種類のライドモードに切り替えが可能な「GEMINI」ショック フロントサスペンションはレフティからノーマルな両持ちへ変更フロントサスペンションはレフティからノーマルな両持ちへ変更

2モデルともに共通して、従来よりも長めのトップチューブとやや寝かせたヘッドアングルを採用することでトレイル量とフロントセンターを伸ばし安定性を強化。対して立ち気味のシートアングル、約2cm短縮したショートチェーンステーによってクライミング性能と反応性を向上させている。また標準でアセンブルされるステムも前作より10/15mm短くすることで回頭性を高めている。

もちろんフレームはキャノンデールが誇るバリステックカーボン構造を採用し軽量かつ高剛性な仕上がりに。各種ケーブル類はヘッドチューブに集約してフレーム内部へアクセスするためクリーンなルーティングも実現している。またDi2バッテリーマウントを備えたり、シートチューブにボトルマウントスペースを設けたりするなど利便性にも配慮された設計となる。

リアセクションは堅牢なアルミ製でコストダウンにも貢献リアセクションは堅牢なアルミ製でコストダウンにも貢献 フルカーボン製のLockRリンク。スルーアクスルピポッドによりねじれ剛性を高めているフルカーボン製のLockRリンク。スルーアクスルピポッドによりねじれ剛性を高めている
シマノXT/SLXのミックスコンポーネントをアセンブルするシマノXT/SLXのミックスコンポーネントをアセンブルする キャノンデールのSiクランクをフロントシングル仕様にて装備キャノンデールのSiクランクをフロントシングル仕様にて装備

BB直上にマウントされていたリアショックユニットは、スイングアームとフルカーボンのリンクパーツを介してダウンチューブへと接続する構造へアップデート。ユニット自体も新たにFOX社と共同開発した「GEMINI」システムを採用しており、手元のレバー操作によってトラベル量を2段階に変更できる、ハッスル/フローの2種類のライドモードに切り替えが可能となっている。

トラベル量が短いハッスルモードはパワーロスを少なくし、より機敏なレスポンスを生み出すことでハイスピードのコーナリングや登りのシーンに対応させる。一方でより衝撃をいなしたいダウンヒルの場面ではショックユニットを開放させるフローモードへ変更するなど、それぞれ走りのシーンに応じたモードチェンジが瞬時に可能となっているのが大きな特徴だ。

キャノンデール TRIGGER 3キャノンデール TRIGGER 3 (c)キャノンデール・ジャパン
激しい下りコースも想定したJEKYLLはよりストローク量の多いフロント170mm、リア130/165mmトラベルを採用。対してTRIGGERはアップダウンのあるトレイルを軽快に駆けるようフロント150mm、リア115/145mmトラベルとなる。いずれも油圧ディスクブレーキ、ドロッパーシートポスト、ダウンチューブプロテクターが標準装備だ。

国内展開されるモデルはフロントトライアングルがカーボン、リアセクションがアルミから成る「3」のグレード。コンポーネントはシマノXT/SLXのミックスで、キャノンデールのSiクランク、ファブリックのScoopサドル、WTBの27.5インチホイールにマキシスのタイヤといったアセンブルだ。価格は両車種ともに490,000円(税抜)。




キャノンデール JEKYLL 3
フレーム:ALL-NEW Jekyll, BallisTec Carbon Frame, Ai Offset
フォーク:Fox Performance 36, 170mm Travel
リアユニット:Fox Float Performance DPS EVOL,165/130mm
コンポーネント:Shimano XT/SLX
クランク:Cannondale Si Crankset
ホイール:WTB Team i29 RIms / Formula Hubs
サイズ:SM, MD, LG
価 格:490,000円(税抜)

キャノンデール TRIGGER 3
フレーム:ALL-NEW Trigger, BallisTec Carbon Frame, Ai Offset
フォーク:Fox Performance 34,150mm Travel
リアユニット:Fox Float Performance DPS EVOL,145/115mm
コンポーネント:Shimano XT/SLX
クランク:Cannondale Si Crankset
ホイール:WTB Race i29 Rims / Formula Hubs
サイズ:SM, MD, LG
価 格:490,000円(税抜)